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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
出会いを楽しむ吸血少女

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フレ姉と談笑

 八寒地獄エリアの観光を終えた私達は、ギルドエリアに戻って来た。そろそろ夕飯の時間だから、軽く諸々の確認事項を進めていく事にした。基本的には在庫確認だ。倉庫内を確認して素材で減っているものが何かを確認していく。減っている素材から、派遣先を選んで、皆に素材を取ってきて貰う。

 そんな作業をしていると、倉庫にフレ姉がやって来た。


「何してんだ?」

「倉庫の在庫から減ってる素材の確認。アカリが確認してくれるけど、私も確認しないと派遣に送る場所が決められないから」

「なるほどな。そういやアプデの話は見たか?」

「称号がなくなるやつでしょ?」

「ん? ああ、それもあるが、また大型アプデが来るってやつだ」

「知らないかも」

「まぁ、ついさっき告知があったからな。取り敢えず、夕飯を食べてからログインして来い。その時に教えてやる」

「うん」


 フレ姉ももうすぐ夕食の時間である事を知っているので、先に夕飯を食べてくるように言われた。なので、ログアウトしてお風呂と夕飯を終えてから、一度かー姉にメールをしてログインした。

 ログインから二分後に、フレ姉もログインしてきた。フレ姉がログインしてくるまでの間に、ザフキエルさんから報告書を受け取って出禁リストを更新する。今回は二人増えたくらいで、そこまで大きな影響はないかな。


「そこの集会場で良いか?」

「うん」


 精霊の集会場に行くと、イノとグラキがリラックスの上でリープと寝ていた。その周りではレイン、ヒョウカ、メア、マシロも寝ている。


「皆寝てるから、屋敷でも良い?」

「ああ、良いぞ」


 皆を起こさないように屋敷の部屋で話をする事にした。まぁ、リープはどれだけ騒がしくしてもほぼほぼ起きる事はないけど。屋敷に入ってヘスティアさんに挨拶をしてから部屋に入ると、アスタロトが寝ていた。


「ここも駄目か」

「ううん。大丈夫」


 フレ姉が別の場所を探そうとするから、首を横に振ってから、ベッドの上にいるアスタロトの頭を掴む。頭を掴まれた事で、アスタロトが一気に覚醒する。


「ほあぁ……!? しゅ、主人~!? いやあああああ!!」


 取り敢えず、問答無用で窓からアスタロトを投げ捨てた。思ったよりも飛んでいったけど、アスタロトなら大丈夫だと思う。


「これで良し」

「お、おぉ……お前が良いなら良いんだが、アスタロトは大丈夫なのか?」

「大丈夫じゃない? どうせ、すぐ戻ってくるよ」

「酷いわぁ……ついうとうとしちゃっただけじゃなぁい」

「ほらね」


 窓から上がってこようとするアスタロトを押し出す。


「フレ姉と話があるから家に戻って。命令」

「分かったわぁ」


 命令という言葉を付けたら嬉しそうに自分の屋敷に戻っていった。本当によく分からない悪魔だよ。

 テーブルに着いて早速話を始める。内容は次に来る大型アップデートだ。私が自分でしっかりと調べないから、教えてくれるらしい。まぁ、アプデしたときのお知らせを見れば良いやと思ってしまうからなのだけど。


「どうやら新しいエリアが追加されるみてぇだ」

「えぇ~、ついさっき全部見て回ったところなのに……」

「地獄もか?」

「うん。全部の地獄を観光したよ。私は閻魔さんから特赦を貰ったから、刑罰とかないんだ」

「そうなのか。なら、刑罰を受けること無く転生出来るって事だな」

「うん。でも、転生すると、今の戦闘スタイルが完全に崩れるし、現状スキルに困ってないから、転生する事はないかな」

「そうか」


 寄り道を挟んで本題に戻る。


「次のエリアだが、どうも地続きじゃないらしい」

「海を挟むって事?」

「いや、どうやら別惑星という設定になるみてぇだ。条件としては、東もしくは西のエリアを最後まで攻略する事。つまり、原生林エリアか死の国エリアって事だな。ここに酒呑童子も来ている以上、東が簡単に迎える道だろう」

