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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
古代文明の謎に迫る吸血少女

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倉庫らしき場所に残るもの

 見た目が異なる建物に入ると、そこは大きな倉庫のようなものだった。天井はほとんど無くなっているけど、棚らしきものの残骸が残っている事から、倉庫だという事が予想できた。


「大分天井までも高かったようね。棚の大きさからハクの世界にある大型倉庫のようなものかしら」

「なるほど。でも、これがある理由が分からないですね。大型倉庫って事は、何かを作っていたか素材を採取していたみたいな感じでしょうか?」

「その可能性は有るわね。こんなものまであるくらいだもの」


 そう言って、ガイアさんが棚の傍から何かを拾った。片腕で私を抱えているから、こういう事も出来る。

 その手に持った物を私に見せてくれる。それは私でも分かるものだった。


「ダイヤモンド?」

「そうね」


 ガイアさんが頷く。ガイアさんが持っているのは、小指の爪くらいの大きさをした大きなダイヤモンドだった。このくらいの粒があるというのは、ちょっと驚きだ。しかも、床を見てみたら、そのくらいのダイヤモンドが結構散乱している。天井が壊れてキラキラとしているから、それがダイヤモンドだと分かれば発見しやすい。


「こんなところにダイヤモンドを採掘できる場所が?」

「ここがそうなのかもしれないわね」

「ここが……ソイル。地下にダイヤモンドとかの宝石の原石はある?」


 私が訊くと、ソイルは目を閉じる。地下の方に意識を向けているみたいだ。少しして、ソイルが頷く。


『ある……採る……?』

「ううん。別に私から採れるから大丈夫。確認したかっただけ」


 ダイヤモンドすらも私の身体から生み出す事が出来るので、この場で採掘する必要はない。今考えると、私から採れるというのも変な話だ。

 周囲を見回して宝石がダイヤモンドだけではない事を確認する。色付きの反射は、別の宝石だろうから。色付きダイヤモンドの可能性もあるけど。


「取り敢えず、瓦礫の撤去を終えたら、地上にある宝石を集めて貰える? 何があるのか確認したいから」

『うん……』


 ソイルに宝石の回収をお願いしておく。どんな種類の宝石があるのかを把握する事で、ここで何が産出するのかを知る事が出来るから。

 そこから倉庫が二軒ほど続き、次に大きな屋敷の跡のような場所に着いた。基礎工事らしき跡が残るだけで、他に何かが残っている感じはしない。


「地下とかは……ありますね」

「そうね。もっと深く意識してみなさい」

「深く?」


 私は目を閉じて地下に集中してみる。すると、地下室がある場所の更に地下に通路があるのを感じ取った。その通路は、この屋敷に繋がっている訳では無く、他の場所に通じているようだった。


「地下道がある……いや、さっきのダイヤモンドが本物で、ここで採掘できたのなら、坑道?」

「かもしれないわね」

「…………ガイアさん知ってましたね?」


 こんな事にガイアさんが気付かない訳がない。だって、大地の原初神なのだから。地下も含めてガイアさんの司る大地だろうし。


「そうね。ハクを育てるには良い機会だと思ったのよ。だから、あの子は責めないであげて」

「ソイルにも口止めしたと……まぁ、最初から責める気はなかったので良いですが」


 ソイルの場合、変に妨害されていれば気付かないけど、私が集中して気付けるようなものに気付かないわけがなかった。その事にさえ、私はガイアさんに言われて気付いた。

 まぁ、ソイルが黙っているとしたら、しっかりとした理由があるってなるから、怒る気にはならない。今回もガイアさんにお願いされていたわけだしね。


「そう。良い子ね」


 ガイアさんが頭を撫でてくれる。不服な気持ちがあるのに、嬉しさがわき上がってくる。複雑な気持ちだ。

 そんな事をしていると、ソイルが私達のところに来た。


『お姉ちゃん……宝石集めた……』

「ありがとう。ソイル」


 ソイルの頭を撫でてあげながら、ソイルが木のバケツに集めて来た宝石を見る。ダイヤモンドに限らず、色々な宝石が入っていた。やっぱり採掘で採れる鉱石の種類は、かなり多いらしい。あの倉庫に落ちていたものの他にもいっぱいあるような感じがするし。


「色々と採掘できる場所だったみたいですね」

「そうね。どうにもこの地下は特殊な地質をしているようね」

「成分的な話ですか?」

「ええ。様々な種類の宝石が出来るような成分になっているのだと思うわ」


 宝石がどういう風に出来るのか詳しくは知らないけど、基本的には高温高圧下で生成されるだろうから、成分さえ揃っていれば出来上がるのかな。まぁ、ゲームにツッコんでも仕方ないか。


「なるほど。ソイル、地下の通路の広さは?」

『え……? えっと……かなり広いよ……この屋敷の……地下は……二部屋だけ……』

「そっか……取り敢えず、ここの地下に入りましょう。何かがあるかもしれませんし、全体的に調べ終えたら【降霊術】を試します」

「そうね。でも、【降霊術】は意味がないわ。ここに霊体はいないから」


 唐突にそう言われて驚いたけど、相手が神様という事もあって、すぐに受け入れる事が出来た。どうしてそれが分かるのかと訊いても、神様だからで説明が出来ちゃいそうだしね。


「そうですか……皆、成仏しちゃったって事でしょうか?」

「それだけの年数が経っていると考えて良いわ。悪霊化して執着するような霊もいないみたいね」

「それだけの時間が経っているという指標にして良いんですかね?」

「やめた方が良いわね。霊が必ずしも居付く訳ではないもの」

「確かに……」


 私が【降霊術】を使っても、霊と波長が合わないという事は結構ある。その場にいないというのが原因なので、そもそも最初からいないという可能性も十分にあり得た。


「なるほど」


 【降霊術】を使っての年代測定は役に立たないと分かったところで、屋敷跡の地下に移動する。地下には大量の樽が並んでいた。樽の一部は割れており中身に結晶っぽいものが見えている。

 こういう樽が並んだ場所を私はテレビで見た事がある。


「お酒?」

「そうね。中身は腐っているわね。開けないようにしなさい」

「は~い。ソイルも気を付けてね」

『うん……』


 地下を調べて行くと、基本的には酒蔵みたいな感じの場所だった。でも、ここだけじゃない。地下の部屋は二部屋あるはずだから。

 見た感じお酒の樽が並んでいるだけで、他の部屋に繋がりそうな扉はない。


「ソイル」

『えっと……ここ……』


 積み重ねられた樽をガイアさんが即座に破壊する。その向こうには、ボロボロの壁があった。その壁の向こうに空間が見える。本来は隠し部屋になっていたみたいだ。その壁もガイアさんが平然と蹴り破った。

 私に破片が当たらないようにしっかりと抱えながら蹴っていた。まさかの蹴りに私も驚いたけど、道が出来たから良いかな。

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いつも楽しく読んでます! 読者の自分も驚いた(笑)
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