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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第三章 風の国編 闇に呑まれし大怪鳥
47/93

第四十四話「大怪鳥ファトラーム」

 俺達は頂へと、歩きたどり着いた。


 と言っても、眼の前だが。

 頂の一歩手前、ほんの少しした、トンネル型の穴。

 ここを越えれば、広い所に出る。

 そこに、大怪鳥がいるはずだ。


 再度準備。


 「この先、多分だけど、大怪鳥がいるはずだよ」

 「やっとか」


 長い事歩き、たどり着いた。

 ここからは、少々集中が必要だ。


 「それで、作戦は?」

 「とりあえず、大怪鳥を刺激しない事    

ゆっくり近づいて、ゆっくりと、駆け寄る。そこまで言ったら、私が話を通す、君たちはじっとしておく、この作戦」

 

 なるほど。

 俺達はじっとして、フィオネが話すと言うことか。

 まぁ、それがよいだろう。

 俺達、大怪鳥の事、よく知らないし、どう関わればいいかも分からん。


 「慎重に行こう、分かった?」


 フィオネが最後、問いかけるする。

 もちろん、オッケーだ。

 全員はゆっくり合図を送る。


 「この穴は、そんなに長くないから、すぐに空けると思うよ、だから集中を運ばないで」

 「あぁ」


 俺達はトンネル型の穴を進み始めた。

 中は少しくらいが、短いので、日の明かりが見える。

 

 そして、トンネル型の穴を一歩でた。


 そして見たもの。

 

 それは、巨大な鳥だった。


 「でっか……」

 「お、ぉぉ……でけぇ………」

 「あれが、大怪鳥ですか?」

 「そうだよ、やっぱりここにいたね」


 俺達は一度、トンネル型の穴の前で、しゃがみ込み、様子を見る。

 黒と白の羽毛。

 頭についた、立派な鶏冠(とさか)

 体は、少しだけ、丸い、鶏に近いような体だ。

 しかし、脚などの爪は鋭い。

 あれは、ただ事じゃないぞ。


 「行くのか?」

 「そうだね」


 コソコソ、小声で話す。

 もしかしたら、眠ってるかもしれないから。


 「頼むわよ……フィオネ」

 「お願いします、風浬様、じゃなくて……フィオネさん?」

 「よろしく、お前が頼りだ」


 みんなからの、期待アップ。

 フィオネは答えられるのか。

 いま、フィオネの挑戦が始まる。


 「もちろんだよ、なんたって、私はかの風浬だからね」


 堂々と胸を貼り、自分を誇る。

 ここだけならば、とっても頼りに見える。

 ここだけなら……な。


 「よし……行くぞ」

 「あ、ちょっと待って」


 ズコッ

 出鼻を挫かれた。

 フィオネが、一度手を横に広げ、俺達を止めた。 

 一体何なんだ?

 怖気ついたのか?


 「話し合いの最中で、混乱しちゃうかも知れないから、言っておくね」

 「何だ?」

 「あの大怪鳥、名前があるんだよ」


 まぁ、名前くらいあるだろうな。

 

 「これはあんまり人には話してないんだ、風神が関係してるからね」


 風神が関係している、まぁ、風神自身も言っていたしな。

 一体、何だろな。


 「言っちゃだめだけど、君たちなら良いでしょ、ということで、言うね」


 さぁ、早く言え。

 フィオネが、少し溜めたあと、大怪鳥について、話した。


 「その大怪鳥、名前は"ファトラーム"」

 

 「ファト…ラーム?」

 「あれ、どこかで聞いた気がします」


 大怪鳥ファトラーム。

 うん、よし、特徴的な名前、覚えた。

 

 「さぁ、行くよ」


 準備ができたようだ。

 さて、出発するぞ、ゆっくりとな。


 ロベルト、一行は大怪鳥へと進んだ。



‐‐‐



 体がゆっくりだが、上下に振動している。

 そして、薄っすらと聞こえるが、これは寝息。

 つまり、大怪鳥、今は寝ている。

 起こしたら、多分激怒するから、ゆっくりと行かないと。


 「あ、話し合いするから、私が起こすよ」(小声)


