第九話「この世界に来てから」
11歳になった。
この世界に来て早々11年が立つ。
この世界に来てから色々なことがあった、最初は混乱した。
死んだはずなのに、気づいたら、自分の体は全くの別物となっていた。
前世とは全く違う別世界に来たということ。
世界観はファンタジー。剣と魔法の幻想広がる物語! まるで神話の中にでも入ってしまったような体感! 機械は存在しない。
疑問として、誰が俺をここへ転送したのか。命落とし、無に朽ちるはずだった俺を、赤ちゃんにして『生まれ変わらせた』
現在、その理由を知る方法はない。不安はあった、俺はこれからどうなるんだ?
そう思いながらも、仕方なく、この世界で暮らしてみることにした。
今の状況。
この世界に生まれて、暮らしてきた感想を言うと……。
もう、最高!!!
‐‐‐
この世界での俺の名前はロベルト・クリフ。
さて、この世界にきて、はや11年。
一年が早い? いや、十一年が早い。驚くスピードで、俺の居た世界で言う、カレンダーが消えていく。
気づけば俺も11歳。
転生してからそんなにたった。
色々経験した、背も伸びた、魔法も使えるようになった、妹がめちゃくちゃ可愛くて、幸せ。大好きだ。
そんな妹も、生まれてかれこれ七歳。
時が立つのは、実に早いものだと、何度も思う。
で、俺はふと思ったわけでだ。
この思い出を、なんだかこう、文章として残したくなった。人は物事を忘れる生き物だ、いずれは何かを忘れてしまう。
でも、俺には忘れたくないものがたくさんある。
だから書こう、記録しよう、日記に残そう。
今この瞬間。
これは俺の記録だ。
証明日記だ、俺たちがいた証拠だ。
みんなー、俺だよー、ふざけてる場合ではない。
【現状報告】まずは現在までの過程から。
体はとても健康。
心も幸せ文句なし。
自由に動けて、自由に生きてる。
前世で鈍く、不自由な体も、今では軽快な動物のように、トットッ、楽ちん、不自由なしの元気っ子!
散歩、冒険、秘境探し。
(?)―――今なら何でもこなせる。
新鮮な気持ちになる、なんでだろうな。
『家族について』
父親、母親、兄、妹、そして俺
現在は5人暮らし。
兄であるリベサスは、1年前に水の国に行ってしまった。
なので、家には居ない。そして、いつ帰ってくるかも分からない。
その代わりとして、この家の(仮)長男として妹の面倒を見てる俺。
妹は可愛い。可愛さ最上級。
妹は可愛いんだ、面倒を見るのは楽しい、最高の時間だ。
「お兄ちゃん。なんでそんなとこ登ってるの?」
そんなセリフを屋根の上から聞くこの俺。そう、俺は現在、家の屋根に登って寝転がっている。
理由、気にしないで良い。
ただ、風当たりが気持ちいだけだから。
気にしないでいいのだ、リシアよ。
あと、頭につけているおっきなリボンがかわいい。
「危ないよ、おりてリシアと遊ぼーよっ!」
「リシア、もう少しだけ、もうすこーし、待っててー!」
「えー」
リシア、俺は風に当たりたいんだ。
父親と母親は素晴らしい親です。
俺達を大事に思っているし、大切に育ててくれていた。
ありがとう。
それに父親と母親は普通に凄い。
父親は大国アトリスの騎士をやっていて、剣術が得意だ。
すこーし強くなった俺でも全然勝てない。
そりゃ、父さん剣聖だしな、俺は全く勝てないよ。
いつ勝てるようになるんだろう。
母親は僧侶として、回復、呪いの浄化の仕事をしていたらしい。
僧侶らしく、回復魔法が得意。
骨にヒビが入っていても直せるくらい上手い。
流石に骨折とか、
切断はもっと上の回復魔法が必要らしい。
『異世界』
やはりここは別世界、まぁ異世界といっていいだろう。
最初に立ちはだかるのは言語だった。
なにせ、知らない単語、知らない文字。
苦しかった、泣きそうになるくらい大変だった、俺の努力期間は――二年!
よく頑張ったよ。
俺、言葉を覚えたのだから。
まぁ、前世の記憶を持っていたから、当然だろう。
頭良いし。それか、子供ゆえの、物覚えの速さのおかげだろうか。
(まぁ前世の記憶を持ってしても、兄には勝てないんだけどなー……天性的才能が良すぎるんだいっ!!!)
