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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第三章 風の国編 闇に呑まれし大怪鳥
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第三十八話「準備期間」

 

 昼1時

 船が出るまで、2日。

 

 その間に、紗々羅巍島まで行くための準備を整える。

 荷物など。

 食料に武器。

 臨時のポーション。

 最重要品:地図


 大怪鳥と関わりに行くのだ。

 そのためには、これが必要。

 出来れば、戦いたくない所。

 話し合いで済ませたいところだが。


 「フィオネ、なんとかなるか?」

 「怪鳥の場合によるね……凶暴じゃなければいいけど……」


 凶暴の可能性もあるか。

 やはり、ここは難所。

 相手の情報が分からなければ、どう対処するか、悩む。

 

 とりあえずは、最低限の用意はしたが………果たして。


 そういえば。

 

 「フィオネ、お前……風神お墨付きだよな。何かわからないのか」

 「他はわかるけど、あの大怪鳥は特殊でね、少しあやふやなんだ」

 「好きなものとかは?」

 「大体全般行けるよ?」


 ふむ……。

 やはり、それらしい情報は得られない。

 というか、俺はまずそもそも。

 大怪鳥にあった事すら、ない。

 

 得意、不得意も分からん。


 「ただ1つだけ、言えることがあるよ」

 「何だ?」


 フィオネが何か知っているようだ。

 それも、…何か特別な。

 もしかしたら、弱点?



 「大怪鳥は、家族思いってとこだよ」


 静粛。

 フィオネの一言で、空気が一変する。

 しかし、それは温かい感じに。


 (そうか……)


 「ふーん……アンタ、そう言うこと言うんだ、以外」


 その静粛をルティシエが破る。

 

 いつも、どうりの上からの態度だが、今回は少し違うものも、

紛れ込んでいる。

 それは……意外と、再感。


 「どういうことだい?」


 フィオネは聞く。

 どこか、嬉し紛れに。


 「いつも、朝から夜まで、無駄なことやって、ついでに金を借りてる女が、【こんなこと言うんだ】って、評価を再感する感じ?」

 「ちょい」

  

 ちょっと、酷くないかい?

 ルティシエちゃん。

 私、そういうふうに、見えてたのかい?

 確かに……金を借りてるのは事実。

 それを返さないのも、事実。

 

 見直してくれたのは、嬉しい。

 でも、前置きが痛いよ……。


 フィオネ、カウンターでへたり込む。

  

 「ふぅ……全く、こそこまで言わんくても」

 「事実は、事実」


 まぁ、それは……。

 合ってるのかな?

 まぁ、それはいいだろう、別に。


 「自由の化身にはこうやって、キツく言わないと、聞かないでしょ? 自由なんだから」


 それは……そうか?

 フィオネは自由なやつだ。

 天真爛漫といった、ところか。

 それでも。


 「人のこと、その人の個性含め、大事に思ってるのは、確かだぞ?」


 これは事実。

 こんな自由なやつでも。

 誰よりも、人の自由を願っている。

 その人が、どんな願い、個性を抱いてあろうと。

 その人の自由を願う。


 それは、良い事何じゃないかな?


 「知ってるわよ、だから言ってんの」

 「え?」


 知ってたのか。

 だから、これほどまで……。

 ………そうか、なるほど。


 だから、ここまでフィオネにあれこれ言えるのか。

 そこまで、彼女を知っている。

 そう言う立場………。

 

 うん。


 「なんだ、仲良しじゃん」

 「うるさい」


 そう言って、ルティシエはドリンクを飲んで行く。

 そして、飲みきった。

 完飲。


 「準備、するんでしょ? さっさと用意したら?」

 「あぁ、…そうだったな」


 ロベルトは荷物の整理を再開。

 予定も確認しだす。


 それを、間近で見る、ルティシエ。

 その姿に、どこか、自分の警戒を解いた気がした。

 気が抜けた……と、いったほうがいいだろう。


 フィオネも、起き上がる。

 

 「はぁ~……さて! 順調かい?」

 「あぁ、間に合うだろうな」

 「それは良かった」


 用意は順調。

 明日でも良かったんじゃ?

