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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
古代文明の謎に迫る吸血少女

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海にある遺跡の正体

 翌日。お昼前にログインした私は、真っ直ぐメイリーンの元に向かった。


「メイリーン、ちょっと良い?」

「ん? 良いよ。どうしたの?」

「えっと……」


 海の遺跡があった場所を地図にして示す。


「ここの海中に遺跡があったんだけど、メイリーンは何か知ってる?」

「ん? う~ん……ここは……多分、昔住んでいた場所かなぁ」

「え?」

「遺跡でしょ? 千年以上は経ってるから、そのくらい風化していてもおかしくはないよ。見に行く?」

「あぁ……うん。そうしようか」


 何か拍子抜けの答えが出て来たと思ったけど、本当にそうなのかは分からないので、メイリーンと一緒に見に行く事にした。


「メイリーンも一緒に移動する事を考えると……リヴァイアサンに頼むのが良いかな」


 海の中に入って、メイリーンと一緒にリヴァイアサンの元まで泳ぐ。


「リヴァイアサン、ちょっと遠出したいから乗せて」

「我よりも速く泳げるだろう」

「メイリーンも一緒に行くから」

「ふむ。よかろう。乗れ」


 リヴァイアサンの頭の上に乗り、自分を影と血でリヴァイアサンに縛り付ける。


「メイリーンも前に来て」

「うん」


 メイリーンを私の前に乗せて、私とメイリーンを縛り付ける。後は、メイリーンを抱き寄せておけば問題ない。


「それじゃあ、向こうに真っ直ぐ!」

「うむ」


 リヴァイアサンが泳ぎ始める。私とメイリーンで並んで泳ぐよりもでかいリヴァイアサンに泳いで貰う方が結果的に速く移動出来る。


「メイリーン達って、住処を転々としてるの?」


 移動の間に気になっていた事を訊く。


「う~ん……まぁ、そんな感じかな。ハクも引っ越しとかしない?」

「私は経験ないけど、アク姉とかフレ姉は、色々な転換の時期に引っ越ししてたかな。そういう感じ?」

「うん。そこでの暮らしが限界になるかなって考えたら移動する感じ。ちょっと危ないやつが出て来たりとかしたらって考えてくれれば良いかな。今は大分深海の方に住んでるよ。私はライブしたいから浅い場所にいるけどね」

「なるほどね……」


 海の中にいる危険な生き物が近くに住むようになったら引っ越すという事をしているらしい。まぁ、普通の事ではあるかな。今から行こうとしている遺跡らしきものも大分昔にメイリーン達が住んでいた場所の跡という可能性が高い。

 千年以上の時間が流れていたら、遺跡っぽくなっていてもおかしくはないと思う。管理する人は誰もいないわけだし。


「ここって危険なやつがいて放棄したところ?」

「う~ん……う~ん……何だっけ? 多分、気分転換だと思う」

「あっ、そうなんだ。まぁ、でも千年経ってるわけだし、危険な生物がいないとも限らないか。リヴァイアサン。気を付けてね」

「うむ」


 そのまま五分程移動していると、目的の場所に到着した。リヴァイアサンは結構速く移動してくれたみたい。水圧が凄いと思ったけど、そこも調整してくれたのかな。


「ありがとう、リヴァイアサン。ん? リヴァイアサン?」


 お礼を言ってメイリーンと一緒に降りたら、リヴァイアサンが周囲を見回し始めた。


「いや、問題はないだろう。我は周辺を見回ってくる。帰る時に呼べ」

「うん。相手が人だったら、不用意に刺激しちゃだめだよ」

「承知した」


 リヴァイアサンは、何かしら警戒するべき存在を感じ取ったらしく、周辺の警戒に向かった。私はその存在を感じ取れないから、多分プレイヤーか何かかな。

 私はメイリーンと一緒に遺跡を見に行く。


「どう?」

「うん。住んでいた場所だと思う。大分壊れてるなぁ」

「メイリーン達の住処か。何か残ってるかな? 血液兵達で見た時は特に見当たらなかったけど」

「う~ん……ないんじゃない? 慌てて逃げ出したならまだしも、普通に引っ越しをしただけだからなぁ。取り敢えず、私の家に入ってみよう」

「覚えてるの?」

「何となく? ここに来たらちょっとだけ思い出したから」


 メイリーンに手を引かれて進んで行った先は、大分奥まった場所にある家だった。陽射しも差さないような場所になっているので、メイリーンにしては意外だった。


「何でこんな暗い場所に?」

「う~ん……何でだっけ? この時って色々と暗くなってた時期だったのかな」

「へぇ~、いつでも元気だと思ってた」

「そこまで脳天気じゃないよ。ライブはしてたけど」

「そこはいつでも変わらないんだ?」

「生き様だからね。ただいま~」


 中は私が作った家とは違う。結構質素な感じの家だった。メイリーンが言っていたように、特に何かがあるような感じはない。


「あっ、見て見て。当時の衣装」

「うわぁ……黒いね」


 今のメイリーンのライブ衣装では考えられないくらいに黒い衣装で、ちょっと驚いた。


「あっ、そうだ。このくらいの時期って、シキちゃんがやられた事を知ったり、リリィルーナが空に上がったりした時期じゃなかったかな。だから、結構落ち込んでたんだよね」

「じゃあ、喪服みたいなもの?」

「そんな意思表示だったかな。当時は皆驚いてたよ。あの時は皇帝の錯乱とかもあったし、シキちゃんと私が話しているところを見ていたファンも多かったからね」


 メイリーンのファンが多いのは想像に難くない。だって、開拓領域に今もたくさんいるから。

 メイリーンの当時のライブ衣装がある事から、ここがメイリーン達の元住処という事が確定した。


「街の中に石碑みたいなのがあった気がするけど、あれは?」


 遺跡っぽいと判断した大きな要因は、石碑のようなものを沢山見たからだった。ここがメイリーンの元住処だとしたら、あれがなんなのか分かるはず。


「石碑? お墓かな」

「あっ、そうか。メイリーンが長生きすぎて省いてたけど、長生きってだけで不死じゃないもんね」

「そういう事。ちゃんと歳もとるよ。一万年くらいが大体の寿命かな」

「おぉ……長生きだね……」


 思ったよりも長生きなので、ちょっと驚いた。数千年前とか普通に言う訳だ。それでそこまで皆の事を覚えているという方が奇跡かもしれない。

 取り敢えず、海の遺跡は、メイリーン達が暮らしていたという証拠のためにあるものみたい。メイリーンの衣装が残っている事から、メイリーンの情報に繋げるって形で用意しておいたのかな。

 メイリーンは攻略済みだし、特に繋がるものはなさそうかな。まぁ、当時の衣装を回収出来たから良いのかな。最近は衣装もこっちで作ったものを着たりしているから、特に使わないかもしれないけど。


「何か残っているものがないか探してみようか」

「ちゃんとした形で残っていると良いね。この衣装はちょっと小さいかな……」


 メイリーンの成長を実感させられながら、メイリーン達の元住処の探索をしていった。

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