「ああ……運営も新しいボスとか用意するんじゃない?」

「どうだろうな。実際に移動出来ている以上、予想された行動ではあると思う。そこら辺の対処もある程度するだろうが、酒呑童子よりはマシな相手になるだろう」


 そもそも酒呑童子はある程度の強さがないと戦ってくれないので、どのみち東側ルートが楽だと思う。黄昏エリアとか、本当に面倒くさいし。


「でも、別惑星ってどういう事?」

「さぁな。だが、これまでのエリアとは違うらしい。開拓が主になるエリアみてぇだ。古代文明の謎を追いかけるのがメインになるって書いてあったな」

「ふ~ん……」

「それと特別なモンスターも出て来るみてぇだ。これまで戦ったモンスターよりも何段階も強ぇらしい」

「神様とどっちが強いかな?」

「さすがに神様だろ」

「じゃあ、相手にはならないかな。私神様だもん」


 胸を張ってそう言ったら、フレ姉から軽いチョップを受けた。調子に乗るなという事だろう。神様でもプレイヤーである事には変わりないし。


「別惑星になるって事は、どこかしらで転移かロケットでの移動が挟まるだろうな」

「東と西から行けるって事は、ファーストタウンの裏側になるのかな?」

「かもな。どういう大きさのエリアになっているのか分からねぇが、ここでの探索は今の段階で終わりだ。恐らく第二部の始まりってところだろうな」

「ふ~ん……でも、神器もあるし、かなり余裕そうだけど……」

「それはアプデまで分からねぇぞ。開拓の要素の方が肝みてぇだしな」


 大型アプデの新要素で追加される開拓。これがギルドエリアの開拓と違う要素としてあるのかは分からない。


「ギルドエリアみたいなもの?」

「似てるかもな。だが、自分達で街を作るという事らしい。プレイヤー単位で個別エリアを設けるのかギルド単位なのかは分からねぇけどな。私としてはギルド単位で、ギルドエリアのようになってると思ってる」

「ギルドで街を作っていくって事?」

「ああ。下手すれば、作った街を襲撃するゲームになるかもしれねぇな」

「人員を集めて、防衛しながら探索を進めていくゲーム?」

「そういう事だな」


 ずっと同じ要素で遊んでいたらマンネリになるから、一気に新しい要素を追加するみたい。確かにこうしていけば長く楽しめるから良いのかもしれない。


「まぁ、このアプデはダウンロードコンテンツを買わないと出来ねぇけどな」

「えっ!? そうなの!?」

「ああ。本当に何も見ずに来たんだな。四千円近くするが、その分要素は大幅に増えるな」


 さすがに、新要素を追加するからお金が必要になるのかな。確かにほとんど別ゲーになるだろうから開発費も必要だろうし、ここからはダウンロードコンテンツにするのが一番なのかな。


「細かい調整とかは無料アプデで来るが最新要素に触れるには購入が必要だな。アプデ時期は秋頃らしいな。金はあるか?」

「うん。バイト代が入ってるから」

「そうか。ゲームやバイトも良いが、勉強もしておけよ? 推薦取れる成績みてぇだが、油断すれば落ちるぞ」

「うん。分かってる。バイトも秋までだし冬からは少しゲームの時間は減るかもだけど、推薦で合格したらまたゲームの時間取れるし」

「推薦合格したらしたで、色々と面倒な課題もあるかもしれねぇけどな。まっ、水波ほどじゃないにしても、ハクも勉強は出来るんだ。油断しなければ大丈夫だろうよ。んじゃ、私は用事があるから、これでな」

「うん。教えてくれてありがとう」

「おう」


 フレ姉は乱暴に頭を撫でてからログアウトしていった。直後、アスタロトが窓からひょっこりと顔を出してきた。


「終わったのぉ?」

「うん。終わったよ。さてと、他の街の様子とかも確認して明日に備えようか」


 アスタロトと一緒に街を見て回って問題がないことを確認してからログアウトした。

 明日はイベントがある。他プレイヤーと直接競うタイプのものじゃないから、私も十分に楽しめるはずだ。

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