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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
東方の守護者の吸血少女

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ツンデレ?

 翌日。早めにログインした私は、ギルドエリアの屋敷に来ていた。昨日、ヘスティアさんと約束していたので、今日はヘスティアさんの神界に向かう。そのために、ヘスティアさんの部屋へと来た。


「こんにちは」

「こんにちは。もう準備は良い?」

「はい」


 特にする事もないので頷く。


「それじゃあ、手を出して」


 ヘスティアさんと手を繋ぐと、すぐに前と同じエレベーターで一気に上がるような感覚を経て、神界へと移動した。

 ヘスティアさんの神界は、山が多く、荒野も目立つけど、豊かな自然も見える。


「ここがヘスティアさんが住む神界……」

「うん。後ろが、私の家ね」


 そう言われて振り返ると、中央に炉がある普通の家があった。


「意外と普通なんですね」

「私はそこまで煌びやかにはしていないからね。そして、私達がいるこの山がオリュンポス山。オリュンポス十二神がいる山だよ」

「へぇ~……ん? そこに家があるって事は……」

「正解! 私もオリュンポス十二神で~す」


 そういえば、ネットにもそんな事が書いてあったような気がする。神話に関しては、色々な説があったりしてよく分からなくなるので、深く調べていない。だから、実際の神話との違いとかも私には分からない。


「ふむ。【神力】の封印は解けたようだな」

「あっ、ポセイドンさん」


 ヘスティアさんと話していたら、急にポセイドンさんが現れた。まぁ、普通に近づいてきていたけど、気付かなかったってだけだと思うけど。相変わらず筋骨隆々のお爺さんだった。


「ヘスティアが連れてきたのか」

「まぁね。他の神界にも行けたみたいだから。あなたも感じていたでしょう?」

「うむ。他の神々とは異質な存在だからな。すぐに気付いた。主だと、すぐに気付いたがな。【神力】の解放記念に儂も祝福を与えるか」

「えっ!?」

「心配要らん。【海神のお守り】を祝福に変えるだけだ」


 そう言って、ポセイドンさんは祝福を授けてきた。ポセイドンさんが言った通り、【海神のお守り】が変化する形だ。


────────────────────


【海の神の祝福】:水中での呼吸が可能となり、自由自在に動き回る事が出来る。一部モンスターから敵対認識されなくなる。敵対認識の効果は、パーティー内で共有となる。MPを大きく消費して、全て貫き破壊する水で出来た三つ叉の槍を撃ち出す。控えでも効果を発揮する。


────────────────────


 強力な一撃がどんどん増えていくけど、適切に使い分ける事が出来るかが心配だった。ただでさえ、スキルが多すぎて、ちゃんと使えていないのに。


「ありがとうございます」

「うむ。野蛮な神もいるからな。なるべくヘスティアの傍を離れない事だ」

「分かりました」


 ポセイドンさんは祝福だけ授けると、そのままどこかに行ってしまった。それだけが用事だったみたい。


「自分も粗野で狂暴なくせにね」

「そうなんですか?」

「うん。まぁ、ハクさんが謙虚だからかな」

「こんなに沢山の祝福を貰っているのに、謙虚なんでしょうか?」

「それで驕り高ぶらないっていうのが謙虚って判断される理由かな。まぁ、そんな事より色々と歩き回ってみる?」

「あ、はい。でも、私がうろちょろして良いんでしょうか?」

「私が一緒にいれば大丈夫」


 ポセイドンさんもヘスティアさんと一緒にいるように言っていたし、ヘスティアさんと一緒に歩き回る事になった。そんな矢先、正面から胸当てなどの鎧の一部を着た綺麗な女性の神様が、こっちに向かってきていた。


「あっ、アテナ、久しぶり」

「久しぶり。それで、その子は何?」


 綺麗な声をしているその神様は、アテナさんと言うらしい。


「私が顕現するための手伝いをしてくれた子。前に言ったでしょ?」

「そう」


 アテナさんは、ジッと私を見てくる。フレイヤさんやアマテラスさん並みに綺麗な顔なので、若干緊張する。


「まぁ、ヘスティアが連れてきたなら大丈夫だと思うけど。大罪に飲まれないように」

「あ、はい。頑張ります」

「……随分素直な子ね」

「良い子でしょ?」

「まだ分からないでしょ。それじゃあ、私は神殿にいるから。何かあったら来て」


 そう言って、アテナさんは離れていった。


「綺麗な神様でしたね」


 正直に思った感想をヘスティアさんに言った瞬間、アテナさんが立ち止まった。それを見たヘスティアさんはニヤニヤとしていた。


「そうだね。アテナは、とても綺麗な神だけど、それだけじゃなくて、とっても強いの。平和を守るために戦う高潔な神なの」

「へぇ~、美人で強いなんて凄いですね。それに守るために戦うのも格好良いです。私が会った強い神様達は、大体勝負を仕掛けてきていたので……って、トールさんは一方的に攻撃してきた感じでしたけど。唯一違ったのは、タケミカヅチさんくらいですかね」


 スサノオさんもトールさんもほぼ一方的に勝負を仕掛けてきていたので、強い神様は大体そんな感じなのだろうと思っていた。タケミカヅチさんも、興味はあったっぽいしね。理性で抑えてくれていたみたいだから、本当に有り難い。


「やっぱり強い神様だからと言って、好戦的とか限らないですよね」

「当たり前でしょ。私を野蛮なアレスと同じにしないでちょうだい」


 いつの間にかアテナさんが戻って来ていた。アテナさんは、ちょっとだけ顔を赤くしていた。私とヘスティアさんの会話が聞こえて照れているのかな。そこはちょっと可愛い。見た目は綺麗で格好良いけど。


「気分が変わったわ。私も一緒について行ってあげる」

「えっ? 何か用事があったのでは……?」

「そんなものないから。私がいたら気まずいと思っただけ。でも、あなたは、そういう事を気にしなさそうだからついて行ってあげるって言っているの。ヘスティアだけじゃ心配だし」

「そうですか……心強いです」


 私がそう言うと、アテナさんはそっぽを向いた。でも、微かに見える口角が上がっているので、気分を害したわけではないと分かる。

 そんなアテナさんの様子を見て、ヘスティアさんがクスクスと笑う。それに対して、アテナさんがジロっと睨む。そんな視線を受けても、ヘスティアさんはニコニコと笑っていた。


「何?」

「何でも。可愛いやり取りだなって思っただけ。ほら、案内してくれるんでしょ?」

「全く……でも、どこから見せれば良いのかしらね」

「ああ、それね。私も迷ったんだけど、ヘラと会ったらどうかなって」

「ヘラ様に? あぁ……なるほど。確かに、先に会っておいた方が良いかもしれないわね」


 二人はそう話して互いに納得していた。ヘラという名前には、心当たりがある。確か、ギリシャ神話の主神であるゼウスの奥さんだったかな。それ以上はよく知らない。でも、二人がこう言うという事は、ちゃんと会っておいた方が良い神様なのかもしれない。

 二人に挟まれるようにして、私達は移動していった。

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