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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第三章 風の国編
35/93

第三十三話「風の間の一戦」


 ロベルトが神殿内部に侵入してから、一時間が経過しようとしていた。

 その間、ロベルトに気絶させられた兵士一人、味方を抜いて、

誰一人として、ロベルトの侵入に気づいてないのである。


 この結果から分かるに、ロベルトの侵入作戦は上手く行ったのである。

 一概に、上手く行ったわけではないが。


 しかし、ロベルトはなんとか風の間に到着したのである。

 この地こそ、目標地点!

 この地にて聖水を取り返す、ついでに風神とも相まみえる。



 ―風の間―


 風の間の扉に到着、ゆっくりと扉を開け、中へ入る。

 扉を閉めるのを忘れずに。


 (広いな)


 ロベルトは中へと入ったあと、一通り周りを見渡す。


 中の風景は、円状の部屋、少し無機質といった感じか。

 周りは白壁の模様に、何か神秘的な模様が見える。

 天井には、灯りの綺麗なシャンデリラ。

 それぞれ、1つづつ、自分なりに灯火を上げている。

 そして……薄々感じる、風の魔力。


 「間違いない、ここが風の間だ」


 ロベルトは遂に風の間に現着する。

 

 少し前へ進んでみると、前方に台座のような物を発見する。

 そして、その台座の上にある物に驚愕

 全身が張り詰める。


 台座の上にあったものは、

あのオレンジ色に輝くブロックであった。

 しかし、聖水は見当たらない。


 (何故、あれがそこに……)


 とにかく、回収しよう。

 聖水が大事だが、あの石の謎も解き明かしたい!


 ロベルトは走り出し、石の元へと向かい駆ける。

 しかし、ロベルトが向う、台座のもとに何かが飛んでくる。

 それは『斬撃』それも高速! しかし色が薄いピンクであった!


 (……!?)


 ロベルトは、いち早く、気づき、横に飛び込み、それを避ける。

 飛んできた斬撃を無事、避けることに成功したのである。


 「これは……!?」


 ロベルトが、飛んできた斬撃の着地点を見ていると、

上空に強い力を感じた。

 上空に振り向き、その正体を捉える。


 「やっ、また会ったね」


 その正体は、またもやあのピンク髪のイケメン。

 時間にして、一日ぶりと、早い再開である。

 しかし、今回は再開の仕方が、最悪であった。

 それにより、ロベルトの中の闘争の魂に日が灯る。


 「お前……なんのつもりだ」

 「いやいや、単にこの石を」


 そう言って、台座に手を掛け、上にある石を持ち上げ、

ロベルトに見せる。

 それも魅力的に。


 「……貰いに来ただけさ」


 男は指を使って、綺麗に指パッチンを決める。

 これも魅力的に。

 

 その言葉、言動はロベルトをさらに燃え上がらせる。

 初めて出会った時と同じように。


 「そうか、お前は、やはり幹部の者で間違いないようだ」


 ロベルトは確信する。

 何度目だろうか……鞘から剣抜き、片手で男に向ける。


 「空中要塞のモンだろ、その石を使って何をするきかは、分からんが、どうにもきな臭い」

 「空中要塞? 違うよ、でも……どちらも石は必須としてるけどね」

 

 不敵な笑みを浮かべたあと、どこからか身の丈程の鎌を取り出す。

 それと同時に、ロベルトにそれを向け、横に振る。


 鎌の刃は鋭く、かつ魅力的なピンク色に輝いている。


 「せっかくの機会だ……一味違う戦いをしよう」


 男は石を何処かにしまい、こちらにゆっくりと向かい、

面と立つ所で止まった。

 

 「その前に、名前を教えてなかったね……」


 そして、男は綺麗にお辞儀を行い、一言発した。

 彼の者の名を………。



 「僕の名は『ヴィクセル』君との勝負を望む」


 名前を発した瞬間、目にも止まらぬ速さで、立ち向かって来る。

 捉えられない! とても早いスピード


 「ッ……!!」


 そのスピードに対応する。

 高速で近づく攻撃に、土魔法を込めた硬い武器。

 いま、攻撃と即座の防御が迫り、激しい衝撃を生む。


 剣と鎌の強烈なぶつかりによい、周囲に凄まじい衝撃が損じる。

 空気が一瞬、止まったような、そんなような衝撃だ。

 

