シェルター
話が前に進まない
投稿間隔が少し短くなりましたが、また長くなりそうです
「だいぶ来たような気がしますけどどうなんでしょう」
ルミナが後ろを歩くエレノワに声をかける
「そうですね、中ほどまで来ていると思います
そろそろ、大きなシェルターがあるはずです」
「シェルター?」
「単純にただの横穴なんですが入り口は狭いですけど中が物凄く広い
場所です小さな町の住人がそのまま避難できるような」
「枝分かれした大きな部屋のようなものですね」
「そうですこの鍾乳洞に幾つかあって災害時の際は利用できるように
保存食とかも備蓄してあります」
「なるほど、それがこの辺にあるのですか?」
「はい、もうすぐのはず・・」
その時、先頭を歩いていたミトが後列にとまれの合図を出す
「どうしま・・」
ルミナが聞こうとしたのを静かにという合図と体制を低くという
ジェスチャーで止める
岩陰からそっと覗くミトに静かに近づきそっと
「魔物ですか?」と聞く
「いえ、人間のようですね」
「もう少し近づいてみないとわかりませんね」
ミトは周りを見渡し上を見て登れそうなところを見つける
「皆さんはこの場所で待機してください」
「僕はこの上に登ってもう少し確認できるとこまで近づいてみます」
ルミナは上を見上げふーとため息をつく
「隊長、気を付けてください滑りそうです」
「ハイ、行ってきます」
ミトは重力遮断魔法を使い軽い足取りで壁を登っていく
「やれやれ、こうなったら我々にできるのは少し様子を見るだけですね」
そう言うとルミナは体制を低くとり剣の柄に手をそえて構えをとる
「ルミナさん?」
それを見て疑問に思ったのかエレノワが聞こうとしたとき
横にいたミルダも同じく戦闘準備をしている
「なぜ?お二人とも剣を抜く準備をしてるのですか?」
エレノワに代わってアリアルナが小声で聞く
「ミト隊長が今みたいな行動をを取るときは絶対何か起きますから」
ミルダが笑顔でさも当然という感じに言う
「緊急の場合すぐ出れるようにですかね」
ルミナの補足を聞いてエレノワとアリアルナにも緊張が走る
ミトは鍾乳洞の天井付近から下を見る
あそこか、ずいぶん人がいる20か25人ぐらいかな、
けど町の人ではなさそうだな武器を持っている・・盗賊?冒険者かな
岩の割れ目に向かって何か叫んでいる
男が腕をもって何か引きずるように・・・
女の人・・ともう一人がつるしてるのは・・子供?
状況がわからないミト、は見つからないように
重力遮断魔法で一気に岩棚から飛び降り岩の陰に隠れ回り込むように
近づいていく
「おらーこの女ぶっ殺されたくなかあっら、おとなしく出てこいや」
「それともガキから殺してやろうか・・・ああっ・・」
「おら、おめーもなんか言えよ、助けてってよ」
男は女の腕を持って吊り上げる
「だ・だめ・よどうせ殺される・・・出てきちゃ・・ぎゃー・・」
「余計なこと言ってんじゃねー、おうガキからやっちまいな」
「おらよ、恨むなら親恨むんだな」
男が剣で子供を突き刺そうとした瞬間男の剣が宙を舞う・・男の右手と一緒に
一瞬で何が起こったのかわからない
気が付くと自分の腕が無い悲鳴を上げながら子供をつかんでいた手を放す
そのすきにミトは子供を抱きかかえ男を蹴り飛ばす
ミトは子供を抱きかかえたまま女を人質に取っている男を睨む
「なんだお前は・・なんだガキじゃねーか、ヒーロー気取か・・
女殺されたくなかったら、その御大層な剣をすてな」
ミトが一瞬動くそぶりをすると
「女殺すぞ良いのか」
ミトは何も言わず剣を手から離し手を上げる
男は自分の後ろにいる手下にミトを捕まえるように言う
言われた男が動こうとした瞬間
「ファイアーバレット」
ミトの小さな声とともに5本の指から次々と炎の弾丸が打ち出される
物凄い数の炎の弾丸が男たちを襲う
ドーン、ドーン
爆音と共に物凄い閃光が隠れているルミナたちのところに届く
「あちゃー始まっちゃった、こうなれば私は先行して加勢に向かいます
ミルダ大尉は二人を守りつつ後から来てくださいお願いします」
「「「やっぱりかー」」」
音が止み煙が晴れてくる
男は周囲を見渡すが立っている人間は自分以外いなかった
「な、?なんなんだてめーは?何しやがった?」
「むかし見たアニメで指先から機関銃を撃つ人がいてカッコよかったんで
真似してみました」
男は女の腕を引きミトに向かい言う
「てめー人質がどうなってもいいのか?」
ミトは男に指先を向けながら言った
「あなたの剣と僕のファイアーバレットどっちが早いですかね?」
