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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
新たなる地へと向かう吸血少女

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赫夜刀

 シキドウジを埋葬し終えたところで、メイリーンは海に帰っていった。その後にヘファイストスさんとニュクスさん、アスタロトがやって来た。久しぶり会うからか、アスタロトが抱きついてきて邪魔。


「ヘファイストスさん。これって」


 私はシキドウジを斬った刀をヘファイストスさんに見せる。


「赫夜刀。貴様の新しい神器だ」


────────────────────


神器・赫夜刀:神、天使、悪魔、神霊、龍神、鬼神、吸血神姫の力を集約させ、ありとあらゆる存在を斬り伏せる力を持つ。【神代の力】【始夜終夜】【三千寵愛】【天宇地廬】【森羅万象斬】【致命斬首】【全種族特効】【遏悪揚善】【罪悪滔天】【无何之郷】【竜躍雲津】【鬼哭啾々】【如飢如渇】【愛刀】【永久不壊】


────────────────────


 何か追加効果が分かりにくいし、異常に多い。普通は十個のはずだけど、十五個もある。いつもはアカリとかから説明があるけど、今回はヘファイストスさんが作ったためにそれがない。なので、自分で調べる事になった。


────────────────────


【神代の力】:神々の力を内包する。使い手が神の場合のみ力が解放される。全ステータスが大幅に上昇する。この効果は持ち主が持つ神の力に比例して上昇値が増す。


【始夜終夜】:夜の間にのみステータスが大幅に上昇する。


【三千寵愛】:一身に向けられる愛の力により、ステータスが大幅に上昇する。一定値以上の愛を向けている者の数で上昇値が増す。


【天宇地廬】:天地あらゆる場所でステータスが大幅に上昇する。どのような環境でも壊れず、形状変化もしない。


【森羅万象斬】:斬るという意志により、ありとあらゆるものを斬る事が出来る。


【全種族特効】:ありとあらゆる存在への特効が付く。


【遏悪揚善】:天使の力が大幅に上昇する。


【罪悪滔天】:悪魔の力が大幅に上昇する。


【无何之郷】:精霊、神霊の力が大幅に上昇する。


【竜躍雲津】:竜の力が大幅に上昇する。


【鬼哭啾々】:鬼の力が大幅に上昇する。


【如飢如渇】:血液を吸収し続ける。吸収した血液の量により、物理攻撃力が上昇していく。また血液を解放して放つ事も出来る。


【愛刀】:持ち主として認めた対象に扱う事が出来る。持ち主と魂で繋がり、どれだけ離れても持ち主の元に喚び出す事が出来る。


【永久不壊】:決して壊れる事がない。


────────────────────


 私の中のあらゆる力を上昇させる刀になっていた。私には【神器の使い手】があるから、この力を最大限引き出している事になる。力が湧き上がるのも当然だ。


「問題はあったか?」

「いえ、最初にごっそりHPが取られたくらいです」

「耐えられなければ認められなかっただろうな」


 HPが無くなったのは、赫夜刀による試しとかだったみたい。これが選ばれる基準の一部だったって感じかな。


「とにかく問題が無いのなら良い」


 ヘファイストスさんはそう言ってギルドエリアへと戻っていった。本当に届けに来てくれただけみたい。実際届けて貰えなかったから危なかったので感謝だ。

 赫夜刀は、血の中に仕舞っておく。


「何かあったの……?」


 ニュクスさんはシキドウジの墓を見て訊いてきた。急にお墓を作ったから、ニュクスさんも少し混乱していたみたい。


「シキドウジを倒したので、その埋葬を。こうして埋葬しないと、ちゃんと魂が解放されなかったので」

「そう……辛くない……?」

「はい。私よりもメイリーンの方が辛かったと思います。私には直接的な繋がりはありませんでしたので」

「そう……」


 ニュクスさんは私の頭を撫でながら海を見る。一応、不定期に行っているライブを一度見た事があるはずなので、ニュクスさんもメイリーンについては知っていた。


「んじゃ、私は先に帰ってるな。お疲れ」

「あ、うん」


 フレ姉は私の頭を撫でると、ギルドエリアに帰っていった。今日はもうログアウトする感じかな。それか武器を作って貰いに行くのかな。今日の武器は割と急ごしらえだったみたいだし。