 まぁ、起こさないと無理だろう。

 だから、今やることは、話し合いの前。

 移動中に起こさない事。


 ゆっくり近づく。

 今は横部分。

 もう少しで正面に行ける。

 ここからだが、やはり凄まじい迫力が伝わってくる。

 

 とここで。

 ハプニング。

 あのエルフ、ルティシエ。

 木の棒踏みやがった。

 

 「ちょ…」(小声)

 「ルティシエさん……!」(小声)

 「ご、ごめん」(小声)


 まぁ、木の棒くらいで、眠りから覚めないと思うが。


 よし、そろそろ……正面だ。

 うぉ、顔が見えた、威圧的な様子をしているようだ。

 そして、毛が多い多い。


 「さて、じゃあ、そろそろ……話し合いを始めるよ」(小声)

 「頼む」


 フィオネが、一人立ち上がる。

 俺達は横で、しゃがみ込み様子を見る。


 そして、フィオネがゆっくり大怪鳥に進んでいき。

 手をだし。

 大怪鳥の体を触ったァ!?

 フィオネ以外の全員に鳥肌が立つ。


 「お、おい」(小声)

 「大丈夫だよ」


 えぇ?

 大丈夫なのか?。

 

 と、思っていた。

 その時。

 大怪鳥の目が大きく開かれる。

 黒い瞳、真っ暗だ。

 まるで、闇、底の見えない穴。


 そして、体を動かし、羽を広げる。

 あ、これはまずいのでは?

 今にも動こうとしている。


 (やばいかも、というか風強っ)


 吹き渡る風。

 とんでもなく、強い。

 

 そして、風が徐々にやみ始め、動きも止まった。

 それと同時に、正面にいる俺達をゆっくりと見る。

 ここで、ようやくご対面。


 「やぁ、ファトラーム、元気かい?」


 フィオネはゆっくり。

 かつ、親しそうに、ファトラームに問いかけた。

 それに、大怪鳥も反応している。


 「そう、それはよかった」


 フィオネも返事をする。

 実際大怪鳥は喋ってはいないが、言葉が分かっている。

 何か、通じ合う所があるのだろうか。


 「ん? あぁ、後ろの人達?」


 おっと、こっちに振ってきた。

 つまり、大怪鳥に見られている。

 少し、危機感を感じる。

 おぉ、緊張する。

  

 「この人たちは、別に悪い人ではないよ、安心して、私が保証する」


 フィオネが言う。

 そう言うと、大怪鳥は俺達を一通り確認したあと、またフィオネに向く。

 なんとか、危機は脱した。


 「ファトラーム、君は苦しんでるんだよね」

 

 フィオネは訪ねかける。

 苦しむ……まぁ、そんな気もする。


 「君に潜む、闇の呪い、それが呪縛のように絡みつき、君を苦しめてるのさ」

 

 嫌なもんだな、呪縛って。

 絡みつき苦しめる。

 この大怪鳥につく呪縛はどこから来たのだろうか。

 それに風神の言っていた事……。


 「私は分かるよ、その辛さ」


 「それは、自分の身を蝕む、まさに毒だね」


 毒か。

 体を蝕む毒。

 

 「それは、周りを巻き込む、でも最終的には一人」

 

 「だからね、私がいるから、安心して? 大丈夫だから、私は君の……友だちだから」


 笑顔、かつ優しく問いかける。

 そして、フィオネがゆっくり手を伸ばし、顔に向ける。


 それをみた大怪鳥は、顔をフィオネに合わせるよう、下げる。

 まるで、声に応えたかのように。


 「……ん、ありがとう」

 

 フィオネがゆっくりと、大怪鳥に触る。

 そして、撫でる。

 撫でる事に、毛がゆらゆら動く。


 遠くから見ていると。

 微笑ましい。


 (これが、友情……)

 

