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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女は救いの手を差し伸べる

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友好の印

 雲の下まで戻ってきた私は、アスタロトをレメゲトンに戻して、【熾天使翼】を広げた。


「それじゃあ、戻ろうか」

『はぁい。でも、すぐに行かないのぉ?』


 アスタロトは、私がすぐにリリィルーナの元に向かうと考えていたみたい。確かにすぐにでも向かいたいという気持ちはある。でも、それを許さない事情がある。


「時間がね。リリィルーナは明日かな。一応言っておくけど、リリィルーナの元には一人で行くから」

『えぇ……私も行きたいわぁ』

「アスタロトは私と一緒にいたいだけでしょ。リリィルーナのところから帰ったらいてあげるから」

『それなら良いけどぉ……約束よぉ?』

「はいはい。ちゃんとアスタロトが良い子にしてたらね」


 私がそう言うと、アスタロトはレメゲトンの中で嬉しそうにしていた。悪魔が良い子にしていると言うと、若干違和感を覚えるけど、フェネクスみたいな事例があるし、ちゃんと言い聞かせておけば問題はない。

 全力飛行で開拓領域に戻ると、アカリが迎えてくれた。


「おかえり。ミズチの方のクエストもクリアしたんだね」

「ん? ああ、そういえば知らされるんだっけ。すっかり忘れてた。まぁ、倒したわけじゃないから、これからも空を泳いでるよ。それと、本当の名前はノマドって言うんだって」

「ノマド? ああ、そっか。ミズチって名前はあくまで、ここの星の人達が付けた名前だもんね。他の星から来た事を考えたら、本来の名前があったもおかしくはないよね」

「そういう事。リリィルーナの元に行く許可も得たから、明日行くつもり。それとこれはお土産ね」


 私は倒した星外生命体達のドロップアイテムである鱗をアカリにあげる。


「わぁ……何これ……?」

「星外生命体の鱗。ノマドの身体に巣くってた寄生生物の鱗って言った方が伝わりそうかな」

「えぇ!? 寄生生物!? だ、大丈夫なの!?」

「うん。倒した生物の鱗だから何も問題ないと思うよ。寄生生物に寄生していた何かがいたら話は変わるけど、鱗だし問題ないと思う。うん。思うだけ」


 正直、私が直接戦ったのは、体外にいた星外生命体アルファと星外生命体ベータ、星外生命体ガンマの三種類だけだ。その他の遭遇は、全て血液兵達だったし、その視界を共有して姿を知っているというだけだった。なので、星外生命体達に寄生しているような生物がいたのかどうかは分からない。


「う~ん……まぁ、アイテムのフレーバー的にも問題なさそうだし、皆の防具とかに使えるかな。どんなモンスター?」

「え? 色々な姿をしてたけど、共通する能力は光線の反射とかかな。だから、ノマドも蹴散らす事が出来なかったらしいよ。この星外生命体達は、元々巨大生物が跋扈する星で暮らしていたんだって。そこにノマドが行った時に寄生されたみたい。それでもほぼほぼ共存状態だから共生生物でもあったのかな。それか、ノマドが強すぎて寄生しようにも出来なかったとか」

「ふ~ん……まぁ、その可能性が高そうだね。倒さずに友好を結んだって事は、メイリーンちゃんみたいな感じでこっちに来る事もあるの?」


 メイリーンは私達の開拓領域に住んでいる。ノマドも同じように私達の開拓領域を回遊するみたいな感じになるのかとアカリは気になっているみたいだ。


「ううん。普通にいつも通りだと思う。単純に敵対しないくらいかな。願いを叶えてくれるって話で、私が友達になってって言ったから、本当に何もないと思うよ」

「ハクちゃんらしいね。でも、その選択が何かとんでもない事に繋がるかもしれないよ。ハクちゃんはそうやって毎回とんでもない事を起こしてるでしょ?」

「毎回毎回そんな都合の良い事が起きるとは限らないよ」


 そんな事を言っていたら、大きな音が響いてきた。その方向を見ると、開拓領域の森の中で大きな煙が上がっていた。


「ハク!」


 アーサーさんがエレクに乗って私の元にやって来る。丁度見回りの時間だったみたいだ。エレクの速度は、私ほどではないけどかなり速い。現場からこっちに来たって感じかな。


「何がありましたか!?」

「鱗のようなものが数枚だ。恐らくは空から来ている。丁度例の龍が空を飛んでいる事も考えると、奴のものだろう」


 そう言われて見上げてみると、ノマドが空を飛んでいるのが見えた。直後に頭の中にノマドの声が響いてくる。


『我の鱗は役に立つだろう。友好の印として、上空を通る際に落としてやる。誰もいない場所を選んで落とすが、森と海どちらが良い?』

「え? じゃあ、海で」

『了解した。次からは海に落とそう』


 森に落とされると地面が抉れると思うので、海に落とされる方が被害が少ない。メイリーン達には注意するように伝えておこう。


「ノマドが友好の印に落としてくれたみたい。次からは海に落として貰うようにして貰ったよ。私はあまり使わないだろうから、アカリが使って良いよ。アーサーさん、場所まで案内してください。エレク、三人乗っても大丈夫だよね?」

『ぶるる!』


 エレクが頷くので、アカリを抱えてエレクの上に乗る。アーサーさん、アカリ、私の順番で乗って、アカリの腰をしっかりと支える。


「お願いします」

「ああ」


 アーサーさんがエレクを走らせて鱗の落下地点に移動する。森の中に小さなクレーターが出来上がっていた。そこに悪魔達や天使達が集まっている。ひとまず、ノマドからの友好の印という説明をして、皆を安心させると、そのまま警戒に戻っていった。

 攻撃か否かを判別出来なかったみたい。ノマドからしたら、攻撃の意思はないだろうから、その辺りでの判別が難しくなっていたみたいな感じかな。

 鱗の数は全部で八枚。毎回八枚ずつとは思えないので、ある程度変動はすると思う。それでも完璧な形での鱗が八枚も手に入ったという点で、アカリが興奮しているのが分かった。


「わぁ! 凄い!」


 アカリが早速回収しに向かう。私はその様子を見ながらアーサーさんと話す。


「ひとまず、これから森には落ちないと思います。海には落ちるので、もし私達がいない時間でしたら、メイリーン達から受け取って倉庫に仕舞ってくれると助かります」

「そうだな。回収は早い方が良いだろう。伝えておく」


 円卓の皆がその辺りを担当してくれる。見回りをしてくれているけど、ずっとしているわけじゃないので担当してくれるのは助かる。私達が毎回開拓領域にいる時間に落ちてくるか分からないし。

 そこからメイリーン達にこの事を伝えて、注意だけして貰うようにした。メイリーン達は笑顔で頷いてくれたから大丈夫だと思う。最悪リヴァイアサンが皆を守ってくれるらしいし。

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