『剣術、魔法』
最初は困惑と驚愕でいっぱいだったなぁ〜、今ではもう慣れたことだ。
最初に見たのは、いきなり父親が庭に出て剣を振り始めたこと。
最初はそういう職業の人かと思ったけど。普通に考えて剣をブンブン振る仕事なんてものはない。
ま、十一年暮らしている俺にとっては、騎士とかだったら納得。
という考えが成り立っている。
そして怪我したときに母親が回復魔法で傷を治した時。
幻覚でも見てるのかと思った。
吐きそうにもなった。
頭がおかしくなったのかと......。
いや、それならば生まれ変わった時点で気付くだろ、と思っているだろうが、俺はあの時、剣と魔法の驚愕ポイントのダブル電撃を受け。
の、脳が麻痺していたんだ。
まぁ、思考が停止していた、と言っていいだろう。
慣れのおかげで、俺は剣と魔法に興味がわき、努力した。
その結果。
剣術は中級に少し近いくらいの強さになり、凄い速度で剣を振れるようになった。成長だー!
といっても、現世でバットを振る速度とあんまり変わんない。
ヒーローのように高速で振ることも出来ない。
あ、でも。友達はものすごーい勢いでバットを振り回して、障害物を空までふっ飛ばしてたな――今考えても、ゴリラの血筋だろうな……。
結論 扱う人次第。
魔法
今のところは、炎、水、土、風の魔法を覚えたところだ。
雷はむずい、全然使えない。
でも、いつかは使えるようにする。
雷魔法は、男のロマン。
『ライトニング』とか、『ヘルファイア』とか、こんなのがあったら嬉しい。個人的に盛り上がる。絶対かっこいい。
魔法の中でも、俺の適性が一番強く、得意だった属性。
それが『土』その次に炎。
土の板で壁を作ったり、何センチかの土の塊を作り出し、相手に飛ばすこともできる。そしてこの魔法で大発明。
付与魔法と重複魔法を組み合わせ、弱い魔法でも、存分に使えるように魔法を使うことができた。
最近は魔法量をもっと上げるために頑張っているところだ。
魔法の法則上、魔法量によって魔法の威力が変わるからなのである。
あと、土魔法で少しは細かいものを作っているところだ。
もし上手くいけば、木の人形を作れるかもしれない。
作れたら、それを量産。
店へGO。
店へ転売、売る。
金が手に入る。
往復作業。
完璧〜。
この方法なら、金を稼げる。
自分の得意を生かした、素晴らしい、金稼ぎだ。
大人になったら、骨董品でも売ってみるか。
そのためにもう少しうまくならないと。
今は......星形に挑戦中。
人形までは、全然足らない。
頑張ろう。
魔法はイメージだからな。
保たないと。
あと、魔法の炎のことなのだが、これがどうにも……不安定なんだ。
他の魔法は使えにくい、バッチリ使えると分かれているのだけども。
俺の炎はなぜか、使えるのに時々……あー、暴走気味って言おうか。
とにかく、威力がコントロールしにくいのだ。
なんでそうなるのか、さっぱりわからない。原因不明。突然そうなるから本当に困る。うーん、魔法専門の病院、行けたら行ってみようかな、遠いけど。
『種族』
人間だけだと思ったら大間違い。その種類を紹介。
この世界では一番多い、誰もが知る一般的な人類。
『人間』
猫耳や犬の耳などの猛獣、獣、嗅覚が強いらしい、そして恐ろしい脚力だ。
人間の次くらいには有名。
『獣人』
長い耳に、凄まじい魔力。
長寿でながければ5000年近く生きるとか、美しく、幻想的な存在、そして――頭が良い。
『エルフ』
背は小さいが、筋肉は凄くどっしりとして、体つきがよい。
どれも顔の半分が毛で覆われている。
鍛冶などが得意な小人。
『ドワーフ』
里や人があまりいかない場所、体は鱗で覆われており、翼が背中から生えている、槍の使い手。
まさにドラゴンの人。
『竜人』
その怪力、人並み外れた力。
頭に生えた一つ、2つの角は飾りではない。その角は強さを象徴するものだ。
出会ったら、食われるかもしれない。
『鬼人』
他にも、怪人に魚人、九尾という狐もいるらしい。
そして、魔界にいるとされる、
『魔人』がいる。魔人は凶暴な種族だ。
なにせ、人に化けることが出来る。性格も残忍で悪。
それに、人類の言葉をどの種族よりも理解している。
どの種族よりも使い方が上手い。
一般的には魔族、として知られている。とても……やばい奴らだ。
友達になろうとするな。魔族を信じるな。会ったら逃げるべきだ。
勝てるのならば、滅ぼし、燃やせ。チリ一つ残すな。
それが、世界全体に伝わる、魔族への教訓だ。
ここまで来たら、悪魔とか、天使とかもいるのだろうな。
今は紹介したのが、里や村を作り、暮らしている、種族。
例外だけど神は旧世界の元人であるから、一応元人間に入る。神だけど。
神は国同士で信仰されています。
魔物。モンスターは別だよ。
魔物はどれも凶暴な存在だ。
近づかない、ちょっかいをかけない以外は無害な魔物もいるが、
大体は凶暴。
でも……一説によると、良い魔物などがいるらしい。
前世で言う、
『僕は悪いスライムじゃないよ!』だ。
そういう魔物が世界中にたくさんいてくれればの話だが......。
残念なことにこの世界には凶暴な怪物やドラゴンなど、たくさんいます。
魔物を倒すために剣や槍などの武器。
攻撃魔法を使って戦う。
武器は剣、槍、弓がよく起用されている。
一般的だ。
近距離の剣
バランスの槍
遠距離の弓
どれも役割がある、1パーティに欠かせない人材だ。
他にも、斧に鞭、棍棒、ブーメランなど色々ある。
(え? 爪? どうやって戦う? さぁ、口にくわえるとか?)