「くっ?」
「この女道ずれ・・がッ・・・」
男はいきなり何が起こったかわからず前のめりに倒れる
そこに立っていたのはルミナ
「出番がこれしかなかった、隊長少し待っててくださいよ」
「すみません、緊急だったものですから」
ルミナはしょうがないと言わんばかりにため息をつき
人質の女性を抱き起す
「キセラ・・・・」
壁の切れ目から慌てた感じの男が走り出てくる
「あ、な、た・・・・」
どうやら、人質にされた人の旦那さんのようだ
ミトは人質に取られていた子供に回復魔法をかけながら
二人に近づき
「このお子さんはあなたの?」
子供を見た男は涙を流しながら消えるような声で言った
「はい、私の娘です・・」
「もう大丈夫ですよ」とミトは男に子供をわたす
「すぐ気が付くと思いますよ、それとちょっと良いですか?」
奥さんと思われる人にもミトは回復化法をかけていく
「隊長・・」
ルミナに声をかけられ見上げると大勢の人たちが岩の割れ目から出てきた
その中の初老の男性が
「私はセレイ町の町長をしているガルイと言います・・町民を助けていただき
ありがとうございます、しかしあなた方は?」
ルミナは姿勢を正し一歩前に出にでる
「我々はシュタインベレット王国、魔法剣士隊です」
「シュタインベレット?・・シュタインベレットの方がなぜここに?」
「私が救援をお願いし来ていただきました」
町長が声のしたほうを見ると
「あなたは、お、皇女様」
へへーと言って出てきていた村の人たちが一斉に平伏す
「こんな時です皇女も皇帝もありません
皆さん守ることが出来ず頭を下げなければならないのは私の方なのですから
頭を上げて下さい」
「何を仰います、今もこうして助けに来てくれたではないですか」
「いえいえ、私は何もすべてシュタインベレットの方々が・・・」
町長とエレノワ皇女が話している横をアリアルナとミルダがミトのところにやって来る
「隊長、とりあえず彼女に手伝ってもらい伸びている奴らを魔法縄で拘束しておきました」
「お疲れ様です」
「しかしあいつら何者ですかね野盗にしては風体が垢抜けてるって言うか」
「おそらく帝国のギルドに所属している冒険者かと思いますが」
いつの間にか近づいてきていた町長が話に加わっていた
「帝国ってバラン帝国ですか?しかもギルドの登録者って?」
「何人かに見覚えのある顔がいました
前に飲食代を踏み倒したり町で色々悪さをされたので顔は忘れていません」
ミルダはあきれたように天を仰ぎ
「やれやれ、それで今度は野盗かよ、しょうが無い奴らだな」
ミルダの言葉にアリアルナが反応する
「ちょっと締め上げてみましょうか根性はなさそうだから
結構簡単に自白するかも知れませんよ」
「おいおい女の子が、何を物騒なこと言ってるんだよ」
「あら、私は軍人ですよしかも王女様直属の」
「軍人ていったって、まだ見習いなんだから無茶言わない」
アリアルナとミルダが言い合っているのを
ルミアが止めようとするとそこへ町長が
「すみません隊長様、お願いが」
言われてルミアが慌てる
「いえいえ、違います・・私は隊長ではありません」
「えっ」
違うと言われて驚く町長の横でエレノワ皇女がクスクス笑っている
ルミアも後ろを向いて肩が震えている
「初めまして町長さん魔法剣士隊、隊長のミトと申します」
「おお、あなたでしたか、まさか子供・・いや大変失礼いたしました」
町長は困ったように頭をかく
「大丈夫ですよ、それでお願いというのは?」
ミトは話を戻すように言う
「もし食べ物を持っていらしたら分けて頂けないかと
手持ちが残り少なくて子供達の分だけでもと」
「ああ、申し訳ありませんうっかりしていました、これを・・・」
そう言ってミトはカバンからたくさんの包みを出し積み始める
「とりあえずこれを足りなければ、また取り寄せます」
「いえいえ、こんなにありがとうございます、助かります」
それを見ていた町民が
「すげー何だあのカバン」
「魔法か?」
と、こそこそ喋っている
「お前達そんなところで見てないで頂いた物を運んでみんなに分けないか」
「「は、はい」」
「あ、町長さん救出メンバーを少し休ませたいのですがよろしいですか?」
「はい、よろしいですとも、町のものにお世話させましょう」
「ありがとうございます、気を使われなくて大丈夫ですから
それと、お聞きしたいことが」
「はい?」
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