第七話
「あーあ。さっさと謝って俺らと遊んだ方がいいと思うけどなー?」
もうひとりの男がヘラヘラと笑いながら言う。
「い、いやだ…っ!!」
こんなやつらに屈したくない。
僕は勇者ブレイガードのパートナーなんだ!!悪に屈したりするもんか!!
「そこまでだ悪党共!!」
良く知る声が聞こえた直後、赤い巨体が地響きを立てて僕達の前に降り立つ。
「なあっ!?ぶ、ブレイガードぉ!?」
「な、なんでこんなとこに…?」
「私のパートナーから手を放してもらおうか」
ブレイガードがそう凄むと、男達は顔を真っ青にして僕を解放し、脱兎の如く逃げ出した。
「「も、申し訳ございませんでしたあああっ!!」」
「大丈夫か?光希」
「うん…。ありがとう、ブレイガード…」
赤くなった腕を擦りながら、僕は小さな声でブレイガードにお礼を言うのだった…。
家への帰り道。
僕はブレイガードの車内でずっと黙って俯いていた。
…悔しかった。あんな奴らに良いようにされそうになった事が。
僕が男だったら、ブレイガードに助けてもらわなくてもあんな奴ら…。
「光希、大丈夫か?」
ずっと黙りこくっている僕を心配して、ブレイガードが声をかけてくる。ブレイガードは心配してくれてるだけなのに、先程の出来事が僕は悔しくて悔しくて、気が付くとブレイガードに叫んでいた。
「ねえブレイガード!!どうして、僕を女の子にしたの!?」
2話目終了。
主人公は性的に見られるのが嫌でとてもガードが硬く、無意識の内に何気ない仕草とかが全部女の子そのものになってます。