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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第三章 風の国編 闇に呑まれし大怪鳥
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四十一話「紗々羅巍島」


 午後7時



 辺はすっかり暗くなり、夜。

 冷たい風とともに月が輝く、今夜。

 ロベルトは外で、その風に、身を包まれていた。

 冷たい月の光を浴びながら。


 「ふぅ………」


 船から、見る外の景色。

 当たり一面、海。

 まだ、島につくのに時間が掛かりそうだ。

 

 その間は、こうやって外で月の光を浴びる。

 大体はこれが日常となっている。

 夜は何かと、気分が等しく、休める。

 風邪を惹かないように、しなければな。


 あまり、暗くてよく見えないが、海を何かが泳いでいる。

 魚だろうか。

  

 にしてはサイズがデカい。

 モンスターか? それともサメ?

 どちらにしろ、関係はない。

 襲ってくることも、ないだろう、きっと。


 ロベルトは一旦周りを見渡す。

 その後、船の手すりに座る。

 結構危ないが、一応、爆発で飛ぶことはできるので。

 対処可能。


 それに、ロベルト自身も落ちた時用に、処置は考えている。


 「ライト・エンブレム」


 ロベルトは魔法を唱える。

 次の瞬間、ロベルトの手から光り輝く炎が浮き出る。

 そして、それを上空に飛ばす。


 (うん……綺麗だ)

 

 光と炎を合わせた魔法。

 飛行系なんだが、こうやって空に飛ばすのも悪くない。

 見ているだけでもな。


 夜に見れば、効果も抜群。

 

 ロベルトは上空に飛ばした、魔法を見る。

 

 すでに結構な高さまで行っている。

 いずれは光となって、消える。

 しかし、それまでは、とてもきれいな景色を提供することだろう。

 

 ロベルトは黄昏れる。

 ゆっくりと、海を見て、落ち着く。


 こうしていると、不意に今までの思い出が蘇る。

 家族の思い出……。


 父さんに、母さん、リベサスの兄貴。

 そして、妹、リシア。 

 

 本の数十年だったけど、仲良く暮らせた。

 父さん、母さんには会えるけどね。


 しかし、リベサス兄貴はともかく、リシアは重要。

 今も空中要塞の中で、一人囚われているかもしれない。

 薄暗いんだろうな……。


 あの時、妹をさらった奴は許さない。

 どんな事情があろうと。

 俺は、妹を危険に犯すやつは、積極的に潰すタイプ。

 これは、俺の精神。

 仕方ない。


 時が経てば、治るかもしれんが。

 今は無理だろう。


 薄々と感じる感情の揺らぎを心の奥に鎮める。

 ロベルトは少し、体の力を抜く。

 

 警戒を解くとしよう。

 常時やっているとは、流石にキツイ。

 精神的にもダメージが。

 それに、ちょっと頭痛いし。


 ロベルトは腕で、頭部分を何度も押し込むように動かす。

 治るだろうか。


 暗い夜の中、ロベルトは一人佇む。

 そこに、人が来るまで。



‐‐‐



 「やっ」


 声がしたような気がする。

 暗い夜中だ。

 幻聴でも聞こえたのだろう、もしくは幽霊?


 「おーい」


 いや……まだ聞こえる。

 やっぱり、何かが……。


 すると、後ろから、何かがぶつかった。

 それと同時に、床で音がした。

 多分、ぶつかった物だろう、音的に……金属か?


 金属……ん……金属?


 俺は下、床を見る。

 


 そこには、金貨が一枚あった。


 「なっ……!」


 俺は、それをすぐさま拾い上げる。

 そして、隅々まで確認。

 ・この金貨の重さ。

 ・金貨の模様。

 ・金貨の色!


 間違いない。

 これは、金貨だ。

 本物である。


 (でも……何故? こんなものが)


 「まだ気づかない? 嘘でしょ」


 そんな声が聞こえた。


 幻聴だと思っていたが、今は少し感情が上がっている。  

 俺は、声のする方向に顔を向ける。


 そこには金髪の男が立っていた。


‐‐‐


 「やっと気がついた、久しぶり」


 男はそう言っている。

 しかし……あまり、見覚えがない。

 あの話的にも、昔、どこかで合ったような素振りだ。


 しかし、全く……うーん。

 金髪でサラサラの長いロング髪?

