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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第三章 風の国編
33/93

第三十一話「神殿内部侵入作戦会議」

 前回のあらすじ。


 土の聖水の回収のため、危険をおかし城を探索する二人。

 もちろんロベルトは変装を施して。


 城の公園部分、川の岬にいた、謎の女の子が土の聖水を持っていた。

 しかし、彼女には自由の障害、強制疑惑がある模様?


 詳しく、調べたかったが、今は置いておき、神殿攻略のため、バーへと戻るのであった。



「途中、兵士に絡まれたりしたが、なんとか避けれたな」

「危うく、逮捕されるところだったよ? もっと気をつけてもらいたいね」


 正体が、バレないよう変装したロベルトと、腰巾着フィオネ。

 土の聖水を手に入れたので、現在バーに帰還中である。


 途中、兵士二人に、風浬と、今の俺『風鬼』のことで話し合いがあった。

 まぁなんとかその場は凌げたが、いつバレるか分からない。

 早々に戻らなければ、安心はできない。


 今、路地裏に入ったから、もうすぐだろうが。


「もう少しか」

「そうだね。あ、私達の事がバレないように、別道から行くよ」


 別道もあるのか。


 俺はともかく、フィオネは有名なので、そのフィオネが入る建物に、皆は行きたがるだろう。


 かの『風浬様』だからな。

 俺にとって迷惑なので、それは辞めて頂けたい。

 

「どうする? このままついていけばいいか?」

「あー……私に任せてよ、こういうのは慣れてるからね」


 慣れてるか……まぁいい。任せよう。


 裏ルートとなる路地を進んでいく。

 この道を進んでいくと、次第に人の気配は少なくなり、消えていく。

 いるとすれば、ゴミ溜めの小動物くらいか。


 「それにしても、匂いが臭いな、ここは清掃されていないのか?」

 「清掃と言っても、時間と要員が足りないんだよ、それにむやみに清掃もできない」


 それにしてもだ。

 ゴミも散らかっている、食べかけの食材、激しい異臭。

 場所が変わるだけで、こんなにも環境は変わるのか。

 これは問題案件だ。


 「こんなに汚いと、バイキンがうじゃうじゃいるだろう。不潔な環境だ」

 「綺麗なところでも、こういう所は必ずあるよ、何処かにね」


 不潔者の集まりとかあるよな。

 そういう汚い所は綺麗な街でも、どこにもある。

 というか、綺麗な所にも、普通に汚い下水があったな。


 (ここを越えれば、帰れるかな?)


 フィオネからの話によると、2階から入り込むらしい。

 一階は路地だからな。

 人がいるから、駄目だ。



 (!?)


 ロベルトは立ち止まり、後ろに素早く振り向く。

 音がした!?

 いや、…してない?

 しかし、何か後ろに気配を感じた。

 この気配、どこかで体験したことがあるような………。


 「どうしたんだい?」 


 ロベルトの異変に数秒遅れて気づいた、フィオネは後ろを振り向く。


 「……何かいたのかい?」

 「……いや、気のせいだろうが……」


 フィオネも後ろをよく見てみる。

 しかし、建物の屋根のせいか、暗がりでよく見えない。

 それに魔力も感じない。

 こけおどしか?


 「まぁ、いいか、そろそろ行くよ」

 「あぁ」


 気のせいだったんだろうか。

 それとも、何かが近づいて………。

 いや、深く考えた所で、何もできない。

 今は帰還を優先しよう。



 「ここから入るよ」


 俺にとっての仮拠点である、バーの2階テラス部分に到着。

 この窓から中へと入るのである。


 「よし、なんとか帰れたな」


 窓から中へと入った。

 持ち物を起き、来ていた、ローブを脱ぎ、そこら辺に放り投げる。

 無事、土の聖水は手に入れた。


 「とりあえず、下で報告しに行こう」

 「そうだね、皆がなにしてるか、気になるし」


 聖水回収で多少つかれたので、下に行って一旦休憩を挟む。

 明日は、風の神殿に行き、残りの聖水を取り戻す予定だ。

 