「あっ!」


 フレ姉の武器の事を考えて思い出した。


「どうしたの……?」

「武器を壊しちゃって……後、一本海に落としたものもあるんです。拾ってこないと」

「これでしょ?」


 白百合と黒百合はともかく属性刀はまだ使えるので、拾いに行かないとと思っていたら、メイリーンが持って来てくれた。もしかしたら、これのために早々に海に戻ったのかな。


「メイリーン、ありがとう!」


 属性刀を受け取って血液の中に仕舞う。取り敢えず、当面の間は二刀流が主流になるかな。


「それと皆が集めてくれたよ」

「ん?」


 何の話だろうと思ったらニュンペーの皆が集まってきて、私の前に白と黒の欠片を積んでいった。


「白百合と黒百合……」


 名称は魔剣の欠片となっている。破損状態とかではないので、もう白百合と黒百合には直せなさそうだ。


「ありがとう、皆」


 私がそう言うと、ニュンペーの皆が次々に抱きしめて頭を撫でてくれる。そんなに悲しげにしているように見えたのかな。私としては割り切っているつもりだけど。


「ダーインさんに頼んで新しい剣にして貰うしかないかな」


 欠片を全部アイテム欄に入れておく。白百合と黒百合を魔剣にしてくれたダーインさんなら何か良い方法を知っているかもしれない。元に戻せないにしても新しい短剣にはしてくれるだろう。


「ごめんね。大事な剣を壊させちゃって」


 メイリーンが唐突に謝ってくる。シキドウジを解放して欲しいと願ったのが自分だからと考えていそうだけど、メイリーンの頼みがなくても、私はシキドウジを倒しに向かっていたのでメイリーンが気にする必要は一つもなかった。


「ううん。大事な剣ではあるけど、どのみちシキドウジとの戦いはしてただろうから、結果は変わらないよ。そういう運命だったって事」

「そう言ってくれると助かるよ。そうだ。ちゃんとお礼をあげてなかったね。ちょっと待ってて」


 メイリーンは海の中に戻っていった。待っていてと言われてしまえば、ここで待つしか無い。


「それにしても無茶するわねぇ」

「いつ挑んでも無茶でしかないなら、特に変わらないよ。今回はフレ姉もアーサーさんもいたから、勝算は十分にあったしね。ちょっと予想外の展開が多かったけど」

「ふぅん……まぁ、そうねぇ」


 アスタロトがいつも以上にベタベタしてくるのは、単純に心配していたからなのかな。いや、いつも以上ではないか。いつもこのくらいしてくるし。

 アスタロトにベタベタとされていると、メイリーンが戻って来た。その手には、一本の短剣が握られていた。


「これ使えない? シキちゃんが子供の頃に使っていた武器なんだけど」

「え? シキドウジが? それって大事なものなんじゃ……」

「シキちゃんがくれたものだけど、私は使わないから。あの剣をお墓に供えてくれるなら、こっちはハクが受け取って。シキちゃんからの迷惑料だとでも思って」

「メイリーンは良いの?」

「良いよ。私もシキちゃんを止めてくれたお礼はしたかったから」

「……分かった。有り難く受け取るね」


 子供の頃のシキドウジがくれたという事は、メイリーンとシキドウジはそのくらい長い付き合いという訳だ。だからメイリーンにとっても大事なものだと思うけど、それを託してくれた。メイリーンが言っている事は全部本音だと思う。

 シキドウジなら許してくれるという事に加えて、シキドウジが掛けた迷惑料に丁度良いって感じなのだと思う。

 多分、メイリーンも引かないだろうから、これは有り難く受け取る事にする。これなら良い短剣が出来るかな。

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