 「やるね」


 剣と鎌のぶつかり合いの後、即座に次の攻撃に移行。

 次々と鎌による、広範囲の攻撃が繰り広げられる。

 それも、なかなかの使い手、攻撃を入れにくい。


 「チッ……」


 ロベルトは一旦、後ろへバックステップで移動、

その後距離を取り、剣で様子を見る。

 どうやって、勝つか……上手くあの男をはめる方法を……。


 「降参してもいいよ? 僕は石を取れればそれでいいからさ」

 「誰が……」


 ロベルトは剣に爆風の炎を宿し、ヴィクセルに走りだす。

 そして、それを前にジャンプ。

 その時、剣の爆風を利用し速度をつけ、剣で思いっきり突く。


 直撃!

 その衝撃で、男に爆風が炸裂!

 煙が広く舞う。


 しかし、あの男は煙を鎌で切り払い、俺に襲ってくる。

 しぶとい。


 (口だけではない、それに……この強さ……)


 この男、ヴィクセル……相当な自信を持っている。

 それも、口先だけではない、確かなる実力さえも持つ。

 それに、やつはまだ、あの高速で動く技を残している……。


 (ここから、どうやっていくか……)


 すると、突然空気による衝撃波が一面に広がった、

そう思った束の間、次には斬撃がこちらにいくつも飛んでくる。


 斬撃はピンク、紫と色が分かれている。

 色ごとに何か攻撃が違うのか?


 ロベルトは数々の斬撃網を瞬間的にダッシュで避ける。

 腰を下げ、姿勢を低くし、かつ剣をいつでも出せるよう、動く。


 (ヤツの懐に入り、剣を入れる……なんとか……さて)


 「斬撃は不規則に動く、それぞれに個がある、自由の狂騒」


 避けたとしても、次々に増える斬撃の雨。

 避けるのも面倒だ、


 「お前は稲光の耐性はあるか?」

 「どうだろうね、試してみるのも策の1つだよ?」

 「ならば、実行するのみ」


 斬撃を避け、駆け巡りながら、手に雷光の雷を溜めていく。

 徐々に雷が弾く音がなり、次第に強くなっていく。


 しかし、ためている間は、攻撃は不可能。

 斬撃を避けるのみ、一瞬でも当たれば、雷光が消えてしまう。


 (待ってろ、いずれその脳天に俺の雷光をブチかましてやる……)


 斬撃が早くなったような気がした。


 一段、低い位置!

 ここはジャンプで避ける!

 横の2つの斬撃、それも緩く回転。


 ここは一旦、大きくジャンプし一回転で避け着地。

 しかし、着地点にも斬撃!


 よく考えていやがる、抜け目のない奴

 それにあの笑み。

 ………嫌なやつだ。


 「雷光だっけ? 結構溜まってきてるようだね」

 「もうそろそろで、撃てるから安心しろ」


 …………嘘だ。

 今なら打てる。


 すると、今まで、散々迫ってきた斬撃がやんだ。

 それと同時に、あの男の鎌が消える。


 (! もしや、…制限があるのか……ならば、この隙に)


 ロベルトに貯まる雷光

 稲光、激しく電撃が舞い、今にも放ちそうな雰囲気を醸し出す。

 その威力は、ここら一体を吹き飛ばすほどであろう。


 「おっと、来るのかい? 僕にどんな物を見せてくれるのかな?」

 「見せてやるさ、取っておきを」


 これで終わる。

 この雷電を……轟く稲妻をヤツに喰らわせてやる。


 ロベルトは男に向かい、高く上空に飛び上がる。

 腕を頭の上に上げる。

 上空には溜めた雷光が神々しく光り輝く。


 (おっと……これは、少し計算違いだったかな?)


 少しだけ、それに足がすくむ。

 ヴィクセルはこの時点で初めて、少しだけ、恐怖。

 ロベルトに対する恐ろしさを感じた。

 最後に少し笑みを浮べた。


 そして、雷光はヴィクセルに裁きというなの、鉄槌を下す。


 