 そのために、休憩を挟んだあと、作戦会議を行う。

 浅はかな知識と行き当たりの侵入では、神殿を攻略ではしない。

 兵士に見つかり、そのまま捕まって終わりだ。



 「おやおや、帰りましたか……」


 一階へ戻る。

 一階のバーには案の定マスターさんがそこにいた。

 現在カウンターを掃除している。


 「例の聖水は手に入りましたでしょうか?」

 「もちろん」


 俺は、鞄から、手に入れた土の聖水を取り出し、マスターさんに渡す。

 あ、割らないように、丁寧に。

 これは、仕事道具だからな。 


 「ほぉ、きれいな模様、このようなものがあるとは……」

 「俺の仕事場で作った聖水です」

 「ふむふむ、長く生きていれば、このような事にも出会えるのですねぇ」


 まぁ、そうですね。

 長く生きて、人生を経験する、さすれば様々な人生に巡り会える。

 これぞ運命の繋がり。


 「あれ? 彼女はいないようだね」

 「現在、お出かけ中です、何でも行く所があるとか」


 彼女……あぁ、ルティシエのことか。

 あのエルフにも、行く所はあったんだな。

 それにしても、何かを達成したときの快感は良いものだ。

 気持ちいい。

 

 「少し休憩したら、作戦を練るとしよう、いいかい? ロベルト」

 「ん……あぁ、モーマンタイだッ」

 「なにそれw」


 とにかく、少しの休憩時間ができた。

 この間に、ドリンクでも飲んで、疲れた肉体を休ませるとしよう。

 休息はこの世の快感だ。

 

 荷物を床に起き、濡れたタオルで少し体の汗を拭き取る。

 あの服、地味に暑いからな。

 汗をかいてしまった、じわじわしていて気持ちが悪い。


 (風呂でも入るか?)




 ‐‐‐




 「さっ、作戦を練るよ! 準備はできてるかい?」

 「あぁ、出来ている」

 「程々にしてくれませんか?」


 少しの、休息が終わったあと、俺達は別の部屋へと移動する。 

 一階、バーの裏側、大きなテーブルに少々の灯り。

 周りには並ぶ、タンスに本棚。

 まるで、そこは作戦会議室みたいな雰囲気を漂わせていた。


 この部屋の中心の大きなテーブルに、

『神殿の全体図』『神殿内部図』の2つの地図を広げる。

 ここから、作戦を繰り広げるのだ。


 「まず、最前提として、神殿侵入時間は夜の間だけだよ、君は逃亡犯だからね」

 「そこの所は理解している」


 俺は逃亡犯、兵士に追われる存在。

 つまり、昼はともかく、夜でなければ、捕まる可能性が高い。

 昼は兵士でうじゃうじゃしているからな。


 「次、君は神殿の入口とは、別の道を通って侵入してもらうよ」


 別の道。

 風の神殿には別ルートがあったのか。

 いや、臨時の脱出用として捉えればおかしくはないか。


 「その別の道とは?」

 「単純にいうと下水だよ、安全を駆使して少し離れた所から入ってもらう。そこから進んで、神殿内の下水に進むと、内装が少し変わってくるからね」

 「ふむ」

  

 下水か、確かにそこならば、相当な事以外バレる確率はないだろう。

 下水特有の暗さも松明をつければ軽減できる。


 「いい案だ、そこからどのように内部へと入る?」

 「あぁ、ここからさ」


 フィオネかまどこからか取り出した、赤いピンを、

内部の地図へと刺そうとする。


 「「!?」」


 しかし、すると突然、気がつけばあたりは真っ暗闇になっていた。

 暗闇、何も見えないのである。

 かと言って、失明した訳ではない。


 「な、何が……起こった!?」

 

 失明した訳ではない。

 しかしあたりが一瞬でガラッと真っ暗闇に染まった。

 心霊現象か? これは………。


 「いきなり暗闇に包まれた……うん……こんな事出来るのは闇魔法だけ……」


 闇魔法だけ?

 まさか、…そんなこと出来るやつがこの国にいるとでも。

 かと言って、そんなもの使うとすればすぐに分かる。


 「あまり動かないほうが、得策ですよ」

 「そ、そうだね、それに魔法なら時間制限があるはずだ」


 なるほど、時間か。

 それならば、いつかは闇が晴れるということか。

 ………どのくらい掛かるんだ?


 「……どのくらい掛かる?」

 「うーん、最低でも10分かな」

 「クソなげぇ………はぁ……」


 長すぎる。

 こんなときに光魔法でも使えればーというかもう使ってるんだよな。

 ホントのところね。

 しかし、これでも闇が晴れないんだわ。


 ロベルトは中級の光魔法を現在使用している。

 しかし、それでも辺を覆う闇は消え去らない。

 


 (一体どうなってるんだ?)


