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一日がこんなに長いなんて4

徐々に足音が大きく聞こえてくる

『あと、数分だね』

頭の中の声はそうつぶやく

「魔道士殿、何か作戦はありますか」

えっ?

きょとんとしている僕にもう一人の人が

「そうだな、何か考えがあるなら魔道士殿の作戦に乗ろうか」

この人たちは僕を信頼してくれる、ただの子供なのに

「わかりました、オークをギリギリまで引きつけて僕が土魔法で地面を陥没させ

奴らを落とし、そこへ火炎の魔法と風の魔法を連続で打ち込みます

三属性連続で魔法?そんなことできるのか? そんなつぶやきが聞こえる

これは、もちろん僕ではなく、頭の中に聞こえる声をそのまま伝えています

「それでも、倒せる数には限りがありますから皆さんは逃れたオークをお願いできますか」

みんな僕の提案に目をぱちくりさせている

「しかし、俺たちの剣ではさっきもオークたちに傷を負わせるぐらいしか・・・」

「大丈夫、皆さん剣を抜いて切っ先を僕に向けてください」

みんなわからないまま、剣を抜き5本の切っ先が放射状に僕に向く

「これでいいのかい?」

「はい」と言って僕は剣の中心に手を翳し炎の精霊、風の精霊みんなを守ってと

魔法を唱える

剣は最初赤く光りその上を緑色の光が走る

「これは付与術かい、すごいな」誰かがそういう

「うまく効いてくれるといいのですが、あと師団長さん腰につけている

短剣を貸していただけますか触媒を持っていないので」

僕は師団長の腰のあたりを指さし聞いてみる

「これかね、これは投的用のなまくらでね、それならこの剣を」

僕は師団長の申し出を手で制して、「いえ、短いほうが良いので」

そう、言って短剣を借りる

「来た・・」瞬間緊張が走る

「皆さんは僕の後ろに、衝撃に備えてください」「「「「「「オー」」」」」

オークの先頭が見えた瞬間思いっきり短剣を地面に突き刺す

「いっけーーーー」

剣を中心にひび割れが始まり放射状にもりの木々が崩壊していく200メートルぐらいの幅で

物凄い勢いで崩壊が進む

「すげー」

「こんなことってあるんだな」

「まだです」

続けて僕は、地面に刺した剣を抜き前方に構え炎のイメージを造る

剣がオレンジ色に光るその剣を頭上に掲げ一気に振り下ろす

解き放たれて炎が爆進する

そこへ風のイメージを剣に載せ送り込む、酸素濃度が上がった炎は大爆発を起こす

物凄い熱風がここまで届く


「キャー」

馬車が爆風で大きく揺れ載っていた人たちが椅子から投げ出される

「姫様大丈夫ですか?」姫と呼ばれた女性に別の女性が駆け寄る

「私は、大丈夫ですステイシーあなたは、それより皆は大丈夫なのですかこの衝撃はいったい」

扉の隙間から様子をうかがっていた初老の男性が

様子を見てくると静かに外に出る

それを見届けステイシーに伴われ椅子に腰かける

少し前オークの一団に襲撃を受け劣勢であるとの報告がありもしもの時は自刃する覚悟を決めた

そのあとに大きな音がして急に静かになった

それが、いったい何が起こっているの

「王女様」

外に出ていた初老の男性が戻ってくる

「ロイド殿、何があったのです?」

「はっ、詳細はこのものから」

指名された兵士はひざまずき頭を垂れる

「ははー、近衛師団兵卒カミーヤと申します」

「よい、かまわぬ申せ」

ステイシーの強い言葉に兵士は顔を上げ

「先ほど、オークの一団に襲われ、数があまりにも多く押し切られそうになった時

空より魔導士様が舞い降りオークを撃退し救っていただきましてございます」

「魔導士様?」

王女の言葉にひれ伏す兵士

「今は第二破のオークと戦闘中とのこと王女様には馬車の中で待機をお願いしたいと

近衛師団長からの伝言に御座います」

「近衛師団長はどうされた?」

「はっ、師団長以下5人の精鋭部隊が魔導士様と最前線にて戦闘中とのことでございます」

「たった7人で戦っているいうことですか?」

「お味方に手傷を負ったものが多数出ているため、そのように聞いております」

「何と」

「私も出ます支度を」いけません姫様

近衛師団長の待機という言葉、さっきの衝撃が魔導士様の魔法ならそれで倒しきれない魔物です

そんなところに行かれたら・・どうなるか」

「でも、私だって治癒魔法が使えます、役に立つ・・・なに?」

「この音は・・・・」



時間を少し戻って

「こりゃーすげー剣だオーク相手に余裕で勝てるぞ」


「油断するな、あの魔法でも倒しきれなかったんだ」

「でも、何とかなりそうだな数が減ってきた・・っていうか居なくなった?」

「ああ、ほとんど倒しきったな」

「師団長、やりましたね」

「うむ、魔導士殿のおかげだな・・・ン?・・魔導士殿?」


「何か来ます」ものすごく大きな・・・」

ほっとしたのも束の間緊張が走る


僕は敵がいると思われる方向に手のひらを向け腕を伸ばす

「来ます」

「お、お、大きい」

思わず声が出る

「あれは、オークキング」

「オークキングあれが?」

オークキングと呼ばれたその魔物は身の丈が3メートル以上はあり片手に大きな斧を持っている

「パルレオ山の内輪部それも奥の奥にいるはずのやつがどうしてこんなところに?」

ガァルルルルルル

「唸ってやがる」

「どうします?」

「どうしますって一個師団を投入しても勝てないような相手だぞ」


オークキングは僕のほうをちらっと見て飛んだ


「と、飛んだ?」

「まずいあの方向には王女の馬車が・・」

僕は「借ります」そう言ってそばにいた兵士の剣を抜きオークキングを追って飛んだ

間に合え

オークキングは空から豪奢な馬車を見つけそれめがけて持っていた斧を振り下ろす

「何この音」王女が気が付いた時には遅かった

馬車めがけて振り下ろされた風圧が周りにいた兵士事馬車を襲う

馬車が大きく揺れる

いったい何が起こったのかと思った瞬間

馬車の天井が壊されオークの巨体が現れた

「なっ」

「姫様お逃げください」

「この人食いのバケモノめ」

立ち向かうがオークの太い腕に薙ぎ払われ馬車の壊れた壁に当たってしまう

ぐしゃ、嫌な音が聞こえた

オークキングは王女を見つけるとよだれをたらし斧を振り下ろす

危ない咄嗟にステイシーが王女突き飛ばす

「ぐあっ・・・」

ステイシーは肩口から袈裟に切られ口から血を吐きながら王女にもたれかかる

王女は呼んでも動かない二人に泣きながら一心不乱に回復魔法をかけ続ける

「だれか・・」「お、おねがい・・たすけて」

だが容赦なくオークの斧は王女に襲い掛かる

その瞬間ボンという音とともにオークキングが弾き飛ばされた

「大丈夫ですか?」

その言葉のする方を見るとひとりの小さな影が見える

こども?