 そう思ったが、これも念の為だ。

 

 とりあえずは、店で買った物を整理して。

 持っていくもの、行かないもの。

 この2つに分かれる。

 

 持っていくものなどは、すべて。

 ロベルトの荷物。


 そして、フィオネ、ルティシエ、マスターさんからの仕入れである。 

 なので、各人物の個人物ばかり。


 「大変だねぇ〜あ、ルティシエはもちろん来るよね?」

 「へっ!? いや、…アタシは別に……」


 ルティシエが驚く。

 どうやら、行くつもりは、なかったようだ。

 俺達が行くのに。

 お前がいかないとでも? エルフの賢老………。


 「え? 行こうよ、必要だよ、ルティシエの助けが必要だよ」

 「はぁ?」

 「その通り、ぜひとも、援助よろしく」


 フィオネが、詰め寄り。

 ロベルトが背中で語る。


 ルティシエ、どうするか。

 この二人に対し、どう対処するか。


 「……無理よ、アタシにも事情と言うものがあるの」


 腕を腰にあて。

 きっぱり断る。

 その顔からは行けないという、気持ちが出ている。

 と言うより、"面倒い"?


 「事情って、いつもどうり墓参り行くだけでしょ?」

 「墓参り……」

 「アタシにとって、それは大事なこと、甘く見ないでくれるかしら」


 墓参りか。

 先程の様子、会話からは、想像がつかない事情だな。

 それに、…いつも。

 思い残した、事があるのか?


 とにかく。

 それでも、来て欲しい。

 最低でも、3日はかかるが。

 そこは仕方ない。


 「そこをなんとか、頼む」


 今度は、顔を向き合わせる。

 この時立っているので、身長差が生まれる。


 「そうだよ〜ルティシエは年寄で、経験豊富者じゃん!」

 「は?」



 (おっと、年齢はまずいですよ?)


 マスターは思った。

 しかし、実際には言わなかった。



 「確かに、100歳は越えてるらしいし、頼みたいんだが……年長者に」

 「………」


 ルティシエはエルフ。

 つまり、長生きする種族である。

 なので、歳とかそんなもん関係のない種族なのだ。

 というか、そんなもん気にしない、普通のエルフは。


 この点。

 ルティシエは歳の事を言われると、何故かイライラしだす。

 コンプレックスなのか?


 この点から、ルティシエの。

 『アタシは他のエルフとは違うの』発言が。

 ダルい方向で役に立っている。


 「もう一回言ってみなさいよ?」

 

 先程まで、怒っていたが、今度は煽り調子に一変した。

 これぞ、年長者の余裕……。


 そうだな……うん。


 「お前、実質100歳のババa」

 「あら? 聞こえなかったわ? もう一回言ってくれるかしら?」


 コイツ……。


 「100歳のクソバb」

 「あら? 全然聞こえないわ……貴方の声が小さすぎて」


 ほぼ煽りバトル。

 年長者と、転生者以下に。


 という、茶番をしている間も。

 刻一刻と、時間は進んでいく。

 時間に余裕はある。

 しかし、それでも、遅れるかもしれない。

 とのことで、丁寧準備中。


 「年寄のせいで、耳が退化してんじゃないのか? 長い耳だけあって、長生」

 「貴方の滑舌が爆発レベルに悪いのよ。こんな「ヒャギュチャィ゙」とか、

意味の分からない事を……整声整形をおすすめするわ」


 いじり合い。

 それは長く続く。

 

 別にこれといった因縁があるわけでもない。

 ましてや、知り合って間もない。

 それなのに、この始末。


 少しのすれ違いと。

 気の合わなさ、そして地雷を踏むだけで、ここまで発展する。

 まさに爆発的。


 いつしか、二人は立っている。



 「おや? この状況は一体?」

 「あ~ま……喧嘩?」


 かくいう、二人も止めようとしない。

 面倒いことになる。

 それを、分かっているのだ。

 だから、今は放置。


 まずは、自分たちだけで、準備をしよう。

 この喧騒を作業員の音楽として。



‐‐‐



 だいぶ収まった頃


 準備が大体完了した。


 ルティシエ何だが。

 結局は行くことになった。


 何か、昔の約束と甘いもので、マスターさんが釣ってた。

 甘いな……このエルフ。

 言い争う必要無かったんじゃ……いや、必要だ。


 ちなみに行くときでさえ、墓の事を気にしていた。

 ルティシエにとって、そんな墓参りに関係があるのだろうか。

 それこ、そういう仕事か?

