結局は蹂躙
砂漠が終わり、周囲が吹雪いてくる。またエリアが変わるらしい。今度は寒冷エリアだ。その次は温暖エリアになるのかな。ソイルを送還して、レインとグラキを戻す。
二人を抱えると、地上でボスモンスターが現れてくる。現れたのは氷城の守り手、氷霧の女王、氷界姫が現れてきた。同時に沢山の氷冷騎士が出て来る。氷界姫のスキルだ。でも、全て無駄になる。
何故なら、レインとグラキが全てを一気に倒していくからだ。環境ダメージもなく、同属性だから簡単に操る事が出来る。まぁ、私の力で環境に適応は出来るのだけど、そこら辺は私の感覚的に辞めておきたい。
そのまま身体を支配して砕く事も。そうでなくても、周囲には雪が降り積もっていり、氷の槍でも用意すれば即座に滅多刺しに出来る。それだけの力が二人にはある。
『終わった!』
「はい。お疲れ様」
元気に報告してくれるグラキを労うと、グラキは嬉しそうに私に抱きついて頬を擦り付けてくる。両手が塞がっているので、私もグラキの頭頂部に頬を当てる。これだとやっている事がアスタロトみたいかな。いや、あれの変態性と同じではないから大丈夫なはず。
そうこうしているうちに、周囲の環境が変わって熱くなってきた。下の方が雪から溶岩に変わりつつあるからだ。レインとグラキを帰して、フラムを喚び出す。
フラムは私に抱えられる事をあまり好まないので、隣に浮いていた。
『あいつらか?』
フラムがそう言ってみる地上には、溶岩の鉄鋼魚、牛頭、馬頭、焔蛇がいた。
「うん。拘束を頼める?」
『ああ』
フラムが全員を拘束したのと同時に神殺しで次々に倒していく。ステータスが大幅に上昇している状態なので、簡単に倒していける。反撃を受ける事もないし、仮に今の状態で反撃をする事が出来ても属性攻撃に限られてくるので、私には効果がない。だから、フラムが拘束してくれていれば簡単に倒せる。
全部倒したところで、またエリアが変わってくる。今度は特定のエリアではなく全体が色々なエリアに変わっていく。
それを見ながら、フラムと少し離れた場所に着地する。同時にスノウ達、エレク達、レイン、グラキ、ヒョウカ、ソイル、エアリー、ライ、メア、マシロ、イノ、ラウネ、ニクス、ホムラ、メロディ達、イレ達、ビリビリ、エン達、ソラ達、エンリュ達、ライリュ達、ヒョウラ達、ヒョウリュ達、ツチミ達、イワカゼ達、ガンエン達、スイリュ達、アイフィ達、ブラブル達、シロア達、レスト達、トトード達、ドンド達、サンゴ達、ラーケン達、ウッド達、コング達、ノム達、サンド達、ドワーム達、ラストナ達、リリン達、エンジャ達、レイキ達、コトリ達、フローズ達、メタトロンさん、ラジエルさん、ザフキエルさん、ザドキエルさん、カマエルさん、ミカエルさん、ハニエルさん、ラファエルさん、ガブリエルさん、サンダルフォンさん、サタン、ベルゼブブ、ルキフグス、アスタロト、アスモデウス、ベルフェゴール、バエル、アドラメレク、リリス、ナへマー、ルシファー、マモン、リヴァイアサン、フォルネウス、ウェパル、フォカロル、グレモリー、パイモン、フェネクスを喚び出す。
私の周りが一気に賑やかになった。まぁ、それも当然だ。全部で百以上も居るのだから、駆け寄ってくるフェネクスを抱き抱える。フェネクスは直接戦いをする訳では無く、皆の回復要員だ。因みにラファエルさんも同じように回復要員である。
それと同時に、アーサーさん、ランスロットさん、モードレッドさん、ガウェインさん、アグラヴェインさん、トリスタンさん、ベディヴィアさん、ガレスさん、ケイさん、パロミデスさん、ボールスさん、ガへリスさん、ユーウェインさん、マーリンさん、モルガンさん、ソロモンさん、ジークフリートさん、クリームヒルトさん、ロビン・フッドさん、ペルセウスさん、オリオンさん、アキレウスさんの英雄の皆が現れる。いつの間にかジークフリートも女性になっている事から、私に仕える事を選んだらしい。その状態でもクリームヒルトさんとラブラブっぽいから良いのかな。
英雄の皆も来た事で賑やかさが上がったと思ったら、エキドナさん、ハルピュイアのアエローさん、オーキュペテーさん、ケライノーさん、セイレーンのペイシノエーさん、アーグラオペーメーさん、テルクシエペイアさん、ヒュドラー、ニーズヘッグ、フレースヴェルグ、ファフニール、アンフィスバエナ、スピンクスさん、デルピュネーさん、キマイラ、パイア、ケルベロス、オルトロスまで現れた。
直後に、バーゲスト、ヘルハウンド達、パーヴァン・シーさん、デュラハンも現れる。どうやら事態を察してきてくれたみたいだ。
うん。来すぎ。過剰戦力過ぎる。だって、今から出て来るモンスターは、複数種の竜。それとラストナイト、桜花武者、クラーケン、コーラルタートルだから。
私の周囲を固めるように、フェネクス、ラファエルさん、エキドナさん、パーヴァン・シーさんが集まる。他の皆は戦いに向かった。イノが心配だったけど、メアとマシロを初めとして他にも神霊達が傍にいるので大丈夫だと思う。
怪獣大決戦どころか、一方的な蹂躙が始まった。神様も妖怪の皆も私の兵も無し。だけど、十分以上の戦力だった。
「おぉ……殲滅戦の焼き直しみたいになっちゃった……」
ボスラッシュはどんどんとボスモンスターが現れてそれを倒して行くイベント。ボス素材がいっぱい手に入るし、ボスモンスターが相手だからスキルのレベルも上がりやすい。プレイヤーの所持スキル等から難易度調整がされて、丁度よい難易度になるようになっている。モンスターの種類がボスモンスターに限定される点を除けば、殲滅戦と同じだ。多分、違いを出すためにモンスターを強化しているとは思うのだけど、それが関係ないくらいには、私が強くなりすぎていた。そして、皆も関係ないくらいには強い。
今のフェーズは、波状攻撃のようにどんどんとボスモンスターが現れる状態だ。それぞれの環境に適したボスが次々に出始めていた。混沌粘体も出ていたのだけど、ルシファーが即座に処分していた。これは本当に助かっている。ただの一方的な蹂躙だけど、悪魔の皆は本当に楽しそうだ。悪魔らしい。
取り敢えず、私は見学しているだけで良くなっているので、椅子とテーブルを作って、待機組でお茶にする事にした。戦場を見ながらのお茶。風流も風情もない。異様でしかなかった。まぁ、何度もしているから慣れてはいるのだけど。そう思うと嫌な慣れだな……




