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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第二章 旅立ち編
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第二十話「新たなる旅の行路」


「あなたたちは……仲間?」


 道化の前に立ちはだかった二人の人物。一人は金髪の高身長、黒い中折帽子がよく似合う、クールな男。

 もう一人は真逆の少女。赤い髪の毛が風になびき、熱い瞳で敵を捉える。明るさ、そして光を持ち合わせる少女。


 言えば、闇と光。

 って、それはない、グラスさんが闇属性はありえない。

 彼の性格的にも、似合わない。黒い服は似合がな。


(それよりも……なぜ二人がここに!)



「グラスさん、なぜ!」

「ロベルト、一回黙っておけ」

「えっ」


 グラスさんからそう指示され、俺は黙ってしまう。俺に向けた目が、黙れと、そう言っていた。


 俺は黙る。

 本当は理由を聞きたかったが、仕方ない。


 今はあの道化を見よう。俺の妹を知っていながら俺を挑発した、あのクソ野郎を……今にでも、殴りたくなる。抑えろ、おさえろ。

 

「自己紹介遅れたな……聖閤堂店主、グラス・レコード。依頼人を守るため参上」

「私はテトラ・レコード、ナンバー2ッてっとこ! ふっふっふ」

「ふむ、これはこれは……ずいぶんと」


 二人の大げさな自己紹介に、道化は杖を抱え微笑む。

 そして、杖を地面につけ、浮かせた、これは手品なのだろうか……それとも魔法なのだろうか、どちらでもいい。


 道化は手を大きく広げ、こう叫んだ。


「お熱いお出迎え! 自己紹介! これは僕も宣言しなきゃだめだネ!」


 道化はグラス、テトラを目で捉える。

 目には狂気的な明るい目。ピエロのような、人を楽しませるお調子者のような、そんな笑顔で高らかに宣言した。


「よく聞いてネ! 僕は道化、奇想天外なピエロだヨ! みんなを楽しませるのが僕の役目なんだ!!!」


 道化は自己紹介を返した。


 いつからここは、名乗り出る場所になったのだろうか。


 道化は笑顔でにっこり笑っていた、がグラスを見て少し声のトーンを落とし、


「と、言ったけど……楽しむ様子はなさそうネ」

 

 道化は察した。

 グラスに遊びはない。 

 グラスは彼をピエロとは見ない。

 ただ、事件を引き起こした犯人、もしくはそれ以下の人物と見ている。これは遊びではない。


 俺が自己紹介をしたということは、お前は危機にあることだ、と道化に目力で訴えてあるのである。ちなみにテトラはかっこいいから乗ってるだけである。


「おホン。ふざけるのはよそうかな」

「そうだ、じゃあそのままお縄につきな」

「つきな!」


 グラスの言葉にテトラが重ねた。


 グラスはどこからか取り出した、とても分厚い縄を手に抱えていた。この縄で縛れば、たちまち身動き取れないだろう。人に使うにしては、少し大きい気がするけどな。


「その縄を使いますか」

「そうだ」

「この縄でぐるぐる巻きにしちゃうよ? いいの〜?」

「なるほどネ、おもしろい遊び方だネ」


(遊びじゃねぇよ)


 グラスは内心、そう否定した。


 道化はグラスの持つ縄を観察したあと、地面に浮かばせていた杖を手に取った。そして顔に少しの微笑みを浮かばせた。


「でもネ、僕は簡単につかまえれないよ、なんたってサーカス出身だからネー!」

「えっ、サーカス!」

「おい」


 道化の言葉に反応するテトラをチョップで呼びもどす。

 道化の言葉が本当ならば、手強いだろう……サーカス、人形でも出すのだろうか、それとも猛獣か。

 

「ふざけるのはやめだ、さぁ、お縄につくと良い」


 グラスさんが縄をビシッ!と伸ばす。そして一歩一歩、道化の下へとちかづいていく。それを追ってテトラも近づく。どちらも止まる気配はない。


 俺はあの道化を敵意で見つめる。

 気をしっかり、警戒する。

 あの道化は何をするのかわからない、何もかも不明だ。

 

 そもそも、闇神の幹部だ、最重要で警戒する。

 気を抜くな、常に相手を見つめろ。


 

 距離は縮み、二人は道化に近づいていく。


 だが、道化は今も笑っている。

 恐怖、困惑。

 なぜ笑う、笑える。

 

 意味がわからない。



「あ。そうそうスッカリ忘れてタ!」


 道化は突然そう大きく全員に聞こえるよう叫んだ。二人は一瞬どよめいたが、とまりはしない、慎重に向かう。


「ロベルトさん!」

「っ……! 俺?」


 いきなり呼ばれ、困惑するロベルト。

 グラスもテトラも、それにピクリと止まる。


「言ってませんでしたネ」


「ロベルトさんの持つ、あの”石”のことヲ」


「詳しく話してませんでしたネェ!」



(ッ……なんだと、石だって!!!)