 その後も、フィオネは大怪鳥と話し始めた。

 途中、なんだか分かりにくい、話をしていた。

 そして、笑い話。

 そばから見ていると、仲が良さそうな関係である。


 (これなら、安心だな)


 顔に笑みが浮かぶ。



‐‐‐



 「君の呪いを解くことができる、これで安心できるはずだよ」


 フィオネは手をかざし、大怪鳥の頭に触る。

 それと同時に、大怪鳥は目を閉じる。


 「さぁ、行くよ、みんな見てて」


 フィオネは一度確認したあと、、再度大怪鳥に向き合う。

 そして、フィオネの手に風の魔力が溜まっていく。

 自由の風が感じられる。

 生暖かい風が吹き渡り、透き通っている。


 今、呪いが解かれようとする。

 俺達はその現場を目撃し、直視する。

 この瞬間をを逃さないため。

 3人は集中する。


 風が吹き渡り、大怪鳥の呪いを癒やしていく。

 これこそが風浬の力。


 「大丈夫……」


 フィオネは集中する。   

 失敗はさせない、必ず解く。

 そのために集中した、しかしそのせいか。

 

 上から落ちてくる落下物に気が付かなかった。



 それは突然落ちてきた。


 俺達が、呪いを解く瞬間を見るとともに、いきなり空から落ちて来た。

 黒と銀の何か。

 それは一体。


 しかし、その瞬間、落下物が光だし、点滅を始める。

 それは、少し不気味だった。

 何か、嫌な予感がする。


 「……! 危ない!」


 いち早く、危険を察っしたルティシエ。

 咄嗟にフィオネにバリアを展開する。

 それも、素早く。


 「ッ……な、なん?」

 

 フィオネが言おうとした瞬間。

 とてつもない爆発音とともに、フィオネ付近に落ちた落下物。

 それがけたたましく爆発。

 その範囲は広くはないものの、威力はあった。


 「な、なに……」

 「一体……何が起こったの?」


 辺は黒い煙で覆われる。

 臭い……俺は咳き込む。

 とりあえず、煙を吸わないように。


 この状況、あの物体。

 いきなり、落ちてきたかと思えば、光出す。

 そして、ルティシエのバリア。


 その瞬間に爆発した。

 ここから考えるに、あの物体。

 

 (もしや……爆弾か?)


 いや、この世界にそんな技術あるのか?

 こんなファンタジーワールドに。

 

 煙が晴れ始める。


 そこは、バリアに覆われたフィオネ。

 そして、佇む大怪鳥。


 しかし、大怪鳥は様子がおかしい。

 それも、…感情。

 そう、大怪鳥は怒っていたのだ。


 (あ、ま、まずい)


 危機を察する。

 その瞬間、大怪鳥が羽を広げ、大きく咆哮を上げる。

 それは大きく、響き、島全土に及ぶ大きである。


 「ぐっ……」


 耳鳴りがする。

 耳を塞いでるのにも関わらず、音が貫通してくる。

 めちゃくちゃデカい。


 「お、落ち着いてファトラーム!」

 

 フィオネが叫ぶ。

 しかし、それをものともせず、大怪鳥は動き出す。

 そして、上空、空。

 

 大怪鳥は今まさに、羽ばたこうとしているのだった。

 これは、まずい。

 風圧がえげつないことになる予感……。


 風圧が吹けば。

 きっとここら一体、吹き飛ばされる。

 俺達も、海に吹き飛ばされる。


 「っ、ルティシエ、バリア行けるか」

 「は? い、行けるけど」

 「なら、全員にかけてくれ!」

 「あ、うん」


 風圧が轟く中、ルティシエのバリアが展開される。

 そのバリアは凄い物だ。

 風圧を通さず、被害もなかった。


 「セイラン、フィオネ、大丈夫か?」

 「あ、こっちは大丈夫」

 「……私も」


 セイランも無事なようだ。

 一方、フィオネは体こそ無事だが、精神が衰えている。

 きっと、大怪鳥のことで、自分に責任を負ってるのだろう。


 大怪鳥は完全に飛び立つ。

 そして、前方の海へと、羽ばたいていった。



 会話自体は上手く行った。

 大怪鳥も、フィオネの思いに答えていただろう。

 ここまでは、よかった。


 しかし、その後の落下物。

 多分だが、あれは爆弾。

 それにより起こった、爆発。

 あれが原因だろう。

 それが、大怪鳥の本能である核を刺激したのであろう。


 誰が?