あたりを見渡し、そのままもう少し回復魔法を二人にかけていてください

僕はそう言ってオークを追って馬車の外に出る

「さて、決着をつけようか」

頭の中の声をそのまま言ってるんだけど・・・なんてこと言わせるんだよ

ぶふふふふふふふふ

「爆笑してるし」

『でも、よくあのとっさにオークの頭に短剣を突き刺したね』

「言われたとおりにやったけど、倒せるのあれで?」

『何とも言えないけどあいつの気を少しの間ひきつけられれば』

「少しの間って」

『およそ1っ分』

「それぐらいならなんとなるかも」

そうこうしてるうちに吹き飛ばしたオークキングが立ち上がってこっちを睨む

僕はオークキングに向かって片手剣を両手で持ち正眼の構えをとる

月もいい感じだしさー行きますよ

それを見たオークキング

驚いてる驚いてる見てる見てる

正眼の構えから下段の構えにかえて

いくぞ円月殺法

僕は下段から刀身を月の光に照らしてゆっくり回転させていく

円月殺法は幻を見せる技

オークも戸惑っている

その光景を見ていた人から、あれはその昔剣聖様が使われた伝説の技

あの方は魔導士様であり剣聖様でもあるのか

いや、いや、多分その人遊んでたんだと思うよ

『ところで用意はまだ、頭の中に叫ぶ』

もうすぐ剣が一回転して下段にもどちゃうんだけど

『いいよ、いける』

『ミト、スフィアに手を翳して雷のイメージを』

『雷・・こんな感じ?』

『いいよ剣を力いっぱい天から下に振り切って』

オークキングは僕の変化に気づき突っ込んでくる

僕は言われたように剣を思いっきり振りかぶり地面にたたきつけるように

振った

その瞬間、天が明るくなり物凄い雷がオークの頭に直撃した

ズガーンという音とともにオークキングの頭から煙が出てる

「やったか」

いや、まだ動く

僕は咄嗟に片手剣に魔法を通しオークキングに向かう

オークキングは僕を確認したのか右手を振り上げる

すれ違いざま僕はオークキングの左に回り込み

首に片手剣を押し当てる

刹那オークキングの首は宙をまう

「「「「「「うおーーーーーーーーー」」」」」

歓声が上がる

「魔導士殿」

遅れて駆け付けた師団長が僕に声をかける

「オークキングは倒しました残ったオークの兵隊たちは?」

「大丈夫ですみんなやっつけました」

「王女の馬車が?」

師団長が馬車の異変に気付き走り出すほかの兵隊さんたちもそれに続く

これは、ひどいなんてことだ、姫ご無事ですか

私よりステイシーとロイドを早く

魔法医が駆け付け治療していく

ステイシーさんは肩口から腰まで切られロイドさんも右腕が肩から先がなくなっている

「ひ、め、さ・・ま水、着・・た、らきず、目、だつ、かな」

魔法医さんは王女さんの顔をみて悲しそうに首を横に振る

「ステイシーだめ、お願いしっかりして」

皆、壊れた馬車の周りに集まり悲しみを堪えている

『ねえ』

『なに?』

『何とかなる?』

『多分、でも、それやると帰る途中で墜落するかもしれない』

なんかとんでもないこと言われたけどかまわない

『やるよ』

『あいよ、仰せのままに、じゃーまず両手を広げて手のひらを上に顔も上を向いて目を閉じて

良いよそのまま大地の気を自分に取り込むようにイメージして」

異変に気が付いたのは王女様

「なに?人が金色に光っている?」

「魔導士殿」次に気づいたのは師団長

次々に異変に気付いていく

黄金色のスフィア・・・・・・だれかがつぶやく

瞬く間に周りが金色に光に包まれる

兵士が自分の腕を見て

「あれ、さっきオークにやられた傷が治ってる」