 それに高身長……イケメン。


 ………あ


 「あなた、もしや、あの時の?」


 少し思いだした。

 まだ俺が、アトリス王国にいる時、確か。

 聖閤堂の玄関前で、いきなり現れたあの男………。


 「そっ、その時のイケメンです」


 どうやら、合っていたようだ。

 ナルシストだし、姿も少し印象に残ったものと、一致。

 間違いない。


 「なんで、ここに?」


 何故、この男がこんなところに?

 なんで、ここにいるんだ?


 「いや〜少し旅行でさ、『マジ風の国地帯面白いわ〜』こんな感じで、旅行してた所」


 旅行……?

 この男も、旅行でこの国を旅していたのか?

 それで、俺を偶然見つけて、今に至るというわけか……?

 ふむ、少し怪しい。


 「まぁ、僕も月光浴を堪能しにだけさ、安心したまえ」


 そう言って、男は船に、もたれ掛かる。

 俺も、月光浴を再開。

 冷たい風の中、夜の時間を堪能する。


 「ちょっと質問していいかい?」

 「……何故?」

 「聞きたいだけだよ、少し気になってね」

 

 気になる……またか。

 前にも、そんなこと言われた気がする。

 それに、何やら意味深な言葉も……。

 えー………何だっけ?


 まぁ、いいか。


 「君〜神にあった〜?」


 まだ、オッケーしてないのに……。

 というか、最初の質問、それ!?

 神って、そんな容易いものじゃないだろ。


 ま、答えるが……。


 「合った事はありますけど」

 「あー………どの神?」


 なんか、軽いなー。


 「風神ですね」

 「あぁ、風神。合ったんだ、どうだった? どんな感じだった?」


 結構、ズカズカ聞いてくるな。

 何なんだ? 一体この人……。

 未だに、謎ばかりだし。


 「老人で、威厳がありましたよ」

 「変わらないか」

 「……知りあいですか?」

 「……まさかw」


 ふむ、言い方に少し、怪しさを感じる。

 それに、質問も何故か尋問形式になって来てるような。

 それも、こんな情報ばかり。

 これは、警戒しよう。


 そういえば……。

 先程から少し”違和感”を感じる。

 これは……なんだろうか………。



 (警戒してるね………)


 男は、少し間を空ける。

 その間は何も喋らない。

 ロベルトも、疑問になってきた、しかしここで口が開く。

 

 「君、国ごとで信仰される神の中で、どれが一番古いと思う?」


 どれが……一番古い……?

 わからないな、そんなこと。

 そもそも、あまり神について知らない姿は風神だけ。

 神がどのような姿で、どのような強さ。

 どんな力を持ってるのかも未解明。

 だから、『古い』これは分からん。


 でも……俺の予想で言うと……。



 「生命の神?」

 

 生命の源だ。

 全ての生き物の原にして、命を司る。

 そして、何よりも平和を愛す。

 炎の王国とは違う。

 

 生命の原ということから。

 どの神の頂点に立つと、俺は思う。

 なにせ、生命だからだ。

 あと、2文字だから。


 「ノンノーン、残念、不正解」

 

 違うんかーい


 「……なら、一体誰が古いんですか? 一番」

 

 生命が違うなら、何だ?

 水か? それとも大地の土か?


 「答えは! そう、…闇神」

 「!」


 男は指で指す。


 闇神………闇………か。

 なるほど、言ってることが事実からは分からない。

 けど、闇神ねぇ。


 (……………)


 今でも、評判悪く、世界から邪神と呼ばれた神。

 悪と闇を司り、世界を貪る。

 裏の神、悪神。


 もし、その神が一番古ければ。

 一体、何が起きたのだろう。

 闇神が一番に生まれ……一番頂点に輝いた。

 闇だが、頂点で光のように。

 その神が、世界で初の神……。


 (ん?)


 いや、待てよ。

 確か、神って………。



 (元は、人間だよな?)


