第四十三話「頂を目指し」
大怪鳥の下への道のりの近道を教えられたロベルト一行。
翌日、早速地図を広げ、朝から頂へと向かっていた。
‐‐‐
「ここか……?」
フィオネ、
ロベルト、
ルティシエ、
セイラン、
この4人一行は、大怪鳥が潜む、
紗々羅巍島の頂を目指し、歩く。
途中寄った集落街で、近道の存在を聞き出し、翌日。
この近道から、上へ上へと登っていくのである。
「ここだね、よしッ」
フィオネが、近道の入口を確認。
そして、草をバサッと切る。
すると、上へと、続く穴がそこにはあった。
木で囲まれている、少し狭い穴。
しかし、標識のようなものが、作られている。
このことから、何度も利用はされているの事が分かる。
近道の入口は、ここだろう。
「早速入るよ、いいかい?」
顔で合図をそれぞれ送る。
フィオネに伝わった様だ。
「さて……ふむ……」
まず最初、フィオネが、穴の中に顔をいれ、中を確認。
上に向いている。
ここから分かるに、上へと穴は続いているのか。
(これは、少し大変そうだな)
そうしていると、フィオネが内部の確認を終え。
戻ってきた。
「大体分かった、長い事続いていたね〜」
「それ、大丈夫なの?」
「まぁ、行けないっていうわけではないからね」
フィオネが上を指す。
その方向は、頂へと伸びている。
「でも、頂まで遠いから、結構掛かるのは間違いないね」
頂は雲が掛かっている。
天山並みではないが、それでも相当高い場所にある。
やっぱり、空飛んだほうが早いのでは……?
「さぁ、行こう! ロベルト、先に登ってよ」
「なんだ、俺なのか?」
唐突に俺を指された。
最初はフィオネかと思ったが、先頭は俺らしい。
やっぱり、男だからか?
「え、分からないの?」
「何が?」
フィオネが、何やら少し睨んできた。
後ろの二人も、不満気。
ちょっと、分からない。
(まぁ、いい、とりあえず先に行くか)
‐‐‐
中に入った。
木で覆われており、上へとどんどん登っていく感じだ。
しかし、登りにくい。
足場がないのだ、なので木々の隙間に足をかけなければ。
全くと行って登れない。
ズルズル落ちてしまうだろう。
(ま、俺の場合は土魔法で、足場を作ってるから、余裕だが)
この魔法やっぱり、便利だ。
イメージと、使い方によって、すごく役立つ。
それよりも、他は大丈夫か?
「そっちは無事行けてるか?」
もし、置いていたら、どうしよう。
それは、少しキツイからな。
「登りにくいけど、大丈夫だよー!」
一番下、セイラン。
言う通り、少し登りにくそうだか、なんとか登れている模様。
「まぁ、こっちも大丈夫だよ」
3番目、フィオネ。
少し、疲れてるかも。
「このくらい、余裕よ」
二番目、ルティシエ。
やはりエルフだからかな。
難なく、登ってきている、エルフは自然のイメージがあるからね。
「ロベルト〜! 上! どのくらい〜?」
上を確認しろとのこと。
言う通り、上を見る。
「あぁ、全く出口が見えん」
「いや~やっぱり長いね……」
上だが。
煙、雲で覆われており、全く見えない。
結構、この場所は高い。
一体どこまで続いているのだろうか。
登ってきた。
薄っすらだが、出口が見えて来た。
しかし、ままだまだ続く。
「ルティシエ、よく疲れないね〜」
「故郷が故郷だから、慣れてるのよ」
ルティシエとフィオネが会話を挟みながら登ってきている。
ルティシエはやっぱ、エルフだから、慣れてるんだな。
道理で余裕そうだと、思った。
「それより、さっきから気になってたけど、高そうなのの履いてるんだね〜」
おっと、話の方向が変わったようだ。
「なっ……!!」
咄嗟にルティシエは、フィオネから見えないよう、隠す。
徐々に顔が赤く染まっていく。
対象にフィオネは薄笑いを浮かべる。
これは、まぁアレだ。
「さ、さっきからジロジロと見てると思ったら……こんなっ………っ」
「アハハ! ごめん〜、それより、どこで買ったのそれ〜?」
弄り倒してるな、フィオネ。
そして、この状況で、まだ聞く。
まぁ、こういうの面白いからね。
「う、うるさいっ……!」
「アハハ!!!」
全く、こんなことして楽しんで。
結構ゲスぃな? フィオネ。
あ、というか。
俺を先に行かせた理由、これだったのか。
これは、失敬だったな。
「それくらいにしておけよ」
「分かってるよ〜」
そう言うと、フィオネは先程の行為を辞め、登りだした。
まぁ、結局上はルティシエだから、辞めても不安だが。
最後にフィオネは、ルティシエにニヤけ笑顔を向ける。
「……っ」
こいつ……完全に私を、馬鹿にしてるわ。
見られた……あの、あれを……。
それも、一番ッ、見られたくないヤツに!
あぁ……恥ずかしいっ!
屈辱だわ、こんなのっ!!
ある意味……弱みを握られたかも知れない………。
(この屈辱は忘れない……帰ったら覚えてなさい、この淫乱女神ッ……!)