こ、これは治癒魔法?王女が絞り出すように言葉を漏らす

魔法医が目を見開き

ち、ちがう、違います、こ、これは神聖法術

『いいよこれぐらいあれば行けるでしょ

ミト、手を胸のスフィアのところで重ねて合図で一気に開いて』

『分かった』

『いま』

僕は思いっきり両手を横に開いた

まばゆい金色の光、ふわふわと飛ぶ白い光

どれぐらい続いただろうスーッと光が消え周りが見えてくる

「あれ、わたし、きゃードレスがあれなんでわたし」

「ステイシー・・」王女に抱きつかれキャーと悲鳴を上げている

「ロイドも大丈夫」

振られたロイドも何があったのか知りたいように

「あ右手がある」と言うおかしな突っ込みを自分に入れていた

僕は無事を祝う輪から少し離れる

「黙ってて行かれるおつもりか?」

「あはは見つかっちゃいましたね」

「出来れば、このまま王都にお招きしてお礼をしたいのですが」

僕は首を振って

「黙って家を出てきてしまったので・・母が心配すると思いますので」

「そうですか、残念です」

「あっ」

「これ、ありがとうございました」

僕は借りていた短剣を師団長に返す

師団長はそれを受け取りこれは私の宝物ですねと言ってくれた

「では、これで」

師団長に見送られ僕が帰ろうとすると

「お待ちください」

少し離れて帰ろうと思っていたのでそれに気づいた王女様が走ってくる

「お止めできないのは重々承知しておりますしかし、しばしお待ちを」

ハァーハァー言いながら走ってきた王女様は僕の前でいきなり膝を折った

慌てたのは師団長やお付きの人、周りに集まってきた人達

「ひ、姫、何を」 「姫様」

「静かにしなさい」

王女の一括でシーンと静まりかえる

私はシュタインベレット王国第三王女 ミシェルと申します

此度のことお礼のしようがございません

王女様は深々と頭を下げてきた

おつきの人たちが青い顔をしている

「頭を上げてください、僕はたまたま通りかかっただけですから」

「それほどの力をお持ちなのに謙虚な方なのですね」

「そのお方に失礼とは存じますが、これを受け取って頂けないでしょうか?」

王女様がそう言って差し出してきたのは綺麗な装飾のついた短剣だった

「これは我が王家に伝わる宝剣、私の宝物です」

「そんな大事なものを頂くわけには」

「大事なものだからこそ、受け取って頂きたいのです」

そう言うと王女様はそっと小さな声で「後ろを向いて頂けますか」

と言ってきたので後ろを向くと

「ぶ、無礼者」

「ステイシー」王女様に叱られしゅんとなる

後ろでのベルトにおつけいたします

剣をベルトに付けながら王女様は僕にだけ聞こえるように

いつも、持っていていただけるととてもうれしいです

オークに捕まれば私は辱められ殺されていたでしょう

部下ともども、助けて頂いたこと一生忘れません

だから・・・あなた様にも忘れないで頂きたいのです

私は14歳、来年成人しますがあなた様は

12歳、もうすぐ13歳です

少し私の方が年上ですが忘れたり嫌ったりしないでくださいね

こんな、綺麗な人忘れないと思いますよ

ま、お上手ね うふふ


ハイこれでいいですよ


ありがとうございます」「では」


僕は、魔法を足下からまとい空に舞い上がる



「また会いましょう、私の勇者様」


僕は大急ぎで家に向かって飛んだ




















長いです

しかも、円月殺法とか使っちゃいましたけど

誰も読まないから大丈夫かな


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