 それとも……個人の事情。


 

 「ロベルト、大体終わったね」

 「あぁ、そうだな」

 「ふぅ~休めるね〜じゃぁ……次は、確認だ!」

 「なんの、確認?」

 「島に行くための、人数の確認」


 メンバーの確認か。

 確かに、行くために、最初は確認が必要か。


 行くメンバー。

 ロベルト・クリフ 人間

 

 ルティシエ エルフ


 フィリオリーネ 不明


 「一応この3人か」

 「まぁ、そうだけど、あと一人、回復役が欲しいかな〜?」


 回復役、確かに、このメンバーの中にいない。

 役割を分担すると。

 俺が攻め、前衛の戦士タイプ。

 ルティシエが魔法で、遠距離かな?

 たまにサポート。

 フィオネが完全なる補助。

 これは頼もしい。


 となると、回復が欲しい。

 ダメージや状態異常とかあるはずだ。

 そのための回復要員。

 これは欲しい所……。


 「ちなみに、宛はあるのか?」

 「あるよ」


 すぐさま即答。

 フィオネにしては、早い。

 

 それにしても、フィオネが知る、回復要員とは……誰だ?

 いや、知らないやつだろうが。

 このフィオネが選んでるからな。


 相当なつわもの。

 または、エキスパート。

 これで、間違いない、なにせ風神お墨付きだからな。


 (ここは、謎の自信がある)


 「誰なんだ?」

 「女の子だよ、あの」

 「あの?」


 女の子と言われても……あまり出てこないな。

 僧侶というか。

 回復役でそんな娘………。


 「これじゃわからないか(小声)」


 フィオネは、考える。

 そして、ロベルトに教える。


 「ほら、えっと……川辺の」

 「川辺?」

 「えーっと、聖水事件」


 聖水事件 

 風、土の聖水がなくなった時。

 つけられたネーミングである。

 意味は分かる。

 

 「聖水事件、女の子……あ、あ~!」


 ロベルトは思い出した。

 拳にぎり、掌をポンと叩く。

 上手く、わかったようだ。


 「あの子か」

 「そうだよ」


 へぇ~あの子が。

 フィオネと知り合いなのか。

 と言うより、風浬様として、知られている感じか。

 

 というか、回復系だったんだ。

 妙に、バックから、変な形の棒飛び出しているからな。

 あれ、杖だったのか。

 なるほどね。


 (あーでも)


 「大丈夫なのか?」

 「なにがだい?」

 「その子、何か強制されてて、暇なんか存在しないんじゃないか?」

 「あーそうだね〜」


 見た所、そう見えた。

 一回聞いたけど、凄い用事の量だった。

 めちゃくちゃ多い。

 それを、あの女の子がやっている。


 「うーん……あ~、まぁ、連れ出しちゃえばいいでしょ? 風浬の名のもとで」

 「強引な作戦だ」


 とっても、強引だな。

 会話とかないのか?

 そのまま、連れ出しちゃうのか。

 3日間位、かかる旅に。

 

 これは……。

 あの使用人。

 マジギレするレベルだ。

 もしくは、訴えられかもしれないぞ? 大丈夫なのか?


 「そんなに、欲しいのか?」

 「いて欲しいね、彼女の回復センスは高いよ〜?」


 これは、期待できるな。

 ハードル高めだが。

 実際に来た時、大丈夫なのか、心配になってきた。


 それにしても。

 結構な強引戦法だ。

 これを自由と言えるのか?

 むしろ……強制に近いのでは?