 ロベルトは驚いた。

 それもそのはず、やつは。道化は妹の事ならず、あの石についてまで知っているのだ。いやそれよりも。

 この石のことをグラスさんとテトラにバレたのがまずい。

 二人には、石について言っていなかった。


「いし? 石って何のこと?」

「石……」

「おや、二人は知りませんでしたか。まぁ知らなくていいですけど……ロベルトさん、あの石には魔力がこもっているのを知っていますか?」


 魔力?


 魔力……あぁ、なんとなくわかった。

 あの光のことを言うのだろう、あの光、強烈だった。





 アトリス城門


「ふぅ。やっと戻ってきたな。早めに帰国できてよかった」

「ふぅーやっとー! じゃ、とりあえず、早く帰ろう。みんなを待たせちゃ悪いからね〜」





 やっと戻ってきた、長かった。


 セリータさんがお出迎えしてくれた、会うのは久しぶりだ。

 

 久しぶりっても、2日ぶりだけどな。

 まぁ、戻れてよかった。


「あ、そうだ、セリータさん、石無事に持ち帰れました」

「! それは本当ですか?」

「これです」


 そう言って、俺は袋の中身をセリータさんに見せる。

 

 中には常に光り輝くオレンジ色のブロック、グラスさんが探していたものに違いない。


 セリータは袋の中石を確認、隅々まで見たり、調べたりする。

 

「……この石で合ってます、よく取り戻しに」


 セリータは袋の中身を確認して、そう言った。どうやら、この店の石はこれで間違いないようだ。


 ふぅ、よかった。


 あとはグラスさんに渡してから……アレ、見せるべきか。


 『俺がこのブロックに触れるとこを』


 幼少期の頃、この石を触って起きたこと、それがもし偶然でもなく。俺自身と反応していたら。


 それがもし、今もできるのなら。


 試す価値はあるだろう。


「さてさて、帰ったとこだしーグラスさんに報告しに行こうよ!」

「え? あれ? 一緒ではないのですか?」

「え?」


 なに?

 一緒じゃない?


 どういうことだ、グラスさんとは一度もあっていないはず………。


 もしや、グラスさん。どこかに出かけてるのか?


 この時間帯だし散歩でもしているのだろうか?


「出かけてるんですか?」

「いえ……二人を探しに行くと、おっしゃってそのまま……」


 あー、なるほど。

 大体分かった。


「あちゃー」


 いれ違いが起きたというわけか。


 はぁ、大変だなこれは………。


 多分、俺達とグラスさんはどこかですれ違ってるはずだ。


 今、戻れば会えるかもしれない。

 

 それに、そう遠くないはず。迎えに行く、だから………城門かな。

 

「ならば、俺が探しにいきます」

「お人で?」

「はい、今の所俺が一番適用かと」


 新人だし、ちゃんと働いて成果を見せないとな。セリータさん、一応上司だし。


「なので、ここはお任せを」

「……了解しました。気をつけて、あと……寄り道はほどほどに」

「分かってます」


 テトラじゃあるまいし。

 

 目標だけ果たして戻ってこよう、体も疲れているし。


 さて、切り替えよう。



 グラスさんは多分、城門で俺達が帰ってくるのを待っていたのだろう。


 しかし、それにどちらも気づかず入れ違いが起きた。というわけか。


(まぁ、たまたま人が多く見つけられなかったのだろ)


 結構混んでいたし、人々に挟まったり、色がわからなくなっただろうな。コレばっかりは仕方ない。


(あ、いや待て)


 てか、気配というか、力を感じられないのか? テトラみたいに。……もしかしてテトラだけなのか?


(まぁ、いい。後で聞いてみよう)


「テトラ、俺が代わりに行ってくる」

「期待してる! 頼むよ〜!」

「あぁ」


 とりあえず、探しに行こう。


 テトラも疲れているだろうし、セリータさんも仕事中だ。今一番動けるのは俺だけだろう。


 さて、探すぞー。




‐‐‐




 『アトリス王国、大通り』


 馬車に商人に人多いな。

 

 今日なにかあるのか?


