表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
東方の守護者の吸血少女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

491/881

一番厄介な相手

 そこから二度の戦闘を経て、ようやく中央に辿り着いた。そこでは大規模な戦いが繰り広げられている。私が倒していたのは、そこから逃げ出したプレイヤー達だったのかもしれない。ついでに、時折、口の中に血の味が広がる。私の分身体がプレイヤーを吸血しているのだと思う。そのせいでスキルも増えていく。まぁ、そこの整理はイベントが終わってからにしよう。

 私は血刀を出して、遠くで別方向を向いている男性プレイヤーの心臓に向かって刀身を勢いよく伸ばす。急に胸を貫かれたプレイヤーは、ゆっくりとこちらを振り返るが、すぐに動けなくなった。毒を付けていたので、猛毒と麻痺、沈黙状態になる。血刀の特性上、刀関係から大きく逸脱した形状にする事は出来ない。でも、少し形を崩して、相手を拘束する事くらいは出来る。そうして拘束したプレイヤーごと刀身を引き戻す。その途中で刀身を血刀から分離。慣性に従って飛んでくるプレイヤーの首を斬って倒した。


「刀身を伸ばすのは、良い感じかな。でも、黒百合と白百合で【共鳴】を使った方が楽かな」


 そんな風に分析していたら、周囲のプレイヤーの視線がこっちに向いた。隣にいたプレイヤーが急にいなくなったのだから、その後を追ってくるのは当然かもしれない。プレイヤー達の一部が私に向かって駆け出してきた。


「いや、隣にいるプレイヤーと戦いなよ……」


 仕方ないので迎え撃つ。【雷化】で背後に回り、一人のプレイヤーを背中から斬る。血刀には、毒が付与されているので、斬った相手は猛毒、麻痺、沈黙、呪い状態になる。そのプレイヤーは下から石の杭を作り出して、滅多刺しにして倒す。それを踏み台にして、他のプレイヤー達が襲い掛かってきた。

 私は血刀を振う途中で刀身を急激に伸ばして、プレイヤー達を一気に斬った。全員が猛毒、麻痺状態になり地面に倒れたので、【炎竜王息吹】と【竜神息吹】を重ね合わせて倒し尽くした。

 すると、背後から嫌な予感がして、血刀から黒百合に入れ替えて背後に持っていく。直後に、衝撃が黒百合を襲う。金属同士がぶつかり合う音が響いて、私は前に吹っ飛ぶ。地面に片手を突いて、ハンドスプリングの要領で脚から着地する。


「あらら……気付かれちゃったか」


 そこにいたのは、刀を持ったソルさんだった。


「久しぶりだね」


 そう言いながら、ソルさんは襲い掛かってくる他プレイヤーの攻撃を避けて、その首、胴、心臓を正確に斬っていった。そして、最後にその身体を蹴り飛ばして倒していた。装備からして初心者に近いプレイヤーだったのかな。可哀想に。

 まぁ、良い感じで私から視線が逸れたから、ソルさんに向かって銃弾を撃ち込む。ソルさんは、それを的確に弾き飛ばしていった。


「えぇ~……」

「銃は効かないよ。それくらいなら斬れるから」

「何で斬れるんですか……」

「まぁ、身近に銃を使う幼馴染みがいたからね。大体の銃弾の動きは分かるよ」

「えぇ~、じゃあ、このゲームでも同じように銃を使ってるんですか?」

「あぁ……ううん。十年くらい前に別の世界に行っちゃったから」

「あっ……ごめんなさい」

「ううん。私達も乗り越えたつもりなんだけどね。やっぱり、どこかで引き摺っちゃってるんだと思う。はい。暗い話は終わり。せっかく久しぶりに戦えるんだから、しっかりと楽しもう」

「え、あ、はい」


 ソルさんが刀を構え、私は双剣を構える。そして、二人で同時に【雷化】を使って、互いに距離を詰めて、双剣と刀がぶつかり合う。それと同時に、【支配(力)】でソルさんの刀に上方向の力を与える。

