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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
出会いを楽しむ吸血少女

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ニュクスさんの子供達2

 タナトスさんとヒュプノスさんの挨拶が終わると、続いて、タナトスさんやヒュプノスさんよりも少し背の高い男の神様が来た。


「私はモロス。死の運命を司る神だ」

「ハクです。よろしくお願いします」

「ああ。君は死の運命を受け入れていないようだが、それは何故だ?」


 これって、プレイヤーがリスポーンする事を言っているのかな。何故と言われても、正直どう答えれば良いのか分からない。ゲームシステム的に完全な死を迎えないってだけだしね。


「分かりません。気付いたらそういう身体でした」


 こう答えるのが一番かなと思って言った。すると、モロスさんは、少し考え込み始めた。ここら辺は考えても仕方ない事なのだけど、これ以上は何を言えば良いのか分からないので、このままにしておく。


「そうか。災難だったな」


 モロスさんはそう言って、私に祝福を授けた。何だろう。同情して貰った感じだけど、ちょっと騙している感もあるから罪悪感がある。


────────────────────


【死の運命の神の祝福】:即死効果を持つスキルで倒したモンスターの不死姓を無効化する。控えでも効果を発揮する。


────────────────────


 倒しても復活するモンスターは、【死神鎌】で倒せば復活しないようになるみたいな祝福かな。酒呑童子とかと再戦する時は、【死神鎌】を使わないように気を付けよう。

 モロスさんは祝福を授けると、ニュクスさんに一礼して、そのまま帰って行った。本当に私に挨拶をしに来ただけだったみたい。

 次に来たのは、黒い翼を生やした男性の神様だった。


「こんにちは、母上」

「ええ……元気そうね……オネイロス……」

「はい。君が新しい妹だね。僕の名前はオネイロス。夢の神だよ」

「ハクです。よろしくお願いします」

「ああ、よろしく。君は、よく寝る子みたいだね。夢を見るのは良いことだ。時に僕達からのメッセージを受信出来る子もいるくらいだからね。君が良き夢を見られる事を祈っているよ」


 そう言って、オネイロスさんは祝福を授けて去って行く。


────────────────────


【夢の神の祝福】:睡眠状態になった際、自身の周囲に人型、獣型、物体型の霊が召喚され、自身を守る。控えでも効果を発揮する。


────────────────────


 睡眠状態になった時に守ってくれる存在が出て来るらしい。これが気絶状態でも働いてくれると嬉しいけど、睡眠状態と明言されているから無理なのかな。

 そんな事を思っていると、スキンヘッドの男性の神様がやって来た。目付きがちょっと怖い。


「母上、お久しゅうございます」

「ええ……モーモス……疲れているわね……」

「とんでもない。ここ最近は、十分に休めているくらいです。主が母上が気に入られた者か」

「ハクです。よろしくお願いします」

「うむ。主は、この世に完璧なものがあると思うか? 絶対に非難されぬものが存在すると思うか?」


 どういう質問なのか分からないけど、パッと思いついた答えを言う。


「いえ、この世に完璧なものはないと思います。だから、完璧を目指すんだと思います。より良いものを目指し続けて」

「ふむ。面白い。自身の意見に異を唱える者がいればどうする?」

「話を聞きますかね。自分が間違っている可能性はゼロではないので。反論には反論で返す事もありますけど、間違いを認めたくないというよりは、こちらの意見を正しく伝えるために訂正すべきところは訂正するという感じでしょうか?」


 疑問形になったのは、自分の考えに自信が持てなかったからだ、正直、実際にそうなった時にこういう風に出来るかどうかも分からないし。言ってしまえば、自分が思い付いた理想というところだろう。

 でも、モーモスさんは、それで気に入ったみたいで、満足そうに笑っていた。


「若干理想が強いところがあるが良いだろう」


 モーモスさんはそう言うと、私に祝福を授けて去って行った。


────────────────────


【非難の神の祝福】:NPCに対して非難する際、その説得力が上昇する。控えでも効果を発揮する。


────────────────────


 NPCに対する祝福だった。これは、本格的に普通の街で人と話せって言われているのかな。まぁ、確かに普通のクエストとかを一切受けていないし、そういうところに目を向ける時が来たのかもしれない。新エリアの探索が終わったら考えておこう。

 次に来たのは、三人の女神様だった。黒い髪の女神様達は、それぞれ特徴的な事があった。何か悩んでいるような女神様。狡猾そうな女神様。フレイヤさんとアフロディーテさんのような気配を漂わせて妖艶な雰囲気を持つ女神様だ。


「オイジュス……アパテー……ピロテース……元気だったかしら……?」

「え、ええ、元気ですよ、お母様」

「勿論。退屈はしておりましたが」

「そうですねぇ。元気ですわぁ」


 ニュクスさんに挨拶した後は、私を囲んでくる。常に背後から私で遊んでいるネメシスさんを加えて、四人に囲まれている事になる。この状況でも普段から似たような状態を経験しすぎて、何も動じなくなっている自分が恐ろしい。


「ハクです。よろしくお願いします」

「よ、よろしくね……最近悩みがあるの……?」

「えっ? 悩みですか? まぁ、将来の事で悩んでいる部分はありますけど」

「あまり悩み過ぎないようにね……私が言えた話じゃないけど……」


 オイジュスさんは、そう言いながら落ち込んでいく。私よりも悩みを抱えていそうだった。そんなオイジュスさんを遮るようにして、アパテーさんがジッと私を見る。


「君は正しさを重視していそうな感じがするね。正義の人……いや、それだけではないな。正しさのためなら自分や誰かを騙す事に躊躇いがない。そんな感じかな。全く最初から最後まで悪意で満ちていれば面白いものの」

「あはは……中途半端でごめんなさい」

「全く素直な良い子だね。お母様が気に入るわけだ」


 アパテーさんは、やれやれという風に両手を挙げながらそう言った。

 最後にピロテースさんが、私の頬を撫でながらうっとりとした目で私を見る。


「魅力的な子ねぇ……色欲を所持者というのも頷けるわぁ」

「ありがとうございます?」

「ふふ、お礼を言われるような事は言っていないわよぉ。可愛いわぁ」


 ピロテースさんは、そのまま頭を撫でてくる。色欲の所持者だからか、ピロテースさんが気に入ったみたい。色欲の関係者なのかな。オイジュスさん、アパテーさん、ピロテースさんは、次々に祝福を授けると、私を撫でてから去って行った。


────────────────────


【苦悩の神の祝福】:自分以外の対象を混乱状態にさせやすくなる。控えでも効果を発揮するようになる。


【欺瞞の神の祝福】:NPCを騙しやすくなる。不正などを感じ取りやすくなる。控えでも効果を発揮する。


【愛欲の神の祝福】:牧場内の動物やテイムモンスター達が交配しやすくなる。控えでも効果を発揮する。


────────────────────


 オイジュスさんの祝福は、普通に状態異常系だから良い祝福と言えるけど、アパテーさんの祝福はどういう場面で使うのか分からない。まぁ、邪聖教を騙して情報を吐かせるとかが楽に出来るとかで使えるかな。無理矢理聞き出す事も出来なくはないけど、スムーズに出来るなら、そっちの方が良いしね。

 そして、ピロテースさんの祝福は、割と重要かもしれない。テイムモンスターの交配というところで、テイムモンスターの卵が手に入るようになるかもしれないし。どういう風に交配するのかは分からないけど。

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