「あの~何があったんですかー?」
‐‐‐
登りきった。
それも、全員。
ちょっと、シーンを挟んだが。
まぁ、なんとか登れた。
「フィオネ、ちょっと来て」
ルティシエがフィオネを呼ぶ。
それも、…結構低い声で。
「え? いやだけど?」
それに対しフィオネは余裕の笑み。
難なく、断る。
その瞬間。
ルティシエから発せられる、オーラが一段と高くなる。
これは、激怒モードだ。
「もう、許さないわ」
ルティシエは手をフィオネに向け、何かを唱える。
その瞬間、フィオネの周りが謎のバリアに覆われる。
「なにっ……!?」
「は!? なにこれ!?」
このバリアは……。
フィオネに覆われているバリアは透明。
しかし、中は濃く見える。
「私が展開した、バリア、これでようやく仕返しができるわ」
「アハハ……あは」
フィオネにどんどん、ルティシエが近づいていく。
ちょっと、危なそう。
なので、ここはセイランの下へ一旦避難する。
「あれ……大丈夫なのかな?」
「まぁ、流石に怪我はさせないだろう、多分な」
ルティシエがバリアに触る。
そして、何かをする順場に入る。
ルティシエの周りには魔力が渦巻きまわる。
「ロベルト、セイラン、助けて!」
必死になって、こちらに助けを求めだしてくる。
だけど、あれは無理だろう。
無言を貫く。
「覚悟しなさい」
「あっ」
そして、ルティシエが、バリアを宙に浮かす。
((浮かんだ……?))
その次、フィオネ入ったバリアがゆっくりと回り始める。
「え、え?」
「回転しなさい」
ルティシエが手を横に薙ぎ払う。
その瞬間、ゆっくりと回っていたバリアが一転。
凄い速度で、回転を始める。
そのたびに、中の、フィオネがバリアの中で飛んだり、跳ねたりする。
色々と大変そうだな。
「あれ……拷問……?」
「頭グラグラしてるから、気持ち悪くなるだろう、あれは」
実際フィオネの顔をは青い。
ちょっとしたら、吐くかも知れない。
回転が終わったら、辺一面、虹色? で溢れかえるだろう。
「ふぅ……」
ルティシエは一息吐くと、そこら辺の岩に腰を下ろす。
少し、汗を欠いている。
「魔力を使うのか? あれは」
俺は近づき、訪ねかける。
「まぁね、結構魔力を使ってしまうのよ」
やはり。
このバリアを使うだけで、ちょっと疲れたように見えた。
消費が多い、魔法というわけか。
「ちなみに、今も、魔力は使ってるんだろ?」
「……そうね」
「なら、今のうちに、解除しておけ、大怪鳥の時にもたなくなる」
もし戦いのときになったら、活躍できる魔法だろう。
というか、
戦員が一人減るだけで、苦戦が多くなるだろう。
戦える人は、より多いほうが良い。
「つまり、あの女神を開放しろって?」
フィオネを見る。
あぁ〜だるそうだなー。
「まぁ、そうとも言える、あいつも根はいいからな、頼む」
フィオネは、なんだかんだ言って、いいやつだ。
あのピンクイケメンみたいに、完全に『悪』というわけではない。
(だから、頼む)
というか、早く行きたいから、さっさと開放して欲しい。
ルティシエは腕を組み、少し、考える。
その間も汗は流れ続ける。
そうして、何秒かたったあと、顔を上げ、フィオネを見る。
「………ふん」
ルティシエが鼻を鳴らした瞬間。
先程まで、回っていた、バリアが一瞬で解除される。
それと同時にフィオネが、床にドサッと落ちる。
なんとか、吐きはしなかったらしい。
まぁ、ここは風神お墨付きの理由だろうな。
この耐久力……。
それに、吐いたら絵面に悪いし……。
セイランはフィオネの方に向かい、様態を確認。
「今、解毒をかけますので、じっとしてください」
どうやら彼女は何やら魔法をかけるようだ。
あの状況だから……。
吐き気を治す魔法かな?
「た、む……」
セイランはフィオネの額に手をあて、解毒魔法を唱える。
ゆっくりと着実に直していく。
そして、みるみる内にフィオネは回復していく。
(ほぉ……便利だなぁ)
‐‐‐
「い、いや~、助かったよ〜」
あんだけ、しんどそうにしていたフィオネ。
今や、こんなにも元気に。
やっぱ、魔法ってスゲェ!!
「まだ、安静にしておいたほうが……」
「いやいや、大丈夫だよ」
そう言って、フィオネは、軽くジャンプする。
ほんとに大丈夫なのか?
「あ、そうだった」
フィオネが、遠くで佇むルティシエに近づく。
「えー、えっと、ごめん」
フィオネがルティシエに謝る。
あら、謝れるのか。
ルティシエが少し驚く、しかしもとに戻る。
「ふん……まぁ、いいわ、私はさっさと先に進むから」
そう言うと、ルティシエは側索と先へと進んで行く。
まぁ、仲直りできたのか?
「私達もそろそろ、行きましょう、ね、ロベルト?」
「あぁ」
遠くで避難させておいた、荷物を取りルティシエのあとを追う。
大怪鳥まで、すぐそこだろう。
だから、早く行かないと。
さっさと行って、ちゃっちゃと済めばそれでよし。
「ほら、行くぞ」
最後にフィオネに声を掛ける。
一応、大事な役だ、置いていけない。
「いつから、立場が逆転して……?」
まぁ、いいや。
早く済ませないと。
大怪鳥の下への行って、上手く行けば戦わず済むからね。
さぁ……て!
フィオネも、進み出す。
バラバラだが、これでも仲間。
少しづつ、合流し、大怪鳥の元へと向かっていくのであった。