 「フィオネ、これは自由ではなく、強制じゃないか?」

 「さぁ、行こうか」

 「おい」


 確信犯じゃねぇか、コイツ。

 なにが、自由だ、バカめ。 

 コイツこそがご都合の魔神じゃねえか?


 フィオネは、先に出てしまった。

 話を聞かずに……ささっと。

 仕方ないので、ロベルトもついていく。


 「おっと、ローブ忘れるとこだった」


 危うく、このまま外に出るところだった。

 ふぅ……危ない。

 

 

 ‐‐‐



 現在、聖水事件であった彼女の家を訪ねています。

 本当眼の前です。

 玄関の前にいます。


 「いい? ベル鳴らすよ?」

 「さぁ、やれ」


 チリリリーン


 ベルが鳴り響く。

 この世界でのインターホンはベルである。

 まぁ、ベルでも大きな音は鳴るのは、鳴る。


 二人は待つ。

 棒立ち扉の前。



 そして、扉が開けられる。

 

 「遅くなってすみません……どちらさ……」

 

 そこには棒立ちで扉の前で立つ。

 この国の有名人。

 風浬となんか不気味なロベルトこと、

風鬼の二人がいた‥


 「な、…なぜこちらへ?」


 彼女は、少し引きつった笑いを浮かべている。

 やはり、この前の事件。

 その犯人だった彼女に、罪悪感といものがあるのか。


 さて、…少し尋問しよう。

 

 会話。

 

 「この前のことは許すよ」

 「ひ……えっ? あ、はぁ……」


 やはり、当たっていた。

 多少なりとも、罪の認識があるようだ。

 もちろん、俺にもある。


 フィオネの質問


 「君、2日後休暇で暇だったよね?」


 初耳なんですけど。


 「え? あ……一応……」

 「良かった!」

 

 フィオネは安居する。 

 これにて、成功する確率は30%くらい上がった。

 

 フィオネにかわり、俺が質問。


 「風浬様直々、お主を短時間の旅の仲間に加えたいらしいぞ」

 「はぁ……え!?」


 一見、聞いてるだけだと思ったが。

 言葉に気づき、驚きを上げる。

 そして、何やら慌てだす。


 「えっと……私なんかで、いいんでしょうか?」

 「全然いいよ! むしろ大歓迎!」


 成功度は着実に上昇中。

 彼女も、徐々に正常心を取り戻しつつある模様。

 非常に良寛。


 「えっと……貴方も?」

 「……む、あぁ、もちろんだ」


 ここはいつもの力強い感じではない。

 ちょっと弱めて、力強い音色の中に混じる、一滴の優しさを表す。

 こんな感じならば、良いはず。


 「……大体何日くらいで終わるんですか?」

 「早くて、2日さ」


 それを聞いて、彼女はどこか安心したような表情を浮かべる。

 良かった、合ってるのかな。


 「それなら行けます! ぜひ、行かせてください!!」


 決まったぁぁぁぁぁぁ!!!!(ロ)

 きたァァァァァァァ!!!(フ)

 ガッポーズを取りたいところだが、今は抑えよう。

 とにかく、誘惑作戦は成功を収めた。

 

 この成果は、いずれの作戦。

 大怪鳥様子見作戦に多大なる影響をもたらすであろう。

 これは、非常に良いことだ。


 「じゃぁ、2日後の朝10時によろしく~」

 「わ、分かりました……」


 任務完了。

 これより、軍事拠点へと帰還する。


 「ふぅ~疲れた……」

 「決まったね」


 二人は後ろを向き、急にだらける。

 ロベルトに関しては、声を戻し、フードも被っていない。


 「?」


 この状況を見て、彼女は理解できていない。


 「このあと、どうする? フィオネ」

 「やることないからね〜外行って、モンスターと運動してくる?」

 「あぁ、いいな。丁度体が鈍っていたところだ、少し運動するか」

 「じゃぁ、行こう」

 「あぁ」


 まるで、友達のように接する二人。 

 それを見せつけられる彼女。


 情報量が多く、放心。

 『ハテナ状態』


 彼女はその後、ゆっくり……戸を閉めたのであった。


 


 

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