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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
東方の守護者の吸血少女

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洞窟の奥の霊像

 レインが海に集中して洞窟を探っている間に、私も海底を調べて行く。どうせだから、【完全支配(土)】を収得しておく。これで、より広くより正確に調べられるだろうし。


────────────────────


【完全支配(土)(ランク5)】:全ての土や石、金属に関するものを完全に支配する。土や石、金属で武具の生成、強化が可能となる。使用出来る土や石、金属の量が無制限になり、生み出す速度が増す。控えでも効果を発揮する。


────────────────────


 感知範囲は広がったけど、すぐに洞窟を見つけられるわけもなかった。頼みはレインだけだ。


『見つけた! 二ヶ所とも見つけたよ!』

「おっ、ありがとう、レイン」


 レインを撫でてお礼を言ってあげてから、レインに案内して貰う。最初に向かうのは沖の方にある洞窟だ。

 レインに案内された場所には特に何も無い。一面砂が埋め尽くしているように見える。でも、ここまで近づけば私にも場所が分かった。洞窟は砂の中に埋まっている。これだと普通には見つけられない。


「本当に、ここの運営って隠し要素好きだよね……」

『?』

「ううん。何でもない。中は水で満ちている感じだよね?」

『うん。奥まで詰まってるよ。だから、このまま泳いで行けると思う』

「オッケー」


 まずは、周囲の砂を退かしていく。洞窟の入口は横穴になっている。その正面に砂が積もり、更に周辺と同じように砂が積もっているために、絶対に見つけられないだろうという構造になっていた。

 砂を退かして洞窟の中に滑り込めば、後は放っておいても、私達が埋まる事はない。洞窟の中は結構複雑そうなので、魚の眷属を生み出して、マッピングだけは完璧にしておく。


「取り敢えず、一番奥に行ってから、他の怪しい場所も調べるって感じで」

『うん!』


 レインに引っ張って貰って最速最短で最奥まで移動する。その行程の中で、壁の中に隠し部屋が存在しないのか探りを入れておいた。ここでは最奥に至るまで、特に隠し部屋の存在を感じ取る事はなかった。そして、最奥には宝箱が置かれている。


「水の中の宝箱って、中身が濡れないか心配になるんだよね。空気を持ってくるにしても、距離があるし、また血に入れるか」


 周囲を血で埋め尽くしてから、宝箱を開ける。そうして宝箱の中身を血液の中に仕舞う。


「中身は……【水中発声】のスキル本か。これはアカリにあげよう。ここにくれば、水中での活動で、仲間と意思疎通が図りやすくなるってかんじなんだろうなぁ。レイン。他の行き止まりにも行ってくれる? 超スピードで」

『うん。分かった』


 レインに引っ張られて、どんどん行き止まりの探索を済ませていく。あるのは、空気ポケットなどの休憩スペースくらいで、特に大きな収穫は無かった。そのままもう一つの洞窟へと向かう。ちょっとした崖になっている場所の下。かなり深くに行くと、洞窟があった。前はなかったような気がするので、追加された場所って感じなのかな。


「さっきと同じでいこう」

『うん』


 魚の眷属をマッピング用に放って、私はレインと一緒に最奥を目指す。その中で、また隠し部屋がないかを探しておく。でも、特に隠し部屋のような場所は見つからない。結構限られた場所にある感じなのかな。寧ろ、これまで見つけられていたのが、運の良かったって事なのかな。

 魚達がマッピングしてくれる地図を見ながら、洞窟の全貌を把握していると、ここの洞窟はそこまで大きな場所ではないと分かる。ただ、深い洞窟ではある。中々最奥に着かないからだ。


「レイン、結構奥まで続いてる?」

『うん。というか、一本道なのに、ぐねぐね曲がりすぎかも』

「ああ、なるほどね」


 確かにさっきから軽いカーブなどを繰り返している気がする。そういう事もあって、余計に長く感じているのかもしれない。そうしてようやく着いた場所は、結構広い空間だった。

 球状の空間の中心に祈りの霊像が立っていた。


「あっ、でも、レインがいるからなぁ」


 ここでウンディーネに二人にするという事も出来なくはないと思う。アカリのミルクとシルクみたいに同種のモンスターでも普通にテイム出来るようになっているのは間違いないからだ。でも、それが精霊で成り立つかと言われると、どうなのだろうと思う。


「まぁ、やるだけやってみようか。取り敢えず、藻を落とすところからだね」

『うん!』


 ここの祈りの霊像は藻に覆われてしまっているので、藻をどんどんと落としていく。そうして、最後に【神水】で祈りの霊像を洗い上げる。すると、祈りの霊像に罅が入り、一気に崩れた。これでウンディーネが出て来ると思ったら、水色の光がその場に浮いていた。


「あれ? どういう事?」

『分からないよ』


 水色の光は、そのまま私に近づいてきて、私の中に入っていった。それだけで、特に変化はない。


「……何か変わったかな?」

『ううん。いつものお姉さんだよ?』

「そっか……何だろう? また何かしらの条件を満たしたら、新しい何かが手に入る感じかな。それまでの間は楽しみに待っていろと。お待たせ要素との遭遇率が高すぎる……」

『お姉さんも私みたいになるのかな?』

「ウンディーネにって事? これ以上私に要素が追加されると……でも、どちらかと言えば、水の精霊というよりも血の精霊になりそうだけどね」


 血の精霊とか名前からして物騒すぎるからない方が嬉しいけど、今の光を手に入れる事が精霊としての格を上げる条件だとすれば、これで変化が無い以上、更なる光を探す必要がある。

 これまでは、結構分かりやすい場所にあったり、光に直して貰ってギリギリ使う事が出来たりしたけど、ここからは隠された祈りの霊像を探さないといけないとかだったら、結構長くなりそうだ。


「このままレインが強化とも考えられたんだけどね」

『また進化?』

「神霊の先? 一体何になるんだろうね。てか、二段階進化は有りなのかな……」


 神霊の先になったら、神になるか精霊女王辺りになりそうな気がする。というか、精霊女王は実在するのかな。血瓶でしかその存在を知らないけど、本当に存在するのなら、どういう属性の精霊になるのか気になる。まぁ、順当にいけば全属性になるのだろうけど。


「取り敢えず、他の行き止まりを探索しようか」

『うん!』


 他の行き止まりを見ていったけど、ここでも空気ポケットがあるだけだった。私みたいに水中で呼吸が出来るような化物じみた能力を持っていれば余裕で来られるけど、普通はこういうところで空気を補給しないと進めないようになっている。割と親切な設計だけど、精霊を見つけるに至ってはいない。

 精霊なんて見つけた日には、すぐに掲示板に書き込むプレイヤーだっているだろうし、アカリとかからそういう話を聞いたりはしないから、見つかっていないという風に考えられた。

 今日は、まだ時間があるので、次の街でも【降霊術】をしに向かう事にした。次は神桜都市だ。ついでに、サクヤさんに挨拶もしておこうかな。

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