 そもそも、爆弾が、何故空から?


 一つ分かるとすれば、誰が、これを投げ捨てた。

 または、落とした。

 それも、上空から。


 「あれ? 結構無事じゃん」


 物体を落とした正体。

 少なからず、そうと思った。

 

 「まぁ、関係ないけど、それより大怪鳥、行っちゃったね~」


 大怪鳥が向かった、先を遠目で眺める男。

 それは、ピンク髪黒ローブ。

 俺のよくしる相手。


 「……お前だったのか」

 「ん? そうだね、印象残ったでしょ?」


 かの者。

 名前は”ヴィクセル”

 闇神がつねる直属の幹部、その一人であった。



‐‐‐



 「やっぱり、お前だったか、ヴィクセル……!」

 「ははっ、そんな怒んないでよ」


 この期に及んで、チャラける男。

 こいつ、自分がなにをしたか、それを軽く見てやがる。


 二人の行動を見て、驚く二人。


 「え、なに? 知り合い!?」

 「ロベルトと……黒い人が、話している?」


 突然空から振ってきた男と話していたら驚くであろう。


 「一応な……それより、何故大怪鳥を攻撃した」

 「攻撃って、ただ、物を落としただけさ、気にするなよ?」

 「……わざとだろ」


 睨む。

 あの爆弾、必ず意図されたもの。

 それは、確信できる。


 「さぁ? どうかな?」


 ヴィクセルは未だにヘラヘラしている、軽い。

 まだ、認める気はないようだ。


 あ、あとそうだ。


 「この際だから聞こう、聖水はどうした」

 

 風の聖水。

 あれがなければ、仕事が完了しない。

 それは避けたい。

 だから、さっさと、俺に返しやがれ。


 「ん? あぁ、あれね……ほい」


 男は一旦考える。

 そして分かった瞬間、どこからか闇の狭間が出現。

 そこから、聖水が出され、俺に投げられる。


 「な!……うぉっ……と」


 間一髪。

 あともう少しで、床に落ちて、大変なことになるとこだった。


 「それよりも、ここはいい景色だ、

 あの怪鳥が居なくなったら、随分広いね〜ここは」


 頂の端までいき、背伸びして体を伸ばす。 

 黒いローブが、風に辺り、横に揺らめいている。


 「大怪鳥は飛び去った。あの、方角的に……風の国めがけて……」


 風の国だと!?

 それ、まずいのではないか。

 大怪鳥、あの大きさの鳥が風の国に現れるのだ。

 そうなったら、直ぐにあの国は混乱、焦りに包まれるだろう。

 そして、被害もである。


 想像できる。

 阿鼻叫喚の地獄絵図を………。


 「ねぇ、君かい?」


 すると、今まで、立ちすくんでいた、フィオネが、ヴィクセルに問う。

 それも、いつもよりも低い声だ。


 「君が、あれを投げ入れたのかい?」


 フィオネがヴィクセルに向き合う。

 何処となくあふれる、オーラ。

 高まっていき、今にも爆発しそうな風の魔力。

 これは……不味いやつだ。


 「!………そうだね、僕だけど」


 一瞬驚くが、いつもの平静を下していない。


 「そう、そうかい」

  

