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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
出会いを楽しむ吸血少女

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街巡り2

 御雷神都は、いくつもの切り立った崖の中に作られた街だった。崖と崖の間に橋を架けて行き来をしやすくしている。一番高いところに大きな屋敷みたいな建物が建てられている。あそこが皆の家かな。住んでいる人達は、神炎古都と同じく竜人っぽい。

 だけど、神炎古都にいる竜人とは少し違う感じがする。向こうが炎なら、こっちは雷って事なのかな。そんな風に思っていると、オオイカヅチさん、ホノイカヅチさん、クロイカヅチさん、サクイカヅチさん、ワカイカヅチさん、ツチイカヅチさん、ナルイカヅチさん、フスイカヅチさんと一緒にイザナミさんがやって来た。


「あれ? イザナミさん?」

「ああ。この子達は、私から生まれたからな。挨拶をしていた。では、この子に迷惑を掛けないように」

『はい!』


 皆が返事をしたのを見て、私の頭を撫でてからイザナミさんは去って行った。本当に挨拶をしに来ただけのようだ。これからはいつでも会えるから、今日に拘らなくても良いって事なのかな。


「この度は、我らの要望に応えてくれた事誠に感謝する。この街では、武力に秀でた者達が多い。それらを活かした事を手伝わせて貰いたい」

「そうなんですね。それなら丁度良いかもしれません。街の皆を集めてくれますか? この場所のルールとかを説明したいので」

「すぐにでも」


 そこから五分もしないうちに、住人の皆が降りて来たので、これまでしてきたように説明をしていく。すると、派遣や稽古の話が出て来たところで盛り上がっていた。本当に武力に秀でているらしいというか、戦う事が好きな感じかな。


「そういうわけで、皆さんにもお願いする事があると思います。ですが、ここでは安全第一。危険な事はしないようにお願いします」

『はいっ!』


 ちゃんと返事をしてくれているから、多分大丈夫だろう。監督役にランスロットさん達もいるから、そこで引き締めてくれるだろうし。師匠や師範も心とかを含めて、しっかりと鍛えてくれるだろうから。


「他にも何かやりたい事があれば要望として出してください。まずは、ここに慣れる事が初めてくださいね」

『はいっ!』


 取り敢えず伝えたい事は全部言えたかな。後の事は、オオイカヅチさん達に任せて、私達は次の街である神織の里に来た。神織の里は、本当に布の産業が盛んらしく、そこらかしこに布が干されていた。多分染色かな。環境は草原的な場所で、空気が澄んでいるようにも感じる。

 里に入ると、すぐにアメノハヅチさんが迎えてくれた。


「この度は本当にありがとうございます」

「いえ。お気になさらず。皆さんが安心して仕事が出来るようになって良かったです。一応、ここの説明をしたいので、里の皆を集めてくれますか?」

「はい。すぐにでも」


 アメノハヅチさんがすぐに里の皆を集めてくれる。里に住んでいる住人は、全員女性で綺麗な着物を着ていた。中には作業中だったのか染料で汚れた割烹着のようなものを着ている人もいる。


「お仕事中にすみません。軽く説明をしていきますね」


 あまり必要ないと思うけど、一応派遣や稽古の話もしておく。中にはしたい人もいるかもしれないからね。


「以上です。布に関する産業はうちでもやっていますので、自由に見学してください。うちにある布なども倉庫内のものに関しては自由に使って頂いて構いませんので。他にも何かあれば、要望として出してください。出来れば、皆さんが作った布をこちらでも使わせて頂ければ有り難いです。それでは、これからよろしくお願いします」

『よろしくお願いします!』


 取り敢えず、ここの事はアカリにも知らせておこう。綺麗な布が多いし、アカリのインスピレーションを刺激するような何かがあるかもしれないしね。


「それともしかしたら、神様が何人か訪れるかもしれません。ちょっとした大会のようなものがあって、色々と布を欲しているので。取り敢えず、そこだけ把握しておいてください」

「大会というのは?」


 アメノハヅチさんが訊いたので、大会の説明をしていく。すると、神織の里の皆の目付きが変わった。


「えっと、出場する場合には、ここにいるニュクスさんに出場するという連絡をお願いします。ニュクスさんが大会の運営者になりますので」

「分かりました。ですが、人数が多くなると管理が大変になると思いますので、私達は神織の里として出場します」

「承認するわ……」


 神織の里は、皆で一つの作品を作るという事にしたみたいだ。合作は許可されているので、これでも問題はない。


「それじゃあ、頑張って下さい」


 神織の里の皆は張り切って、デザイン案を考え始めた。そのためにジッと私を観察してくれている。ただ悪いのだけど、そろそろ別の街に行くから神織の里を去らないといけない。写真でも撮る事が出来れば話は変わりそうだけど、現像が出来ないためどうしようもない。それを開発してくれたら、話は別だけど。

 神織の里から治癒護守の里へと移動する。アスクレピオスさんが治めるこの里は、綺麗な清流に沿って家が並ぶ場所だった。薬草のような草が多くあり白衣を着た住人がいた。住人に決まった種族はなく、エルフや角の生えた鬼人族みたいな人もいた。

 住人の皆は薬草の状態などを確かめているようだった。環境が変わったから、なにかしらの変化があるかもしれないと考えたのかな。

 そんな中でアスクレピオスさんがこちらにやって来る。


「本当に安全な場所を用意してくれた事感謝する。おかげで、皆も安心出来るだろう」

「それは良かったです。ここにいるのは薬剤師さん達なんですか?」

「薬剤師でもあるが、医者でもある。何か困った事があれば言ってくれ」

「はい。分かりました。それじゃあ、ここでのルールなどを説明するので、里の皆を集めてくれますか?」

「ああ。少し待ってくれ」


 アスクレピオスさんが皆を呼び集めてくれるので、一通りの説明をしていく。すると、住人の一人が手を上げる。


「その派遣には我々も参加して良いのでしょうか?」

「はい。大丈夫ですが、危険なのである程度戦えた方が良いと思います」

「あ、いえ、我々が医者として同行した方が良いのではと思いまして」

「あっ……なるほど……」


 ヒーラーの同行。これは、皆の生存率を大幅に引き上げる事に繋がる。その分守る対象が増えるけど、精霊の皆や妖精の皆も派遣に参加して貰う事が出来るから、護衛に割く戦力も出来るはず。


「では、同行しても良いと考えてくれている方は、稽古で最低限の護身術を身に付けて下さい。その方が私も安心してお任せ出来るので」


 取り敢えず、これだけは譲れない。最低限身を守る術を身に着けておく事は、生存率の上昇に不可欠だから。皆それを理解してくれたようで頷いていた。取り敢えず、治癒護守の里は大丈夫かな。

 それじゃあ、どんどんと次の街に行っていこう。

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