こういうふうに理由のわからない武器もあります。
爪って、魔物の爪で戦うのか?
魔法は5属性の炎、水、雷、風、土に加えての氷、光、闇が主流。
闇は珍しい、そして、全体的に、『悪い』
魔人とかが良く使うイメージだ。
それぞれにその属性の魔法があり効果が違う。
炎なら炎火球の炎。
雷ならDENGEKIによる痺れ。
土なら岩、土の塊による痛い攻撃。
そこに独自の派生魔法が加わるので、色々な魔法がある。
全部は到底覚えれない。
魔法とか、上級魔法覚えるの、相当な努力と時間が必要だ。
そこに才能も関わってくる。
(むじぃ)
さてと、大体説明できたかな。
この世界、結構複雑で多いな、頭パンクするぞ。
いつかオーバーヒートしてしまう。
休めないと。
とにかく………これだけは言っておこう。
『俺は新しい世界でこうして第二の人生を楽しんでいる』
記憶アリでな!
前世でできなかったことが多いから、この11年間はとても有意義だった。
と、言っても、まだ、俺は子供だから経験してないこともある。
大人になったら、色んなことして、ちょうどいい感じに働きながら、世界を歩き旅をしたい。俺はそう思う。
旅と言っても、大体は冒険だ。
冒険は楽しいだろ?
不思議がたくさん、未知の領域に入る時、不思議な気持ちになるのと一緒。
冒険をしていく過程で俺の冒険録も書いてみたい。
(まともな文章をかければいいのだが)
そこは勉強でどうにか良くしよう。
兄も妹も頭いいほうだしな。
努力するし、勉強もする。
妹には、負けたくない。
頼れる兄になるため、妹のわからないを答えれるために、俺は努力します。多少立派な人間になるために。
心の中で俺はカッコよく決めポーズを取る。
その時勢いよく風がに吹いた。
涼しい。少しびっくりした。
これは運命の出来事の予感。
俺にも兄のような転機が来るかもしれない、楽しみだ。
俺はそんな事を考えていた。
「お兄ちゃーん。いつまで待たせるの〜っ!」
「あ、まず……」
今頃、人をまたせてることを思い出した。
妹を待たせるなんて、兄としてなってない。問題だ。
(屋根の上でいつまでも反省会を開いてるわけには行かない。急ぐぞ)
急いで屋根から降りるロベルト。
屋根に上がれるのだ、降りるくらい楽勝さい。登山より下山のほうが楽って話は聞いたことがある。ふはははは! あっ。
調子に乗ったロベルトは、地面へと落ちた、顔面から。
痛いけど、怪我はそこまででもなかった。
でも、兄としての尊厳は、ちょっと失った。
「お兄ちゃん……」
言葉の鋭さは、銃弾よりも痛い。いや、銃弾の痛みなんて知らないけどね。
それにしても……くっ。名前を呼ばれただけで、ここまでか。
傷は浅い、心に刺さる言葉……。
いつまでも庭の芝生にキスをしているわけには行かない、すぐに起き上がり、妹と立ち並んだ。
(おっ、リシア……!)
心配そうな目で、俺の足を見ているリシア。
無様に落ちたのは俺なのに、ここまで心配という癒やしをくれるなんて!
