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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女は救いの手を差し伸べる

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リリィルーナ攻略へ……?

 翌日。お昼前にログインした私は、ギルドエリアの報告と開拓領域の報告を受けた。基本的にはどちらも問題なしだった。いつも通り変わらないという感じだ。これまでとの違いは、ノマドの鱗が海に落ちてきた事くらいだ。七枚の鱗だったので、ある程度変動があるという事は分かった。後は、アカリが何に使うかの問題くらいだ。

 確認を終えたところで、私は空を見る。今日はあの雲の向こうにいるリリィルーナの元に向かう。


「行くのね……」

「お母さん」


 ニュクスさんが私の元にやって来た。ニュクスさんは私をぎゅっと抱きしめてくれる。


「気を付けて……自分の命を……優先しなさい……」

「はい。それじゃあ、行ってきます」

「いってらっしゃい……」


 ニュクスさんは、私の頭を撫でて送り出してくれる。私は【熾天使翼】を広げて飛び立った。どんどんと加速していき、重力を振り切って真っ直ぐ宇宙に向かって行く。

 無重力になったところで、自分に重力とは逆方向の力を付与しながら移動していく。


「さてと……リリィルーナは一体どこに……」


 近くには見当たらないので、ひとまず星の周りを移動していく事にする。衛星軌道上を意識しておけば、取り敢えず見つかるはず。空と同じように高速移動で動いていくけど、やっぱり外周の長さが違いすぎるから中々リリィルーナが見つからない。


「それにしてもしっかりと宇宙ステージを作ってるんだなぁ。ここまで自由に動けるって事は、リリィルーナとのやり取り以外にも探索する要素が何かしらあるのかな。まぁ、無難に衛星だろうけど」


 宇宙空間の探索をしながら、リリィルーナを探していく。私がいた星が下に見えているので、迷子にはならない。私が現状見つけられないという事は、私が飛んだ場所から反対側にいる可能性が高いという事。

 私と同じくリリィルーナも移動している事を考えると、逆方向で移動したいところなのだけど、そればかりは運の勝負になる。リリィルーナの軌道なんて分からないしね。


「あっ、いた」


 三十分ほど移動していると、遠くの方にリリィルーナがいるのが見えた。リリィルーナは、前と同じく膝を抱えて衛星軌道上を移動している。

 私に気づいたからなのかリリィルーナは、私に向かって人差し指を伸ばす。そして、その指を星に向かって振り下ろした。

 同時に私の身体に強制的に星に向かう力が付与される。それを打ち消すように力を強めつつ、リリィルーナに向かっていく。

 声をかけたいところだけど、距離的に届かない。宇宙だからそもそも届かないだろうと思うけど、スキルでその辺りは関係ない。


「ギリギリで私が競り勝ってるくらいか……なら……!」


 私は【雷化】で前に移動していく。雷になる事で、付与されている力を最低限にする事が出来る。そう思っていたら、正面から何か力の壁のようなものが放たれてきた。


「うわっ!?」


 【雷化】が解けて、ノックバックの効果を受ける。力が付与されているような感じで、また距離を取らされる。

 その中で目の前にウィンドウが出て来る。


『ユニーククエスト『穢れを知らぬ少女は幸福を求めて漂う』を開始します』


 リリィルーナのクエストが始まるのと同時に嫌な予感がして頭上を見る。すると、こちらに向かって凄い勢いで隕石がやって来ていた。


「このタイミングで隕石……いや、リリィルーナの技か」


 隕石は移動している私を追尾するように動いてきている。あの隕石は、私に付与されたであろう引力によって、こっちに向かってきているのだと思う。【熾天使翼】を使って一気に飛んでいるけど、隕石はしっかりと追いかけてきた。

 私は赫夜刀を出して、隕石を斬る。一つの隕石を斬ったら、その後に続いてどんどんと隕石が降って来た。


「厄介な能力を使うなぁ……」


 私は、腰から九本の血の尻尾を出す。

 斬った隕石に尻尾を突き刺して、即席のフレイルとして扱い、降り注いで来る隕石を破壊していく。

 さらに、降ってくる隕石に尻尾を突き刺して、尻尾を引くことにより力の付与とは異なる軌道の変更が可能となる。隕石を斬り、蹴り砕き、その破片を利用して更に砕いていく。

 そして、リリィルーナの攻撃を防ぎながら着実にリリィルーナに近づいていった。

 その途中で、これまでとは比較にならない程巨大な隕石が降って来た。その大きさはリリィルーナと一緒に衛星軌道上にある衛星とほぼ同じ大きさだった。


「いやいや……氷河期が来るって……」


 恐竜がいた時代に降って来た隕石よりも大きいかもしれない。それが星に降ってきたら、下手すると星が割れる可能性だってあると思う。

 さすがにやり過ぎだと思っていたら、リリィルーナが目を開けて、こちらを見ていた。そして、その隕石に向かって人差し指を向けると、上に振り上げる。

 すると、隕石の勢いが一気に落ちた。どうやら、この隕石に関してはリリィルーナも予想外のものだったみたいだ。

 私は赫夜刀の血液を解放して無数の血液の刃を飛ばした。それによって、隕石に次々に罅が入っていき、細かい破片へと変わっていった。


「ふぅ……ん?」


 砕け散った隕石の中に黒い人がいた。その存在の感覚に、私は覚えがあった。


「邪神……」


 私の呟きを聞いて、邪神の顔に当たる部分に細い弧を描いた線が出て来た。目は見当たらないけど、それが笑っているという事は分かる。

 そして、金属が擦れるような音が周囲に響き渡ってきた。滅茶苦茶不快に思っていると、邪神の手に黒い剣が握られる。


「いや……今じゃないって!」


 邪神は、全く気にした様子もなく剣を振り下ろしてくる。私は赫夜刀で防いだ。そのまま弾いて距離を取る。ちらっと刀身を確認すると、刃毀れはない。神殺しと違って、赫夜刀は決して壊れる事のない神器。邪神との打ち合いも問題ない。

 邪神は次々に黒い剣を振ってくる。その全てに赫夜刀を合わせながら、【吸血神姫】で血のドレスを纏う。そして、血の尻尾を使って周囲の隕石を使って邪神に叩き付ける。それに対して、何故か増えた腕を使って砕いてきた。その腕の先にある手には鉤爪がある。それで砕いたみたいだ。

 邪神は、段々と人の形からかけ離れてくる。それによって手数が変わってくるけど、隕石を利用した攻撃と防御で対応出来ている。宇宙空間での移動は、ちょっと癖があるけど段々と慣れてきた。隕石を足場にして推進力を得る。それに力を付与して勢いを増させる事で、攻撃の威力を上げる。

 段々と攻撃の速度を上げていく私に対して、邪神は愉快だというように笑った。

 リリィルーナの攻略の前に邪神との戦いが始まるとは思わなかった。目の前の邪神を倒さなければ、リリィルーナの攻略が出来ない。だから、ひとまずはリリィルーナから目を逸らして、この邪神を倒す。

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