表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女は救いの手を差し伸べる

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

773/924

ミズチとの交渉へ

 一日掛かりで皆の役割を決めた後は、平日の間に様子を確認しながら過ごしていく。取り敢えず、それぞれ問題ない事が分かった次の土曜日。

 お昼過ぎにログインした私の元にアスタロトがやって来た。抱きつこうとしてきたので、レメゲトンを叩き付けて内部に収納した。

 そして、一気に空へと飛び立つ。その道中に空の警戒をしている皆とすれ違うから手を振って挨拶しておいた。


『今日はどこかに行くのぉ?』


 最近は皆に話を聞いたり、お茶会したりとのんびりとしていたからかアスタロトがそんな事を訊いてきた。


「開拓領域の整理とか色々としていたからね。本来の目的に戻ろうかなって」

『ミズチの事ぉ?』

「そう。結局あの遺跡にある情報からは、ミズチの移動ルートとかミズチが別の場所からやって来た存在とかしか分からないし、打ち上げ用のカタパルトは、そこまで必要ないから直接会いに行くのが一番でしょ?」


 私の飛行速度なら、打ち上げられるよりも速く移動出来るし、成層圏だろうが何だろうか活動出来る身体になっているから、こうして飛び立った方が早い。ルートは分からないけど、全力飛行をしていたら見つかると思う。

 成層圏まで出たところで、横の移動に移る。


『交渉の材料はあるのぉ?』

「ないかな。私が出来るのは、私が思ってる事を伝える事くらいだよ。だから、ミズチにも攻撃はしない。ひたすら避け。高速で動き続けるから、アスタロトは中に入ったままいてよ?」

『分かっているわぁ。外に出たらキツいものぉ。リリス達を連れて行かないのは戦闘をしないからかしらぁ?』

「そういう事。アスタロトは突撃してきたから連れてきただけ。取り敢えず、ミズチを見つけてから本番だね。アスタロトも探して」

『はぁい』


 本当はアスタロトを連れていく予定ではなかったのだけど、抱きつくために突撃してきたから成り行きで連れてきてしまった。連れてきてしまったのなら、出来るだけ利用する。その方がアスタロトも喜ぶし。

 そのまましばらく飛行していると、アスタロトがミズチを発見する。


『いたわぁ。主人よりも上よぉ』

「本当だ」


 ミズチは私が飛んでいる場所よりも高い場所にいる。追いかける形になっているから尻尾の方から近づいていく事になる。これは警戒されてしまうかな。そう思っていたら、嫌な予感がして、その場から横にずれるように移動する。直後、ミズチの方から光線が飛んできた。


『警戒されているわねぇ』

「うん。でも、牽制って感じ。これなら私でも操作できるかな」


 飛んでくる光線を操作して私から逸らすようにしていく。本気の攻撃なら、シキドウジのような力があってもおかしくない。でも、私を牽制するような攻撃ばかりで、本命のような攻撃が飛んでこない。

 傍観者は、争いに介入はしないけど、こうして自分に危害を加えるのなら話は別だという事かな。それでも牽制程度の攻撃で済ませているのは、相手を殺すつもりはないって事だ。


『牽制に思えるのはぁ、主人が強すぎるからじゃなぁい?』

「普通の人は無理って事?」

『普通の人はあの光線を曲げられないと思うわよぉ』

「う~ん……まぁ、あり得なくはないか」


 私には完全支配の他に属性強化のスキルがいくつもある。その結果ミズチの光線を支配する事が出来るようになっているという可能性はある。

 【雷化】で一気に上昇した私は、ミズチと同じ高さに着く。すると、ミズチによる弾幕の密度が濃くなった。やっぱり、ミズチからしたら近づかれたくないという事だと思う。


「ちょっと! 話をしたいだけなの!! お願いだから! 私の話を聞いて!!」


 声を張り上げてミズチに届かせるように叫んだ。でも、弾幕の密度は変わらない。


『ミズチの大きさはぁ、何キロもあるからぁ、耳に届かないと思うわよぉ?』

「骨振動とかあるかもしれないじゃん。後ろから音に気づけないとか生物としてどうなの?」

『必要ないのかもしれないわよぉ。それくらいに生物界の頂点にいるのかもしれないわぁ』

「ふ~ん……なるほどね」


 そんな話をしながら加速していき、弾幕を支配して進路を確保しながらミズチに近づいていく。そうしてミズチの尻尾付近まで来たと思ったら、尻尾が思いっきり振られてきた。【雷化】で進路を変更して、尻尾を避ける。


「感覚は鋭いみたいだね」

『光線が自動砲撃じゃないとしたらぁ、精霊並みの感知能力かもしれないわねぇ』

「精霊並みかぁ……それはヤバそうだね。なら、張り付く方が安全かな」


 再び尻尾が振られたタイミングで、その動きに沿うようにして動き、尻尾と動きを同調させてしがみついた。私がしがみついた事に気付いたのかミズチは尻尾を大きく揺らしてくる。


「うわっ!? ちょっと尻尾振りすぎ……!」


 血液と影で身体を固定していく。この固定を動かしていきながら、頭を目指すという感じだ。


『滅茶苦茶ねぇ』

「結局いつも通りの手段だよ……でも、これで光線は来なっ!?」


 身体にしがみついているから、もう光線による攻撃はこないと思っていたら、普通に飛んできた。光線をねじ曲げて逸らすと、ミズチの身体にも命中する。すると、光線が反射して四方八方に飛び散ってきた。【万物吸収】で受け止める。


『下手に散らすよりも最初から受け止める方が良いかもしれないわねぇ』

「だね。それにしても光線を散らす攻撃って、結構厄介だなぁ……意図的に行わせないようにしたいかも」

『収束させて自分に向けるのはどうかしらぁ? 主人なら耐えられると思わよぉ?』

「なるほどね。確かに、攻撃を束ねるのは有りだと思う。【万物吸収】なら耐えられるだろうし。それにしても頭まで本当に遠いなぁ……」

『いつもの主人なら一瞬だろうけれどぉ、行動を制限されていたら厳しいわねぇ。地道に進むしかないわぁ』

「まぁ、時間はあるから別に良いけど。アスタロトは、周辺の警戒をお願い。その状態でも出来るでしょ?」

『はぁい』


 ミズチの攻撃は、私自身の感覚で収束させる事も出来る。だから、そっちの警戒は私がすれば良い。でも、そっちの移動に集中する分、周辺のミズチ以外への警戒が疎かになる可能性がある。だから、その分の警戒をアスタロトに任せる事にした。

 まぁ、こんな場所までやって来る敵がいたら、ちょっと驚くけど。普通のプレイヤーは窒息ダメージを受けるだろうし。アスタロトに関しては本当に念のためという感じだ。十中八九何もないだろうから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