天使だな……はっ。
兄として、妹を心配させるなんて許されない。
「ははははは、リシア。大丈夫、だよ、お兄ちゃんどこも痛くないよ」
「え、ほんとなの……?」
リシアは心配そうに、眉尻を下げて、両手をぎゅっと握っている。その仕草は卑怯だ、俺のハートを鷲掴みだ。
「あぁ」
短い肯定。
本当は痛いけど、弱音は見せない。
これが兄というものだ。
それに、あれくらいの痛みなら耐えられる、怪我は慣れてる。
「………でも、お兄ちゃん、いつもどこか怪我してるし、お母さんになんかいも直してもらってる」
リシアの言うとおり。
俺はいつも怪我をしている、11歳の怪我の頻度なんて、常に平均を上回っている。不本意、運が悪い。
色々考えられることはある。
でも大丈夫。
俺は人よりも回復のスピードが早い。
回復魔法をかけていなくても、筋肉痛になっても、一日休めば元通りだから。
と、話逸れたな。
「そうだね、日常茶飯事」
「にち……?」
ん?
と妹は首を傾げる。
まだちいさい。わからなかったか。
じゃあ、翻訳しよう。
「いつものこと、ってこと」
「そっかぁ……でも、お兄ちゃんが痛いのは、リシアやだなぁ」
うっ、その目!
やめてくれ、その言葉は急所になる。
「あっ、じゃあリシアが痛いの取ってあげる!」
そうして妹は、唐突に俺の膝に顔を近づけ、ふーっと息を吹きかける。
息?
いや、魔法だ。
風魔法な、リシアの魔法だ。
「よし、これで治った!」
満点の笑顔だった。
医療的効果は効果はゼロ。おまけに、怪我は膝じゃなくて顔面だ。でも、それを補うかのように、オレの心には絶大に響いた。
やっぱり、リシアの魔法は最強だな。
「……ありがとうな、リシアの魔法は宇宙一だ」
俺は、やっぱり笑ってしまう。
あぁやはり、兄で良かった。
痛いけど、痛くない。
辛いけど、辛くない。
それが兄という存在だと、妹の前だけでは、そういう存在でいたいと、思ってしまうんだ。
「ねぇ、お兄ちゃん。うちうって?」
「あーそうだね、お星さまが生まれて、消えて、また生まれる不思議なところ」
いまの言語じゃこのあたりが限界、語彙を高めないと。
でも、リシアの想像力なら、きっとそれを補ってくれる。
妹の目は、すでに銀河をちゃんと見ている。
たぶん、昔の俺より、ずっと、ちゃんと見ている。
妹にとって、新鮮なものだからな。
「お星さま? 今は見えないなぁ」
「はは、今は朝だから見えはしないよ、夜になったらキラキラ輝くんだ。とってもきれいに」
「へぇ〜、うちうも?」
「そう、宇宙には星がいっぱい集まってる」
「すごい……そんなにいっぱいいるんだ」
と、誰よりも純粋な動機で感嘆する。
でも、すごいのは妹の言葉選び。いる、だって……星を生き物と見るか。まぁ、ありえるかもしれない。
宇宙は広いんだ、生きた星だってどっかにある。
だって、この世界には”魔法”があるんだから。
魔法のような空想的なもの、実際にあるとは思わなかった。でも、今ここに存在する、あるんだ、魔法も。
科学的に、ではない。実際に今存在しているんだ。
この星に。
何万、何億、何兆、何京。
数え切れないほどの星屑、銀河が集まる、広大な宇宙。
膨大な宇宙はまだ、すべてを探索しきれていない。
無限に広がる宇宙には、今の俺達のような、数々の物語がある。
俺とリシア。
膨大な宇宙の一つの星に生まれた。
まぁ、俺の場合は引っ越ししてきたけど。
(でも、そう思うと。なんだか、世界が広がった気がした)
いや、広げたんだ。
「じゃあリシアの魔法は空よりも、もっと、もっと上! すごいんだぁ〜!」
「そうそう、すごい、最強」
リシアの魔法は痛みと悲しみを消し飛ばす。
そして希望を俺にくれる。
この世界には、まだまだ知らないことがたくさんある。言葉、魔法、友達、冒険が、この世界の何処かで、リシアを待っている。
そしてそのどれにも、俺は、可能な限り見守ろう、兄だから。
そのときもし俺が怪我をしたら、きっとまたリシアが”ふーっ”ってしてくれるだろう。その繰り返しが、日常。そして冒険の始まり。
だから、次の物語は、そこから始まる。
まだ見ぬ宇宙の果でなく、二人の一歩目から




