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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
古代文明の謎に迫る吸血少女

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重要な情報

 ソルさんは、ヘスティアさんの淹れてくれた紅茶を飲んで驚いた表情をしていた。結構良い紅茶を用意しているからかな。ほとんど神茶みたいなものという事に飲んでから気付いた。


「あっ……」

「ん? お?」


 ソルさんの目の前にウィンドウが出て来たみたいで、ソルさんの視線が私とは別の空中に向かっていた。


「おぉ……エグいね」

「【神力】ですか?」

「うん。SPが1000も必要って微妙だね。そこまで自由に使える程余ってないしなぁ。ひとまず保留かな」

「【吸血】があると、割と解決しやすいですよ」

「う~ん……味覚の耐性はないからなぁ。課金してレベルを上げやすくしても厳しい気がするから、そっちも保留かな」

「仲間は増えないかぁ」

「寧ろ、【吸血】をそこまで育てている事に驚きだけどね」

「これでも吸血鬼の神様ですしね。ひとまず温泉に入らないで良かったみたいで安心しました」

「温泉?」


 私は【神力】の収得イベントについて話す。私の時は色々と大変だったから。大変なのは何故かサクヤさんと温泉に入る事になったという状況だけだったけど。


「へぇ~、多分ハクちゃんの時よりも色々とレベルとかが違うからじゃないかな。その分、下地が出来ていたって事じゃないかな」

「なるほど」


 確かに、これはソルさんの言う通りかもしれない。私の時は、まだ桜エリアが追加された時だったし、今のソルさんがあの時よりも遙かに強くスキルも育っているという事は簡単に想像できる。


「さてと、私も十の存在についての情報を出さないとね。とは言っても、もう知ってるものかもしれないけど」


 そう言って、ソルさんはアイテム欄から紙束を出した。そこにはリガイアについての情報が書かれている。


「リガイア!?」

「うん。山の中にあるダンジョンにあった情報だったかな。大陸要塞のリガイアは、過去に何回か姿を目撃されているみたいでね。会話をしたって人もいるくらいだよ」

「リリィルーナもその一人ですね。それじゃあ、リガイアの場所も!?」


 大陸要塞のリガイアの居場所が分かるかもしれないとなって、ちょっとだけテンションが上がる。


「ううん。その場所に行ってみたけど、特に何もいなかったよ。だから移動した後だと思う。あのレポートの記録が、大分昔だったから移動した後って感じかな。研究した内容的には、地上の穢れを浄化する存在らしいね。相撲の四股と似たようなものだと思うよ」

「四股って、そんな意味があったんですね。初めて知りました」

「まぁ、それは置いておいて。リガイアの全長は大体富士山と同じくらい」

「え?」

「それが歩くっていうから、かなりの重量が移動する事になると思うんだけど、ここから重要。リガイアの歩行では足跡が生まれないっていう研究結果が出ているらしいの」

「え?」


 二重の驚きが襲ってくる。リガイアの大きさが富士山くらいというのもちょっと大きすぎという驚きとリガイアには足跡がないという驚きだ。

 リリィルーナは、近くの山よりもちょっと大きいくらいという話だったから、一応合ってはいるのかな。ちょっとというよりも二回りちょっとは大きい気がするけど。

 それは置いておいて、問題は次の話題だ。


「足跡がないんですか?」

「うん。理論としてはおかしいけど、この質量のエネルギーを全て穢れの浄化に利用しているからって事らしいよ」

「おぉ……ゲームっぽい」

「だね。研究施設があったのは、ここら辺の山だから、気になるなら調べてみて」


 そう言ってソルさんは、マップの情報を教えてくれる。そこはまだ私が調べていない場所だったので、本当に助かった。


「ありがとうございます」

「ううん。そっちの方が大きな情報くれてるしね」

「そういえば、ソルさんもリガイアを探している感じですか?」

「まぁ、そうだね。せっかく情報を手に入れたから、探してみようと思って放浪し始めたんだけど、見つかる気はしないね。ハクちゃんの方で見つけたら、どんなストーリーだったか教えて欲しいな。ちょっと気になるし」

「分かりました。そこら辺は早い者勝ちですね」

「そういう事」


 ゲームのコンテンツという事もあり、ここは早い者勝ちという事になった。まぁ、一々ログインを合わせるのは難しいからね。


「それにしても、ハクちゃんのところは、ギルドの人数よりもNPCの数の方が遙かに多いみたいだね。空にも沢山いたみたいだし。何か沢山の竜もいたけど」


 リガイアの話題が終わり、普通に世間話に移る。


「ああ、竜は私がテイムした子達ですね。私、魅了の力が異常なまでに強くて、ほぼ強制的にテイム出来るので……」


 自分で魅了の力が強いという申告を身内以外の人にするというのが、若干恥ずかしかったけど、取り敢えず話しておいた方が後々が楽だと思うので話しておいた。


「高位の悪魔とか天使とかも従えているみたいだし……NPCに好かれやすいのかな?」

「う~ん……まぁ、嫌われている事の方が珍しいかもしれないですね。私が一方的に嫌ってるNPCもいますが」

「へぇ~……」


 ソルさんは、少しだけ表情に陰りが出る。


「ハクちゃんは、身内に何かあると容赦しないよね?」

「え? あ、はい。する理由がありませんから」


 唐突な確認に思わず頷いてしまう。実際、身内に何かあったら容赦なく相手を叩き潰すから、これは間違っていない。邪聖教をぶちのめすのも師匠の因縁の相手だからだし。

 今もノマド、リリィルーナ、メイリーンに何かあれば、即座に報復するつもりだし。


「そっか。皆のために動くのは立派だけど、自分を犠牲にするようなやり方は、助けてあげた人達を悲しませることになるかもしれないからね。それじゃあ、私はここら辺で行くね。久しぶりに会えて楽しかったよ」

「え? あ、はい。私も楽しかったです。じゃあ、開拓領域の外まで送りますね」

「ありがとう」


 ライトニングホースに跨がって、ソルさんを開拓領域の外側まで送った。向かう先は北らしい。


「う~ん……幼馴染みさんとの事で何か思い出しちゃったとかかな」


 最後の方でちょっとだけ様子が変わったのは、亡くなられた幼馴染みさんの事を思い出したからな気がする。色々と共通する部分が私にあるみたい。それこそ、私の考え方とか。

 取り敢えず、ソルさんと再会して、ちょっとした情報交換が出来たから、今日はかなりの収穫かな。他にも遺跡とかも見つけられたから、明日はそういうところを調べよう。

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