プロローグ
闘諍国の超エリート家系に産まれたシンゲキ・モウス。
しかし15年経っても才能は開花することなく、シンゲキ一家の『最強の継承』は途絶えた。
と、思われた。
「モウス、諦めろ。お前に才能はないんだ。これ以上修行をしたところで時間の無駄だ」
父ロウドが声をかけたと同時に、丸一日修行をしていたモウスの体がピタリと止まる。
「───俺、行ってくるよ」
「どうした!?何か、他にやることでも見つかったのか!?」
「彪道山」
「おいおい正気かモウス」
モウスは死ぬことを覚悟して強敵に挑もうと試みていたのだ。猛反対の父ロウドの言葉に聞く耳も持たなかった。
「死んでしまうぞモウス!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
メルセデウス国では嘗て、高価な食料を巡り幾多の集団が争いを起こしていた。しかし、その間に入り込むように『怪物』と呼ばれる謎の生命体達が集団を襲い始めたのだ。
そこで人々は、今まで幾重にも戦いを重ねてきた敵達と共闘し、怪物を撃破する事を決意した。
しかし、猛威を振るう怪物に戦士達は希望を失いかけていた。
「このままだと、あの怪物に国ごと占領されてしまいますよ!」
「人や食料を食い荒らし、そこを自分の拠点とする...非常に厄介だ...怪物というやつは...」
国王が俯きながら返答する。
「しかし、元となった怪物が未だ正体不明なんて...妙ですね...」
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