 刀が自分の意思とは違う方向に向かっていくのを感じたソルさんは、即座に刀を手放し、私の懐に潜り込んで襟首を掴んだ。そして、そのまま流れるように私を投げ飛ばす。私はわざと勢いを止めずにそのまま中央に建つビルの中に突っ込んだ。中で慣性を殺して、奥に引っ込む。


「本当に適応力が高いなぁ……そういう部分では他のプレイヤーの追随を許さない気がする」


 建物に入ったところで、他のプレイヤーが襲い掛かってきた。この中に立て籠もっていたらしい。細剣を突き出してくるので、ギリギリで避けつつ、肘から断ち、その首を掴んで【黒腐侵蝕】を使いながら、近くの壁に叩き付ける。


「ぐえっ……」


 その身体をコンクリートに埋めて、そのまま【完全支配(土)】と【支配(力)】で圧殺する。その間に、こっちまで来たソルさんが刀を振ってくる。ソルさんの刀は、コンクリートを易々と斬り裂く。


「前より切れ味が良いような……」

「【刀】の最終奥義みたいなやつで【斬鉄剣】っていうスキルだよ。金属でも石でも関係なく斬る事が出来るようになるってやつ」

「えぇ……聞いてない……」

「まぁ、ハクちゃんは二刀流があるでしょ?」


 私の【二刀の極み】は、【刀】と【双剣】の最終形態だ。だから、ソルさんが持っているようなスキルは手に入らない。残念だけど、私は私で最終形態を手に入れているから、師匠に文句を言う事も出来ない。

 こんな話をしながらも、私とソルさんは互いに刀と双剣で攻撃し合っていた。そして、少しずつ上に登っていく。これは、私から動いている事だ。そうして瓦礫を増やしていき、ソルさんの背後から瓦礫を殺到させる。ソルさんは、簡単に瓦礫を斬り裂いているので、あまり時間稼ぎは出来ないと思うけど、そのまま先に上へと向かっていく。上に潜んでいたプレイヤー達が攻撃してくるけど、武器をあらぬ方向に飛ばして、丸腰になったところを滅多斬りにしていった。

 ただ、そんな事をしていれば、ソルさんが追いついてくる。でも、それは私の狙いでもあった。こっちに突っ込んでくるソルさんに、糸を纏わせていく。ソルさんは、糸を切ってくるけど、私は構わずに糸の量を増やしていく。そして、その糸を【黒糸】で強化して斬りにくくした。それでも、ソルさんは簡単に切ってくる。【斬鉄剣】の効果は、【黒糸】にも影響しているのかな。

 そんな風に続けていると、ソルさんが一旦後ろに下がった。そして、刀を鞘に納める。私は、黒百合と白百合を組み合わせて、血液と水で大盾を作った。そこに、【抜刀術】を使ったソルさんの攻撃が命中する。ソルさんの攻撃を感じた瞬間に、その攻撃に対して無意識に上へと向かうように力を付与していた。そのおかげで、攻撃の衝撃は上へと逃げていき、ビルの上の方が一気に破壊された。

 本当は、もう少し上に行ってから、私がやろうと思っていた事だった。


「仕方ないか……」


 私は、まだ壊れていないビルの下部分を【完全支配(土)】と【支配(力)】で破壊する。そうして、足場を消した後、大量に出来た瓦礫をソルさんに向かって集中させる。そして、瓦礫に糸を掛ける事で、不規則な動きにさせる。

 ソルさんは、それを的確に斬ったり、弾いたりして防いでいた。なので、【神炎】【神雷】を一気に解放して攻撃する。ソルさんは、私が操る瓦礫を足場にして跳び回り、私の攻撃を避けていった。本当にソルさんはあり得ない動きを平然としてくる。順当な攻撃で圧倒してくるフレ姉とは別の意味で厄介な相手だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