 そして、フィオネの手に風の魔力が浮きだす。

 俺はそれを、はっきりと見た。


 「やっぱり、闇神の連中は駄目だね、

 さっさと潰さないと、ウジの様に湧いてくる」


 そして、闇神を人蹴りしたあと。

 フィオネは、手に溜めていた、風魔法をヴィクセルに放つ。


 「ッ……」


 それに気づき、ヴィクセルはあの鋭い鎌を取り出す。

 そして、防ぐ。


 しかし、フィオネの放った、風の魔法は凄まじいものだった。

 その風は、まさに強風。

 あたりを巻き込むに相応しい威力。

 風はあたりを包み、ロベルト含む、人を吹き飛ばす。


 「うぉっ!」

 「わ、ちょちょ、待ってよ!?」

 「か、この風……」


 「結構血の気が多いね……」


 吹き飛ばされた、ヴィクセルは直ぐに体制をとり戻す。

 そして、再度向き合う。


 「当たり前でしょ、私とファトラームの時間を邪魔し、かつ貶した、それを許せると思うかい?」

 

 フィオネに風の魔力が纏われていく。

 それは、何重にも。

 まるで、精霊でも付いているように。


 「だから、まずは君を倒させてもらうよ」

 「ふふっ、そうかい、でも無謀だ」


 ヴィクセルは闇からあの、鋭い鎌を再度取り出す。

 あれは、収納式なのか?


 「意志を言う前に……それを、やってからいいなよ」


 ヴィクセルは鎌を回し、構える。


 「この僕を倒してからねッ!!」


 ヴィクセルがフィオネに向かい駆け走る。

 対する、フィオネも、どこからか、武器を取り出し構える。

 あの武器は……鞭か?


 「さぁ、行くよ、君たちも、協力してくれないかな?」


 フィオネが俺達に言う。

 おっと、そうだった、見ている場合ではなかった。

 仲間だから、協力は必要。

 それに、俺は個人的にあの男と関わりがある。


 なんとしてでも、聖水を取り戻してくれる。


 「おっと、4対1かい、キツイね〜これは」


 まさか、4体1とは。

 流石に、集団で戦闘は、少々骨が折れるね。

 ま、それでも戦闘するけど。

 目的もあるしね。


 まぁ、でも。

 苦戦はしちゃうかな?

 


‐‐‐



 「さ! 風浬! 僕の攻撃を止められるかい!」


 ヴィクセルが鎌を上から、振り上げる。

 あれに当たれば、体が抉られる。


 しかし、フィオネはそれを華麗に避け、後ろに回る。


 「どうだ!」


 フィオネが手から、風魔法を発射。

 今回は一つに圧縮して、放っているので効果はあるはず。


 「へぇ……!」

 

 ヴィクセルは吹き飛ぶ、しかし、直ぐに体制を立て直す。

 それと同時に、回転を利用し斬撃を放ってくる。


 フィオネは、鞭を使い、一つ跳ね返す。

 もう一つは、横に避ける。

 

 「跳ね返すなんて、やっぱり凄いねぇ!」


 ヴィクセルはフィオネの方へ走る。

 鎌を後ろに構え、ついた瞬間振り回すつもりだ。

 そうはさせん!


 そこへ、ロベルトが飛び出す。

 ヴィクセルと武器がぶつかり、火花が散る。

 

 「ロベルト、邪魔をするのかい?」

 「仲間だ、だから助ける」


 俺は剣で、打ち返し、大きく横に薙ぎ払う。

 避けられらた。

 しかし甘い、体がら空きだぜ。


 「胸に気をつけな」


 俺は風を剣にまとわせ、一気にヴィクセルの下へ押し出す。

 

 圧縮された、風の一線。

 それは凄まじい、風圧とともに、ヴィクセルに向かう。

 

 「残念、上に避けるさ!」


 ヴィクセルは上に飛ぶ。

 そして、またも斬撃を飛ばす。

 

 非常に厄介だ、あの斬撃。

 鋭く、斜めに移動し、不規則に飛んでくる。

 

 「フィオネ! 風圧を俺にかけろ」

 「っ、良いのかい?」

 「あぁ、なるべく足は付近に、俺が上へと上昇できるよう、頼む」

  

 しょうがないね、とフィオネは言う。

 そして次の瞬間、俺の足元で、風圧が発生。  

 そこにタイミングよく、上にジャンプし風圧をこなし上昇する。


 「向かってくるのかい?」

 「お前を地に降ろすためな」


 向かってくる斬撃を剣で鋭く、丁寧にいなしていく。


 そして、ヴィクセルと距離が近くなる。

 相手が鎌を上から薙ぎ払う。

 俺は、剣を空中で下ろす。


 「「……!?」」


 鉄の音とともに、鎌と剣が再度打ち合う。

 その衝撃は、周囲にも伝う。


 「やるね、でも、君は空を飛べないだろう?」


 それは、確かである。

 ロベルト、一度の衝撃で若干浮いたが、それだけ。

 直ぐに、下へと落下する。


 (しかし、俺はこんなところでは、終わらない!)


