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第十話

 ブレイガード達によって、銀河警察の宇宙船に運び込まれた僕は、自分の足がボロボロに崩れていくのを見た。あまりの痛みと体がボロボロに崩れていくのにショックを受けて気を失ったんだ…。


 「我々の医療技術で、あの病原菌に感染してしまった光希を治す事は出来なかった」


 ブレイガードがすまなそうに告げる。


 「病原菌は光希の体をどんどん侵食していき、いずれ脳までも侵食し、光希は髪の毛一本残さず消える。私はそんな事には耐えられなかった。地球の事を何も知らない私に色々教えてくれた光希。小さな体で誰かの為に頑張る光希。私に兄弟はいなかったから、私にとって光希は日に日にかけがえのない存在になっていった。死なせなくなかった。生まれてはじめて、どんな禁忌を犯そうとも光希だけは救いたいと思った」


 ブレイガードはそこまで言うと、一度深呼吸するような動作を取りまた口を開く。


 「死にかけてる光希にコールドスリープ装置を用いて病原菌の進行を押さえ、無事な脳を摘出し病原菌に犯されていない、新しい体に移し替える。これしか救う手立てがなかった」


 ブレイガードの言葉に僕は何も言えない。ただ黙って聞く。


 「私は地球に戻り光さんにすべてを話し、彼女から細胞の提供を受けた。そして彼女の細胞を使い光さんのクローン人間を作った。光希のお父さんが生きていれば、お父さんの細胞から男性のクローンを作れたのだが…。光さんの細胞からでは女性のクローンしか作れなかったんだ。すまない光希」

「そう、だったんだ…」


 女性の体しか作れなかったなんて、そこまでは知らなかった。


「我々は難病の治療のために本人やその家族の細胞から臓器を作る事は許されている。だがクローン人間そのものを作る事は許されていない。それは命の冒涜だからだ。だが、それでも私は光希を救いたかった」

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