第十六話
「えっ?」
落ち着いて良く聞くと、それは聞き慣れた電子音声と良く似た声だった。
「ま、ま、まさか、ブレイガード!?」
僕が振り返ると、彼は僕の手を放し、敬礼をして口を開く。
「この姿でははじめましてだな。銀河警察所属特務捜査官ブレイガードだ」
「えええええっ!?」
このイケメンがブレイガード!?嘘でしょ?
「ほ、ほ、ホントにブレイガード?」
「そうだよ」
「ほ、ホントに?ホント?」
信じられないって表情で僕がブレイガードを名乗るイケメンを見ると、彼は左腕に着けたブレスを操作して叫んだ。
「ブレイジングアップ!!」
彼の体に一瞬で赤く輝く戦闘スーツが装着され、一人のヒーローがその姿を表す。
「融合合身!!」
ヒーローがそう叫び跳躍する。そして、ヒーローは物言わぬブレイガードの胸部へと吸い込まれ、ブレイガードの両目に光が灯る。
「ブレイ!!ガード!!」
「ほ、ホントにブレイガードなんだ…」
僕が目をパチクリさせながら納得すると、ブレイガードはロボから融合を解いて、僕の前に降り立ち、ヒーローの変身を解除した。
「信じてくれたか?」
「う、うん、信じた…。ていうか、ブレイガードがこんなにかっこいいとか聞いてないよ?」
僕がそう言うと、ブレイガードはにっこりと笑って嬉しそうに言った。
「そうか。私は光希にとってかっこいいのか。それは嬉しいな」
「あ、あう…」
あ、相手はブレイガード。相手はブレイガード。落ち着け、落ち着くんだ僕。
「ブ、ブレイガードの本当の姿も見せてもらったし、そ、そろそろ帰ろうよ」
「そうだな。光さん達にも報告しないといけないしな」
「ほ、報告って?」
「私が責任を取って光希を嫁にする事を」
「待って待って待って!!それ本気で言ってるの?」
「ああ」
「だって、僕等種族違うじゃん!!」
「遺伝子的には私の種族は地球人と変わらない。問題なく子供も作れる」
こ、こ、子供って!!
真っ赤になって慌てふためく僕を優しい目で見るブレイガード。
そんな目で見るなあ!!
僕らの間にあるのは友情でしょうが!!