 「神って、選ばれたんですよね、人間の中から……」

 「古い本に書いてあるな」

 

 そうだ。


 元々この世界の神は。

 ある者によって、人間から選ばれた。

 その存在こそが、今の神。

 力でも、魔力でも、その中から選ばれて輝いた。


 俺が気になるのは一つ。

 神でもなく、力でもない。



 『神を選んだ者の正体』


 俺はこれが気になる。

 この者は一体何者なんだろうか。


 立場的にも、神より上。

 神よりも、上位な存在、圧倒的存在。

 そんなものが、この世界にいるとすれば。

 そこから、何が引き起こされるのだろうか。

 

 「おっと、話は終わりだ」

 「は?」


 話は終わり?

 何故、まだ時間はあるはず。

 それに、今ちょうど、頭の中で考えを巡らせている。

 幾多もの思考を巡らせる、それが俺の頭の中で……。


 「理由は簡単、あそこ見てみなよ」


 男は海の方向に向かってい、指を大きく指す。

 まるで、それを表すかのように。


 俺はその方向を見て思った。


 ワクワク感が湧いてきた。

 それも、冒険心が高まる。

 RPGで新天地に降り立った、あのときのように。

 俺は、それを捉えた、肉眼で

 

 「あれが」

 「そう」


 

 「紗々羅巍島(ささらぎとう)だ」



‐‐‐



 まず、最初に大きい。


 暗くてよく見えずらい、しかし影だけなら分かるスケールの違う大きさ。

 そして、森とその影。

 光の一つもない、無人の島。


 人間によって、大きく開拓されていない土地。

 あれが……紗々羅巍島……なのか。

 

 「やっぱり、大きいね、迫力満点だよ、それに懐かしい」

 「……入った事あるんですか」

 「まぁね」


 俺達を乗せる船は、紗々羅巍島へと着実に近づいていく。

 一つ一つ、距離を縮めて、いく。

 

 「さて、そろそろ御暇させてもらうよ、これでも僕は、用事があるんだ」


 そう言って、男はあとを去る。


 また、去っていった。

 名前も聞いてない、あの男の情報も、まったくない。

 本当に……何なんだ。


 いきなり現れて。

 どこか意味深なこと言って……。

 何がしたいんだ?


 深く、考える。

 すると、眠たくなってきた。

 そろそろ……寝るか……。


 「あと、」

 「……!?」


 いないと思っていたはずの男。

 扉の前で、まだそこに立っていた。

 まだいたのか……。

 驚くだろうが。


 「この先、他の国に訪れる予定、あるか?」


 他の国に訪れる予定。

 ふっ………大アリだ。


 「全ての国を回るつもりです」

 「………そうか」


 男はそういうって、少し目を閉じたあと。

 さいど、目を開け俺に向かって話す。


 「なら、一つ警告しよう」


 何をいうつもりだ?

 

 男は、それを話した。


 「雷の国に行ったら、後には戻れない、これ警告」

 「……は?」

 「止める気はない、どうするかは、君次第だよ」

 「何……?」

 「僕が言いたいのは、雷の国に行くのはオススメしない、君の身のためにね」


 そう言い終わった時。

 気づいたら、男は消えていた。

 虚空へと、何処へ………。


 ロベルトはその言葉を心にしまう。


 雷の国……。

 警告、オススメは……しないか。


 (後には戻れない? いや、俺は進むだけだ、何があろうとな)


 警告?

 何が起こるってんだ?

 悪いことか? 闇神か? あん?

 そんなこと知るか。


 教えてくれたのは、助かる。

 今後の対応にも、適応できる。

 しかし、相手が悪いな。

 俺は、そんなことでは止まらない。

 警告だろうと………なんだろうと。


 

 昔の俺なら。

 ここで、立ち止まっていただろう。

 しかし、今は違う。

 止まらない……いや、止まれない。

 すでにこの状況。


 闇神と、直接ではないが、間接的に関わっている。

 それは、風神も同じ。

 

 後にどんな事が起ころうが、関わっている限り。

 それを投げ捨てることはしない。

 責任を負ってるようなものだ。



 だから………。

 俺は進む。

 

 (あの時、決めだろ?)



 その後は、朝まで熟睡した。

 




「やっぱり、ダメか……まぁ、この先どうなるか自分次第。行動によって、運命は分岐するからね。」

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