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吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
因縁に決着をつける吸血少女

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極端な選択と結果

 光が収まった時、目の前からスケルトンキメラは消失していた。マシロの力が、一気に全ての核を破壊したみたい。


『お姉様!』


 エアリーの声を聞いて、すぐに何が言いたいのか分かった。何故なら、エアリーは常に死霊術士を攻撃していたから。エアリーが、大きな声で私を呼ぶという事は、死霊術士に攻撃が命中したという事。

 即座に【電光石火】を使い、死霊術士に突っ込む。双血剣を大槌に変え、影と光、雷を纏わせた一撃を叩き込む。


「ふんっ!!」


 死霊術士の身体に思いっきり叩き込む事が出来た。死霊術士のHPも削れる。さっきのスケルトン戦があるからか、死霊術士本体のHPは二段しかなかった。

 死霊術士は、勢いよく真横に吹っ飛ぶ。壁に命中した死霊術士は軽い音を立てて地面に落ちていく。そこに、ソイルが作り出した土の杭が殺到して串刺しにした。さらに、マシロの光線が次々に放たれていき、そこにアク姉も加わって、その身体中心に虚無を生み出した。

 死霊術士の身体は虚無の中でも完全に消え去りはしなかった。虚無でもHPを削りきれない相手という事だと思う。

 虚無が消えたのと同時に、アメスさんの怒濤の連続魔法が放たれた。火、水、風、雷、土、光の魔法が次々に命中していく。一部魔法は、また集まってきた幽霊に防がれたけど、完全に防御出来ていなかった。常にエアリーが削っている事もあるけど、集められる数が減っているのだと思う。

 私はその間に、死霊術士の核を探す。相手が骨である以上、スケルトンと同じく核があるはず。それを破壊出来なければ、HPは削れても死霊術士を倒す事は出来ない。回復されるのがオチだ。

 【心眼開放】で死霊術士の動きを観察しつつ、攻撃を続ける。斬撃よりも打撃系の攻撃の方が効果的という事は分かったけど、核の場所は掴めない。そうして、最初のHPを削り切ると、死霊術士が闇のオーラを纏った。同時に、こっちの攻撃がオーラによって阻まれる。


「【聖域結界】」


 メイティさんが死霊術士を中心に結界を作り出した。


「あれは?」

「神聖魔法の一つで、内側に継続回復効果を持つ結界だよ。相手が闇属性を纏っているから、あれで浄化しようって事じゃないかな」


 メイティさんの作戦は、意外と上手くいっていた。光と闇が鬩ぎ合う。


「……」


 それを見ていた私はふと好奇心が疼いた。あの鬩ぎ合っている光と闇を【魔聖融合】で融合させる。すると、死霊術士を中心にまた虚無が生まれた。その虚無は、死霊術士にダメージを与える。


「!?」


 アク姉が驚いているのが分かる。アク姉は虚無を使っていないのに、急に虚無が生じたからだ。唐突な虚無に蹌踉けた死霊術士に、サツキさんが突っ込んで大剣を叩きつける。その一撃で死霊術士の身体がバラバラになる。そんなものを目撃したら、倒したと思ってしまうけど、HPはまだ半分以上ある。そして、一つ分かった事があった。死霊術士の身体の中に核が入っていないという事だ。


「エアリー!」

『棺の中に何かがあります!』


 この場を把握出来るエアリーに核の場所を訊いたら、それらしきものが棺の中にあると言われる。そこに行こうとすると、棺の上で大量の骨が集まっていた。その骨達が、どんどんと集まっていく。それは、さっきのスケルトンキメラとなる様子に似ていた。でも、今回は、さっきと違って七体目の身体が繋がっている。その身体は黒いローブを被っている。

 名前も変わり、死霊術士スケルトンキメラとなっていた。

 死霊術士スケルトンキメラは、闇の槍を複数作り出すと、私達に向かって撃ってきた。前に出ていた私にも飛んできているから、双血剣で打ち払う。皆はトモエさんやメイティさんが守っていた。死霊術士スケルトンキメラは、棺への道を阻むように立っている。