 あ、そういえば子供の頃もこういう事あったな。


 大通りに様々な種族が行き渡っていたんだっけか。その時に俺と父はこの国に来ていたはずだ。


 確か、その時は『オーロラ』を見たんだったな。


 綺麗だった。


 もしや、今日がそのときなのか? いや、流石に今日じゃないか。


 確か……何年だっけ?四年か3年だったはずだ。四年ならば、次のオーロラは俺が18歳になる時。


 つまり来年だ。


 俺はそんな事思い、周囲見渡しながら、グラスさんを探す。


 街行く人々で栄えている。


 しかしそれでも、グラスさんらしき人は見当たらない。


 大通りにはいないか。


 やはり、まだ城門で探しているのだろうか。


 でも……いないんだ。いや、見当たらないと言っていいか。


 グラスさん、結構身長でかいし、金髪だから目立つはずなんだけどな。


(少し、買い物でもして帰ろうか。食料を買いたい。……って、これは寄り道か)


 ロベルトが城門へと向かおうとする。


 その時後ろに人影が現れた。

 


「あ、いた! ロベルトー!」


 突然大きな声が後ろで聞こえた。


 思わずビクッとなった、いきなりだ驚いてしまった。


 何事かと俺は後ろを向く、声の正体は、現在進行形で探している

 

 『グラス・レコード』であった。


 あ、ちょっと疲れているような。

 

(ふぅ……見つかってよかった)


「あー探した、探したぞー。まさか通り過ぎているとはなーこりゃ」


 体をひねりながら、こちらへと歩いてくる。お疲れのようだ。


「もう既に、聖閤堂にも帰宅したところですよ」

「マジか、すげぇ入れ違い! まぁ会えてよかったわ」


 なんとか、俺はグラスさんと再会に成功した。


 これで一件落着。

 


 というか、グラスさんが持ってるその袋……てっきり買い物してるし。

 

 それも袋が2つも。



 

 聖閤堂



 時は進み。


 ロベルト、グラス、テトラ、セリータの四人がそこに集まり、報告会が始まった。


 今回の報告者はこの二人!

 『ロベルト』『テトラ』の二人である!

 

 この二人はキュロロ遺跡であった事、そしてピエロのピーエロという、ちょっとおかしくて意味がわからない存在。


 隅々、細かく説明した。


「ピーエロか………気になるなーソイツは」

「なにか目的でもあって、この石を奪ったのでしょうか」


 セリータの手の中には、オレンジ色のような光り輝くブロック状の石があった。


 グラスはそれを見て少しうねり、目を細めた。


 目的、あのピエロを観る限り、そんなもんない気がするがな。


「いい奴じゃ、なさそうだよね」

「どちらにしろ、邪魔な相手に限りはないです、なにか対策でも立てないと」


 ピーエロ、闇の者と関係がある。いや、実際はトリック男爵がか。


 謎は深まる。目的はこの石だが、敵の思考や目的もうまく読めない。


 今のところわかる事は、あの時、俺の妹をさらった憎き男、トリック、ピーエロの三人。


 こらは要注意最重要人物に認定、見つけ次第叩く。


「では、次にこの石について」

「待ってましたよー」


 セリータ3月机の中央にある台座に、その石を置く。いつ見ても綺麗だ。


(だけど、俺と妹を引き裂いた関連のある物には違いない)


「グラスさんどうです?」


 俺はグラスさんに向かって確認を取る。


「あぁ、これは俺の石だ、間違いない」


 沈黙から口をといた。


 最終確認は済んだ。


 完全にこれだ、これでオッケー!


 これにて初任務終了。


 大成功だ! はっはっは。

 心の中で、喜びを噛み締める。


「じゃあ、保存しとくー」

「あっ、保存は少し待ってください」

「? どういうことだ?」

「少し、確認を」

「………確認だって?」


 これだけ、試したいことがある。

 あの時のブロック触れた時、黒い模様が溶けた。

 

 俺と妹だけが知っていることだ。あと、あの男もか。


 もし、また触ったら黒い模様が溶けてしまうと思い、今まで触らずに持って帰ったが、今、触れる時。定めの時!

