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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
東方の守護者の吸血少女

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湿地の遺跡の隠し部屋

 ソイルと一緒に遺跡まで来た。全体のマッピング自体は出来ているので、蝙蝠達も分身体も出す必要はない。


「こうしてスキルが揃ってから来ると、前とは違う印象だなぁ。ここ結構隠し部屋があるよね?」

『うん……隙間もあるから……何かしらの……機構があると……思うよ……』


 前に来た時は、罠一杯の面倒くさい場所という印象だった。それ以外に何も要素がなかったし。でも、石材で出来たこの場所に【支配(土)】を持って来ると、その印象が一変する。ここは、隠し部屋が異常に多い。


「ここが罠だらけの理由って、隠し部屋の仕掛けに気付かせないためだったのかな? 壁に手を突いたら罠が飛んでくるかもしれないって思っちゃうし」

『罠……?』


 ソイルは、ここに来た事がないので首を傾げている。


「うん。ここって、足元に罠のスイッチが沢山あるんだよ。前に来た時は、どんどん罠に引っ掛かっちゃって、色々と大変だったんだ。でも、今は、空中に浮けるから、罠を完全に無視して行けるんだよね。こういうとき、【浮遊】があるのは助かるよ。ソイルも、足を床に着けないようにね」

『うん……』

「一応、万全を期してエアリーを喚ぶかな」


 念のため、エアリーも召喚しておく。ソイルだけでも問題はないと思うけど、一応ね。


「エアリー、隠し部屋を探していく感じでいくから。床には触らないようにね」

『はい。罠ですね』


 エアリーは状況の把握が早くて本当に助かる。【浮遊】で浮いて、遺跡の中に入っていく。【支配(力)】で自分に力を与えれば、【浮遊】での移動速度も上がる。羽を広げるには、遺跡の通路は狭いし、【浮遊】による移動が一番楽だ。


「エアリーは、隠し部屋の位置は分かる?」

『ある程度であれば分かります。厄介な事に扉の仕掛けにも罠があるようです』

「そうなの?」

『はい。紛らわしいですが、床の仕掛けを押しながら、壁の仕掛けを押さないといけない場所などがあります』

「何それ……ソイルは分かる?」

『うん……ちょっとだけ……』


 結構ややこしい仕掛けが張り巡らされているみたい。罠だらけの遺跡ならではみたいな感じなのかな。ソイルではよく分からない仕掛けもあるみたいだから、エアリーを喚んでおいて良かった。ここら辺は、精霊達の性格などが関係していそうなので、ソイルが分からなくても構わない。メアなら適当に押して罠を出しまくりそうだし。


「まずは……ここだね。感覚的には、壁の仕掛けを押せば開きそうだけど」

『うん……それで……大丈夫……』

『その周囲に罠も紛れていますので、お気を付け下さい』

「オッケー」


 一番手前にある隠し部屋だし、そこまでややこしい仕掛けではない。単純に壁の一部を押せば良いだけだ。面倒なのは、押せる場所が複数ある事。押す場所を間違えれば、罠が発動する。まぁ、ここの罠くらいなら簡単に止められるけど、引っ掛からない方が良いに決まっている。

 正解の場所を押して、隠し部屋を開く。その隠し部屋は、研究室のような感じだった。


「おぉ……宝箱があるだけだと思ったのに……」

『紙が落ちていますが、書いてあるのは図形くらいですね』

「図形……う~ん……設計図かな? アカリに見せれば何か分かるかもね。他には何かある?」

『こっちに……宝箱……』


 ソイルが見つけた宝箱は手のひらサイズの小さなものだった。何かしらの小物が入っているのかな。


「鍵は……掛かってるね。まぁ、これくらいなら、ちょちょいのちょいで……開いた!」


 宝箱を開けると、中には何かの鍵が入っていた。


「エアリー、鍵を使う部屋は分かる?」

『この部屋にあります。向こうの本棚の裏です。中身までは分かりませんが』

『私も……分からない……阻害されている……感じ……』

「力を阻害するって事は、それだけ厳重な金庫か何かって事だね」


 そう言いながら、本棚に力を付与して退かす。手で触れないでも、物を簡単に移動させられるというのは本当に楽だ。ちょっと本棚が壊れそうになったけど、壊れていないからセーフ。その本棚の裏には、エアリーの言うとおり金庫があった。鍵穴も手に入れた鍵とぴったり合う。

 鍵を開けて中を見ると、そこには本が一冊入っていた。本の題名は、禁断の魔法薬という名前だった。ポーションとかそんな感じのものかな。軽く読んでみたけど、化学の参考書みたいな感じで大量の文字や図形などが書かれている。ボロボロだから随分昔のものみたいだ。


「う~ん……内容は分かるけど要らないな。アカリにあげよう」


 伸び悩み中のアカリの突破口になったら嬉しいな。まぁ、もう読んでいる可能性もあるけど。魔導大図書館の奥の方にある可能性はあるし。


「本見て思い出した。あの図書館の権限も上げないと。まぁ、あれは後回しでも良いか」


 ここの部屋には他に何もなかったので、次の場所に向かう。次からはただの部屋ではなく、宝箱が置かれていた。最初の部屋が特殊だったみたいだ。宝箱には、普通に素材やお金などが入っていた。序盤の隠し部屋だからか、そこまで良いものは入っていないみたい。てか、扉の開け方が怠い。同時押しや順番押し、一定時間に全ての仕掛けを押すなど、本当に面倒くさいものばかりだった。さすがのエアリーもそこら辺の判別はし辛いようで、皆で話し合って、どの種類かを考える事になった。

 そうして、どんどんと下っていくと、一番下の階にある最後の隠し部屋まで来られた。


「あれ? ここの隠し部屋……今までで一番でかい?」

『うん……そっちの部屋より……大きいよ……』


 ボスエリアになる部屋よりも大きな部屋が隠されている。ここには、何かしらの情報が眠っていそうだ。


「エアリー」

『これは……こちらの床とそこの壁を押すと開きそうです』

『私も……そう思う……』

「オッケー……何で、こんなゲームみたいな事をしないといけないんだか……」


 足を目一杯伸ばして床を踏み、手を伸ばして壁を押す。すると、壁が開いて中に入れるようになる。中には、五つの宝箱が並んでいた。


「上みたいな部屋じゃないんだ」

『でも……宝箱……大きいよ……』

「だね。何か良いものが入っていると良いけど」


 一つ一つ解錠して中のものを貰っていく。中に入っていたのは、大量の素材とお金だった。


「う~ん……レア度は高そうだけど、素材とお金だけか」

『お姉ちゃん……もしかしたら……大泥棒の……収集品……かも……?』

「ん? う~ん……上の部屋はともかく、こっちはその可能性があるね。本当の収集品は、日記には書かないか。なるほどね」


 結局、一番の成果は土精霊の聖杖になるかな。ここで見つけたものに関しては、ぜんぶアカリに渡す事にする。私よりも有効活用してくれるだろうからね。今日の探索はこれで終わり。次の土曜日には、また別の場所で【降霊術】を使おう。平日は、魔導大図書館の権限レベルを上げる事にする。

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