 「サンダースパーク」 


 直後、目にも見えぬ速さ、雷の速度で魔法が落下。

 辺を青白い雷が周囲を一瞬にして舞う。

 その衝撃で、直撃着地点は雷の衝撃で爆風に包まれる。


 爆風の幅は広く、周囲は黒い煙に包まれ、なにも見えない。

 それに煙臭い。


 とにかく、 この威力だ。

 アイツにあたったはずだし、多少の怪我は負っているはずだ。

 さて、どうなるか、少しは傷を負って動くことの出来ない所まで欲しいが。


 モヤモヤとした、煙が徐々に晴れていき、

辺りがよく見えるようになって来た。


 「!?」


 信じられない。

 世にも奇妙な現象を見てしまった。

 あの男、なんと、あの威力の雷を喰らって、立っている。


 ヴィクセルは下を向き、両手をおろし、立ち尽くしている。

 馬鹿な…何故……。

 一体、どうして立っている。


 「フフッ……」


 ヴィクセルは下を向いてるため、髪で隠れて顔が見えないが、

笑っているのは分かる。

 何か、少し笑っているし。

 謎深き…………。


 「この僕に、ここまでの傷を負わせるとは、驚いたよ」


 そう言って、また笑う。

 それも、何か不気味に。

 そして、何よりも、それよりも……。

 先程から、この男の力の源が、魔力が上がり続けている。


 (何か……気配を……)


 「久しぶりだけど、僕を本気にさせた行い、後悔するがいい」


 急激に上がるヴィクセルの力

 おぞましい、気配、ビリビリと先程から感じる予感。

 これから起こる恐ろしい出来事。


 そして、風の魔力。


 「ん? 風の魔力………?」

 「なに?」


 突然溢れ出す風の魔力。

 それに、気づき両者ふたりとも、動きが止まる。

 先程までとは違う。

 どちらの魔力とも違う程の力。


 そう力。

 現時点で、二人が持っているわけがない魔力。

 しかし、それは何故ここに?



 1つ忘れていることがある。

 石の奪還、両者の激しい戦闘により忘れていることが……。

 それは、戦闘場。


 今、両者が戦闘している場所……。

 ロベルトはなんのために神殿に来て、風の間へと来たか。

 ヴィクセルはなんのためにこの神殿にわざわざ来たのか。


 ふたりともそれには理由がある。


 それと同時に今いる場所も理解している。

 戦闘の中で、意識していないだけで。



 今一度説明しよう。

 ここは『風の間』

 ここ、風の国において、随一の神聖な場所であり、風の真骨頂

 そして、何よりも。


 



 『風神の眠る場所』として有名である。

 


 「……感じる。」

 「へぇ………失敗したかも」

 「この魔力、一体、何が出る―」


 ロベルトが言葉を発する途中、

圧倒的な程の風圧が、辺を包み、二人を襲う。

 その威力は……瞬間的に台風並み。


 「なに………! 忘れていた……完全に」

 「無事に帰れるかな? これ……」


 二人はやっとのこと思い出した。

 余裕な姿勢を構えてるが、それは上辺のみ。

 実際は、焦っていた。


 ここに来て、二人がどうしようと、敵わない相手が来てしまった。

 それもそのはず、最初に生き物としての格が違う。

 相手からしたら、人間など、ノミくらいにしか思っていないはず。



 風が一段と強くなり、

中央の台座から、凄まじい魔力を感じる。

 それは人の力を探知したときとは、別に違う感覚。

 まさに、神の威厳ッ!!


 「ろ、老人……?」


 ロベルトがこの風の中、抵抗して目を開け辺を見る。

 すると中央の台座から、何やら老人と思わしき者が出てくるのが見えた。

 あれが、多分。


 この国で言う。

 『風神』という存在であろう。



 そして、凄まじい、風がやみ、辺は元に戻る。

 しかし、この間に変化があった。

 それは……上空の存在。



 見た目は人、老人、灰色の肌。

 赤い神々しく衣服に、大樹のような杖。

 そして左耳の金の特徴的な飾り。


 そして、普通のものとはありえない、得体のしれない。

 底の知れない魔力。

 まさしく、神のッ!

 全世界を統べるであろう、神ッ!


 ロベルトはこの時点で、初めて神と接触した。

 いくつもの国、それに応じた神がいる中で初めて。


 風の翼を生やしたかのような、自由気ままに鳥が飛んでるような。

 そのような……存在。

 それを束ねる………神。


 ロベルト、ヴィクセルはその老人、いや……神……風神を見る。

 風の神である風神は、

重く威厳のある声でこう告げた。




 「余を目覚めさせたのは……お主か」



 その声は深淵深く、自由を感じられないような声であった。

 





 

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