 俺は魔法を唱える。

 それは土魔法と、生命の魔法を同時に唱え組み合わせる。

 そして、頭でイメージ。

 

 俺が考えるのは、長いもの。

 持て、長い、かつ軽い。

 そして………巻き付く!!


 「行けッ!」


 俺は頭の中で思い浮かべた、魔法を唱える。

 その瞬間、手から形成された土と生命の魔法が、伸びていき。

 ロープ型となり、ヴィクセルに向かっていく。


 「そんなんでどうすんのさ」


 ヴィクセルは鎌を構える。

 そして、俺が放った魔法めがけ、振り払う。

 見事、直撃。


 だが、しかし!


 「な、切れない?」


 全くと行ってくれない。

 それは硬く、全くといって切れない。

 それは、土魔法による硬質化。


 「今だッ」

 

 ロベルトが掛け声を上げる。

 次の瞬間。

 伸びていた、ロープ型の魔法の先端部分。

 そこから、突如触手が生え、鎌にがっしり掴みかかる。


 「うおっ!?」

 「っ………」


 反動で、ロベルトはバウンド。

 ヴィクセルは体制を崩す。

 

 (決まった、いい調子だ、あとはこれで!)


 ロベルトは下に風圧を、発生。

 そのまま、鎌に巻き付いたロープを持ち、飛んでいく。

 それは、まるでターザンの様に。


 その光景を、下の3人は見る。


 「一体、どこから、あんなの発送できるのよ」

 「イメージ力、ですよね?」

 「そうだね〜さて、そろそろ……」


 フィオネは、鞭に魔力をため始める。


 「落ちてきたように、準備しておこうか」


 

 ターザンの様に、空中をロープで飛び回る。

 そして、上へと、上がり、ヴィクセルへと近づく。


 「やっぱり、来るかい、対策はしてあるよ!」


 ヴィクセルは鎌を持ってない方の手で、闇を生み出す。

 それを球状にし、ロベルトに向けて投げつける。


 (球状にして、投げつけるか、なかなかの技術だ……だが)


 ロベルトは対応。

 もう少しで、直撃のところで、ロープから手を放す。

 

 ((((!?))))


 全員は驚く。

 宙にまったロベルトを、普通は離さないロープを離したことを。

 それに、一番驚いたのは、他でもないヴィクセルである。


 (この状況で、ロープから手を離した!?)


 ロープから手を離す。

 普通は、命を投げ出す行為だ。

 それに、ここは結構高いから、落ちた余計やばい。


 なのに、何故?

 

 「狙いは、ここだ」

 

 ロベルトはターザンの勢いを利用して、近づく。

 そして、ヴィクセルの真上と移動することに成功した。


 ヴィクセルは上を見る。

 ロベルトは下を見る。


 (食らって、思い知れ、俺の爆発!)


 ロベルトは瞬時に、右脚に炎を模した爆発を纏う。

 そして、勢いよく、それを振り回し、ヴィクセルに向け当てるっ!


 「な、まずe」

 

 言う間もなく、ロベルトの爆発足蹴りは直撃。

 その瞬間、爆発が起こる。

 歪んだ声をあげ、下へとヴィクセルは落ちていった。


 おっと……俺も落下している。

 風圧を、利用するか。


 そう思っていたが、突如なにかに囲まれる。

 しかし、それは見たことがあるものだった。

 透明な球体……バリア。


 「危ない……大丈夫?」

 「すっ、すまん」


 バリアの中に入れられた、俺は地上へと落下。

 衝撃普通に入るので、一度バウンドした。

 しかし、その次にはバリアが、解除。

 俺は、地へと落ちた。


 「大丈夫かしら?」

 「あぁ、足は怪我したが、なんとか」

 「そう、良かったわ」


 今は、少し地に寝転がっている。

 さっきの爆発のせいか、右脚怪我してしまった。

 そう言えば、どうなった?