 

 グラスさんとセリータさん、他一名に見せる時だ。

 

 この『不思議な現象を!』



「では、今からこの石に触れます」

「?」

「……いいぞ、やってみろ」


 困惑するテトラの横で、グラスさんから了承の許可が下った。


 真剣な眼差し。


 その時が来た。


 俺は約5年ぶりに、因縁あるこの石に触るのだ。


(ふぅ、さて……)


 俺は石に触れた。


 その瞬間、光がいつもよりも一段高く光輝いた! あたりは光が散りばめ割れていく。


「!」

「え、なに!? これぇ!?」

「い、いつもより格段と……」


 そしてこの神々しい光が止んでいくと同時に、オレンジ色のブロックに纏わりついていた、黒い模様が溶けた。


(やった! はは! やはり、そうだった!)


 あの時同様! 成功した!


 そうだ、確信した! 俺だけがこれに触れることで、この黒い模様が溶ける。


 テトラや、リシアが触ってもこの反応が起きないのはそういう事か!

 

 理由はわからないが、俺はこの黒い模様を解く能力があるのだろう。


 理論は謎だが。

 

「………お前」

「え、なんか取れたよ!? え!? 今なにしたの!?」

「あぁ……皮に覆われた身が咲き出て、中から綺麗な真珠が出るようで。……綺麗です」


 まぁ、こんな反応になるか。

 というか、見事に別れた。


・驚きによる、絶句……だよな?

・なにが起こったか、分からず混乱

・なんだか、専門家みたいな……例えている。


 ほんと綺麗に別れた。


 あとの、二人の従業員の反応も聞いてみたくなった。


「俺によくわかってないんですが……俺が触れるとこうなるんです」


 ほんとに謎なんだ、なぜこんな現状が起こるのか意味がわからない。


「ロベルト」

「は、はいなんでしょう? グラスさん」


 いきなりグラスさんの雰囲気が変わった。

 何か不思議な……。

 さっきまで絶句した感じになったたのに、いきなりシリアスな。

 テトラ同じだ。

 

「ロベルト、お前は‥‥」

 

 グラスさんが、何かを言おうとしている。 


 な、一体どんな言葉が出てくるんだ?

 緊張する。


 

「お前! もしかしてマジシャンだな? それなら早く言ってくれよ〜」

「……‥は?」


 マジシャン!?


 な、なにそれ、全然そんなじゃないですよ!


 いや、はたからみればそう思えるかもしれないけど、違います!


(てか、いきなり!!)


 体で誤解のポージング、しかし遅かった。


「なーんだ、マジシャン! それなら納得だよ」

「まさか。ロベルトさんがマジシャンだとは……思いもしませんでした」


 二人は完全に信じ切っていた……。


「ロベルト、これ輝きマジックってやつか」

「はい?」

 

 グラスさんは俺が先程触れた石を指さしていた。

 

 輝きマジックって、できない………あ、いや光魔法を使えばもしくは………。

 

「マジシャンならば好都合、マジシャンは客を集められる。あ、ロベルト。そう言えば確か。世界を旅するとか言ってたな」


 あ、覚えくれたんだ。


 てか、マジシャンで客を呼びよそうとしないで。


「ならば好都合、仕事を任せられる」

「仕事、ですか?」

「あぁ、あ、そうだ。確認は終わっただろう、早く石をこちらに」


 そう言って、こちらへと石をおびき寄せるような仕草をし始める。


 ちょっとおかしい人だ……。俺はグラスさんに石をわたした。


 グラスさんは足を受け取ると、石を少し見た後、うんと頷きしまった。


「了解。あと、そうだな……ロベルト。せっかくだからこの石について教えてやろう」


 その言葉に驚いた。


 この石について、知ってるのか!


 

「! この石は……なんですか?」

「あぁ、この石だが、各国の秘密機関が密かに管理しているんだ、重要だからな」


 またもや驚いた。


 か、各国の秘密機関!? 


 スケールが一気にデカくなった。 


 てか、これそんな重要なのか? いきなり怖くなってきた。 


「えっと、これの使い道あるんですか?」

「あぁ、もちろんだぜ。セリータ!」


 そう言って、グラスはセリータに話を回す。

 

 セリータさんは何枚か紙を持っており、何やら説明しそうな雰囲気。

 

 ……長くなりそうだが。


「はい、まずこの石ですが、我々聖閤堂、そして大国アトリス研究所、探求協会によると、魔力が詰まった石と分かりました。この魔力ですがここが驚きなんです。何とこの石にはとてつもない魔力が流れています、その数は第八、九魔法、10回以上。そう! この石が有れば、今現存する魔法の量、威力、鮮度ともに全てが回ることができ―――」


(長い長い、わかるけど、長い)


 頭が痛くなりそうだ。


 この話、結構ガチそうだし、あとこの店大国と繋がり持ってたの!?