 でも、この部屋はかなり広いので回り込めば普通に棺まで行けるはずだ。私は、【電光石火】でスケルトンキメラを回り込んで棺の元に向かう。すると、幽霊の分厚い壁で防がれた。双剣に戻した双血剣を使って連続で攻撃を加えたけど、幽霊の壁は崩れない。それどころか、後ろから死霊術士スケルトンキメラの魔法が飛んでくるから、そっちも意識しないといけない。


「この中に核がある可能性がある……なら」


 【蒼天】を装備してチャージを始める。


「アク姉! 全力で防御して!!」

「へ? ちょっ!? トモエ! メイティ! アメス! 防御!!」


 口の中が青く光っている私を見て、何をするつもりなのか分かったアク姉が素早く指示を飛ばす。全員で密集陣形をとって、防御の準備をする。

 死霊術士スケルトンキメラは、私がやろうとしている事を理解しているのか、こっちに攻撃が集中してきた。【心眼開放】と【超反応】で、その攻撃を一つ残らず弾く。そして、最低限威力で溜まった【蒼天】を棺に向かって放つ。その【蒼天】を幽霊が防御してくる。

 さすがに、最低威力では貫けないか。そう思った瞬間、【蒼天】が変化した。いつもよりも細くなって、【蒼天】の密度が上がったような感じだ。突然の事に驚いたけど、それを利用しない手はない。一点集中で、幽霊達を消し飛ばす。そうして開いた穴に【電光石火】で突っ込んで、幽霊の壁を越える。皆のHPは減っていないので、余波はそこまで達していない事が分かる。何故か細くなったのが影響している感じかな。

 まさか本当に上手くいくとは思わず、ちょっと驚いてはいたけど、呆けてはいられない。棺の中を覗いて核を探す。だが、そこには何もない。

 エアリーの勘違いか。いや、エアリーの感知だから、ここに何かがあった可能性は高い。でも、今は空っぽだった。そこから導き出せるのは、ここにあるものが透明である可能性だ。

 棺の中を探ってみる。でも、よく分からない。もっとしっかりと調べるために、棺の中に入ってみる。すると、棺の底が開いて、深い穴が見えた。

 想定外の事態に、頭が真っ白になった。咄嗟に【浮遊】を使おうとしたけど、発動しなかった。羽も使おうとしたけど生えてこない。【重力操作】も使ってみたけど、効果が現れない。つまり、強制落下という事だ。

 棺の底から落ちていく。私が見ている先で、その底も元に戻っていった。そして、目の前にウィンドウが出て来る。


『パーティーを離脱しました』


 私は、強制的にレイドエリアから追い出された。途中から緩やかな滑り台のようになっていて、着地で叩きつけられるという事は避けられた。

 底に着いた私は、すぐに周囲を警戒する。底は暗く何も無い空間だった。その奥に通路みたいな場所がある。その空間では【浮遊】も羽も【重力操作】も使える。ただ、滑り台の中に入ると、効果を完全に失う。

 つまり、元の場所に戻る事は出来ないという事だ。何故、レイドエリアから飛ばされたのか。そこは全く分からない。パーティーから離脱させられた事から、レイド関係では決してない。私だけが条件を満たしているもの。それが、この状況を生んでいる。

 そこから考えられるのは、クエストの存在だ。私が持っているクエストが悪さをした。そう考えるのが一番だ。

 どうしたものかと悩んでいると、メッセージが届いた。メッセージの主は、アカリだ。私が【蒼天】の反動で声が出ない事を考慮したのだろう。


『大丈夫!?』


 短く省かれて書かれているのは、今も皆が戦闘中だからだ。


『無事。ただ、そっちには戻れない。どうしようもないから、こっちはこっちで抜け出す方法を探す。皆に頑張ってとごめんなさいって伝えておいて』

『分かった。気を付けてね』


 これで大丈夫。メッセージのやり取りは、アク姉の指示だろうから、ちゃんと向こうに伝言はされるはずだから。

 私は私でやれる事を探さないと。せっかくのレイド戦だったのに、余計な水を差されたので、若干機嫌は悪かった。

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