 ヴィクセルの落ちた方向を見る。


 そこは、ヴィクセルが、転がっていた。

 と、思ったら、少しづつだが立ち上がって来ている。



 「くっ……やって、くれたね……」


 少々傷を負っている、しかしまだ動けるのか。

 ヴィクセルは鎌を再度向ける。


 それを構えるは我がリーダー、フィオネ。

 鞭に風魔法を込めて、今にも、打ち付けそうな雰囲気。


 「なんだい? 当てるつもりかい?」

 「当てるよ、倒すためにね」


 フィオネが鞭を鳴らす、次の瞬間、風が横に現れる。

 それは、龍の形。


 それに、驚くヴィクセル。

 しかし、彼は平静を崩さない。


 「へぇ…凄いね、だけど、僕に当てられたらの話だね」

 「当てれるよ」


 セイランが突然言う。

 

 「……なんでだい?」

 「周りを、足元をよく見たほうが良いですよ」


 突然そんな事を忠告する。

 ヴィクセルは自身の足元をみる、それと同時に、驚く。

 なんとヴィクセルの足元は、

地面から生えた、謎のツタに絡まれている。


 「あなたを拘束しました」

 「だから、さっきから足が鈍かったわけだ、君やるね」


 イケメンはセイランを褒める。

 しかし、セイランは物ともしない様子


 「でも、切ればいい」


 ヴィクセルは鎌を使い、ツタだけをキレイに落とそうとする。

 しかし、それに反応したのが、

エルフ:ルティシエ。


 突如、足にはバリアが、出現。

 ツタが絡まった、足ごと、バリアで覆った。

 

 「おっとぉ……」

 「ふん、させないわよ?」

 

 足を拘束された。

 そして。バリアで囲われ、破壊不可能

 ヴィクセル、逃げ場はないぞ。


 「私達の協力戦闘、上手く行ったみたいだ、君の負けだよ」

 「へぇ……」


 「詰みってことかい?」

 「そうだね、まぁ、諦めなよ」


 そして、フィオネは鞭を、鳴らす。

 それと同時に、龍の姿をした風が鞭に縛りつく。

 そして、それを打つ。


 「早くいくよ!疾風脚大竜(しっぷうしだいりゅう)


 それを放った。

 すると同時に凄まじい速度で、龍とムチがヴィクセルに向かう。

 暴風の様に。


 「はっ、遅いね、まだまだ」


 そんな声が聞こえた気がした。

 それは、ヴィクセルの声だ。


 「本物を見せてあげるよ、速度なら僕にお任せさ」


 その瞬間、ヴィクセルの気が上がる。

 ダンと上がり、威圧がます。


 「戦おうと思ったけど、今回は辞め、

 今日は逃げさせてもらうよ、またいつか会えるといいね」


 ヴィクセルがなにかと言っている。

 しかし、早くてわからない。

 俺の頭は情報は入ってこないが、そんなことは聞こえた気がする。


 「じゃ、また、今後もよろしく~」


 ここまでの時間1秒。


 次の瞬間、衝撃波とともにヴィクセルが消えた。

 フィオネの放つ、技をかき消して。

 その瞬間、凄まじい音が遅れて鳴り響く。


 あまりの大きさにびっくり。

 みんな、驚いた。


 「な、なに!?」

 「え、何が、起こって」


 二人は分かっていない。

 しかし、ロベルトとフィオネは黙っていた。

 何がおきたと、疑問を浮かべる、フィオネ。

 最初から知っていたロベルト。


 「ロベルト、あれは知ってたのかい?」


 フィオネが聞く。


 「あぁ、知っている」


 音速で動く魔法か?