 少しの間、誰もが無言になり、暗闇の中に静かに時間が過ぎていく。

 それに誰も動いていない。


 「この前の野菜美味しかったね」

 「やはり、採れたては美味しいですよ」


 唯一聞こえてくる声として、このような雑談ばかり。

 退屈だ。


 しかし、そう思いながら、暗闇を謳歌していた瞬間、

一瞬で灯りが元に戻った。

 

 「お!? 戻った」

 「意外と、早いんだね」


 とにかく、明かりは戻った。

 これで、作戦を続行出来る。

 何で、当たりが闇に包まれたか、知らんが……いいだろう。


 「さて、そろそろ―」


 作戦を実行しようとした途端、右側から男の笑い声が聞こえた。

 それも青年、しかも強烈にツボにハマったかのような笑い声。

 マスターさんの声ではない。


 俺はすぐさまそちらを向く。

 するとそこには黒いローブを纏い背を向けて笑っているピンク髪の男がいた。

 それも、俺にとっての知り合いの。


 「……お前、何をしている、どうやってここに」

 「ッハッハハハ……いや〜面白かった」


 そう言って、俺の方を向く。

 やはり、あのときに出会った、敵幹部の一員。


 「君が言ってた男って、彼かい?」

 「あぁ……何故ここにいる」


 とりあえず、何故ヤツがここにいるかを問い詰める。

 どこからか入った、暗闇との関係性は……。


 「僕はただ見物しに来ただけさ、君達がどう動くか……ね?」

 「やはり、処すべし」


 作戦の盗み聞きを狙ってやがる。

 やはり、早々にぶっ殺すしたほうが、今後のため……。


 「落ち着いてくれよ、僕は作戦の邪魔になる事はしないからさ、だから君も優雅に続けてくれればいいのさ」

 「………」


 怪しい………。

 邪魔はしない……作戦の邪魔はしない。

 アイツの言っていることは本当か嘘か分からない。

 

 「ま、まぁまぁ、とりあえず、彼は放おって置いて、早く進めるとしようよ」


 フィオネがそう言い聞かせる。

 確かに、早いとこ進めたい、しかし………。

 いや、…やるしかないか。

 それに聞かれたとしても、反抗するなら拘束する、それだけだ。


 「分かった、で、どこから内部へ侵入する?」

 「ここだよ」


 作戦会議をマスター、そして敵幹部の男が見つめ聞いている。

 フィオネが指した、ピンは神殿内部、一階の右側。

 つまり本棚が置かれている部分から侵入する。


 「なるほど、そこから聖水まで、どう移動する」

 「こういう感じだね」


 フィオネが指で動かしていく。


 侵入した本棚は兵士が二人循環してるので隙をみて抜け出す。

 そこから一階の廊下をバレないように走っていく。

 ここ、兵士が3人もいるが、ダンスや机などを駆使して、隠れながら迎えと。


 聖水の場所は二階にあるので、どうにかして階段に登る。

 そこから、移動して、神殿奥の風の間へと急ぐ。

 そこに聖水が置かれている。


 「なるほど、結構難しいな」

 「兵士がすごい数いるからね、とにかくバレないように行動しないと」


 入り組んでいる。

 それに兵士の循環ルートも決まっている。

 一軒簡単そうだが、少しミスればすぐに見つかる。

 とにかく油断はできない神殿だ。


 「風の間ってさ、かの風神様が眠っている……要するに寝床じゃない?」

 「なっ!……そうなのか?」

 「ま、そうだね、確かに風神様は同じ場所、風の間にいるよ……」


 ほぉ……。

 もしや、これはチャンスかもな。


 風の聖水を取ったときに、もしかしたら風神様と話せるかも。

 それはいいな!

聖水を取れて、かつ風神様と話せるとは一石二鳥じゃないか!

 

 「とりあえず、聖水を手にいれる、ついでに風神との面を果たす、そして撤収する」

 「いいのかい? それで」

 「問題ない」


 結局これで良い。

 俺的にはこれでオッケーだ。

 作戦は、決定いした。

 これで、明日の夜、実行に映すのみ。


 「私は、君が侵入している間、兵士さんたちを引き付けておくよ」

 「頼む」


 侵入するあいだはフィオネが引き付けて置くことに。

 引き付けるって、歌でも歌うのか?

 それとも、風だ文化独自の何かを披露するのか。


 「あれ、彼女も作戦に参加するのかい?」

 「ふん、私はこれでも、腕は立つのさ、どの分野でもね」


 おまえは誘導が目的だろ。

 まぁ、いい。

 この隙に、明日の準備を整えて置くとしよう。


 とにかく作戦は締結した。

 あとは、実行に移すのみ。




 『風の神殿侵入作戦』

 目標:風の聖水の取り返し。

 失敗条件:兵士に見つかる。

 時間:夜の間。


 ロベルトは風の聖水を取り戻すため、神殿内へと侵入する。  

 その間、兵士にバレずに目標地点、

『風の間』に到着するのが目標。





 

  

 「風の間は色々と書物が多く積まれてるみたいだね」

 「魔導書とかか?」

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