 案外すごい店なのか?


 この給料で! 『月給……5銀貨』

 『銀貨一枚=100円』


 終わりだ。


 その後の説明

・この石だけで、国が回ってしまうほどの魔力。魔法使い卒倒!?

・この石は他の国にもある、それか、どこか辺境な地にも

・この石については、極秘。普通の人は知るはずもない。

・この店は神聖な店らしく、神聖な雫をかける仕事らしい


 最後は仕事紹介か。


 まぁ、長い説明だったよ。多少省いたところもあったけど。でも、知るべき情報はしれた。



「まぁ……そんなところだ。はぁ」


 なに疲れてるんですかグラスさん。


「結構、複雑だったんですね」


 そう話しながら談笑する。


 それから少し会話を続けた。

 途中、明日の予定に旅の期間などの話も挟んだ。


「……‥明日か、となると明後日には他国に旅立つのか?」

「はい、空中要塞に行くため……情報を手に入れるために」 

「そっか。寂しくなるな……じゃ、これよろしくー」


 一見寂しそえな雰囲気の中、突然俺の方に何かを渡された。


「……え?」


 渡されたものは、バックと何か繊細で綺麗な模様が描かれた、細長い独特な瓶だった。


 何だこれ?


「え、こ、これは?」 

「それはな、神・聖な雫だ。さっきの話にも出ただろ? これを他国の神に捧げるって。これ仕事な」

「あ、はぁ……」

 

 え、俺もしかして、仕事押し付けられた?


「セリータにテトラ。あと二人いるが、どちらも他国に出向くことはない。他の国行かない。だから! ちょうど他国を旅するお前がここにいた。じゃ、よろしく!」


 手でよろしくポーズをとりながら、俺に向かってそう言った。


「は、はぁ」


 俺は肯定しかできなかった。


 しかし、徐々に頭が回ってきた状況を理解し始めた。


 旅するなら、仕事も同時にしとけ。


(そういうわけか!!)



 あと、これ結構重要な役じゃない?


 さっきの話からしてみれば、国レベルの話だ。正直言って、荷が重い、重すぎる。 

 

 やりたくない。でも、せっかく頼まれたんだ、グラスさん、店長に。


 やるしかないか……。


(この人は強引に押し付けて……)


 心のなかで、グラスさんを妬む。


「あ、話終わった?」


 その時、階段からテトラが降りてきた。

 あまりに複雑かつ長い話だから、二階に逃げたんだった。


「ロベルト明日出るの?」

「あぁ」


 少なくとも、今日中に荷物を整え、必要なものを整理し、昼頃には旅立つ予定だ。


 完璧なプラン。


 

 俺はそう思いながらテトラを見る。しかしテトラは不満そうだ。


「ロベルト〜明日くらいは休みなよ、仕事してきたばっかだしさ〜」

「そうか?」


 いや、でも。俺は妹のためにも次の国へと旅に―――


「その通り」


 と、突然グラスさんが横から割入ってきた。


「ロベルト。明日だけでいいだろー少しくらい休息しろ、大事だ。それに急ぐこともない」

「よかったら、私がおもてなしをしますよ、それにお出かけも!」


 三人が俺に詰め寄ってくる。

 ま、まるで休め、休めと。


 勢いは宗教に等しい。

 ここで断っちゃまずい気がする……‥。


「あ、じゃあ、お言葉に甘えて」


「よぉーし! 新人祝いパーティーでもするかぁ!」

「さんせー!」

「日、久しぶりのパーティー!」


 三人がやけにやる気に溢れている。

 パーティーって言ってたな。

 

 ……そういえば、パーティーか、父さんと、母さん以来、まったくしてないな。


 懐かしいな。

 子供の頃家族と一緒に……。


 いや、明日だ。

 今日は休もう。

 ふぅ、疲れた。


「じゃ、ロベルト装飾よろしく」

「ヤスマセロヨ……」

 

 


 二章終わりました。

 一章よりは少し短いですが、これにてアトリス王国での一件は終わりました。

 次回はついに他国巡りに入ります。


 最初はこの国に一番近い『風の国』から。

 お楽しみに。


 今回も再確認のため、投稿をやすみます。

 是非ともポイント、ブックマーク、いいねをよろしくお願いします。ください


 応援してくれー!!


 あ、各話の点検しなきゃ。

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