 それにしても、やっぱり早いな。


 「あれは、なに」

 「魔法かどうか、わからない、しかしあれは音速と同じくらいの速さで動けるらしい」


 それを聞いて、フィオネは押し黙まった。

 なにも言わず、無言。

 何かを考えている。


 しかし、それは直ぐに終わった。


 「いや、いいか、さて、みんなお疲れ様!」


 いつものフィオネに戻った。

 みんなに、一つ一つ聞いている。

 それに答える、二人。

 

 さて、上手く行ったか。

 

 大怪鳥は上手く行ってなかった……。

 だが、無事聖水はゲットした。

 俺の目標である、ものも回収成功。

 

 「フィオネ、あとは大怪鳥だが……」

 「あぁ、もちろん追いかけるよ、多分王国に行ったからね」


 あぁ、追いかけよう。

 大怪鳥を止めるため……あ、ちょっと待って。


 「追いかける、と言っても、船が来るのは夕方だぞ?」

 

 船が来るのは夕方。

 今が昼頃だとしたら、またまだ時間がある。

 だから、早く行きたいが行けない。


 「ふふふっ……今こそだね」


 フィオネが不敵に笑う。

 ちょっと、似合ってない。


 「?……何か、方法でもあるの?」

 「あるよ、それは、これっ!」


 次の瞬間、フィオネの背中から、大きく翼が生えてくる。

 あの、星の時に見たやつだ。

 だが、何故に翼?   


 (あ………もしや……!)


 「わぁ、凄い……!」

 「凄いけど、翼って、何を………ぁ」


 ルティシエ気付いたか。

 俺も確信していだぞ。


 ルティシエは、少し声を震わせながらフィオネに言う。


 「も、もしかして、このっ……こ、この距離を飛んで渡ろうだなんて……思ってないわよね?」

 「うん、思ってるよ」


 ガクッ。

 やっぱ、思っていた。

   

 「嘘っ、正気!? この距離よ!? 長い時間かけてきた、この距離を渡る気!?」

 

 そうだ。

 誰だって、驚く。

 こんな長い距離渡ろうだなんて、頭おかしい。

 

 「なめぇんなよ! 私の翼があれば、これくらいひとっ飛びさ!」


 後ろを向き、自信満々に答える。

 翼で、空を飛ぶ。

 あ、そうか、飛ぶんだ、俺達が乗った船とは違う。


 「ルティシエ、飛んでいくから、船より早くつくはずだ」

 「そ、そうなの?」


 多分な。

 それに、大怪鳥も、飛んでいった。 

 大怪鳥は時速30キロくらいで飛ぶはず……だったっけ?

 まぁ、いいや。


 「あの、どの様に飛ぶんですか?」


 あぁ、それは、気になる。


 「そうだね、まず、セイラン、ルティシエを翼で包み込むよ」

 「それって、結構揺れるくない?」

 「そんな、虫みたいに毎秒羽ばたかないよ」


 翼で包みこむ。

 それは、安全そう。

 というか、翼って包めるほど便利なのか?

 そんな、手みたいに動くのか?


 「俺はどうするんだ?」

 「あー、そうだね……うーん」


 完全に、俺がいない前提で話してやがったな。


 「えーと、腕でで、掴んで持って行く?」

 「腕の負担凄いだろ」


 俺が、ぶら下がるのだ。

 結構きついぞ。


 「ぐっ、でも、それしか方法が思いつかない! さぁ、行くよ! ぐずぐずしてられない!」


 フィオネがズカズカ、頂の端へと移動していく。

 それに、セイランも続く。

 少し、不安ながらも、ルティシエが続いていく。


 (ほんとに大丈夫か?)


 まぁ、いいか。

 ぐずぐずしてられない、早く戻らなければ。

 大怪鳥を追いかけよう。

 止めるのだ、俺達が。


 

 「いっくよ〜それっ」


 空に羽ばたいた。

 

  

  

 

 



 


 


 


 


 




 


 




 


 


 

 

 

 

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