スレング皇国の皇女
すみません長くて、くどいかも知れません
結局、フランさんが美味しいところ持って行きましたが
「あそこの見張りが立っている部屋ですね」
「そのようです」
カレット将軍と廊下を歩いて行くとドアの両側に騎士が立っている部屋がある
「カレット将軍、話が通りやすそうですから先を歩いて頂けますか」
カレット将軍に気づいた騎士の二人が敬礼をする
「ご苦労」
「スレング皇国の皇女様は中か?」
聞かれた騎士が一歩前に出る
「ハイ、中から鍵を掛け今は静かにしているようですが
先ほどまで何か喚いてました」
将軍は「そうか」と言ってドアに近づく
僕も遅れないように将軍の後を付いていこうとして
もう一人の騎士に止められる
「そこの変わった格好のお前、お前は此処に何しに来た」
そう言って僕を捕まえようとした騎士の肩に将軍が手を掛ける
「お前ら、失礼な態度とるなよ
その方の襟を見てみろ」
言われた騎士が僕の襟を見る
「え、あ、あ、あ、あ・・」
大声を出しそうな騎士の人に僕は「シー」と合図をする
「お前達も知っているだろ幻想の森でミシェル王女様を救った英雄だ」
言われた騎士さんは思わず後ろに下がる
「あ、あの奇跡の風と詩われた・・・」
なんですかそれ、詩われたってなに?
一瞬たじろいだけど気を取り直して
「申し訳ありませんが、少し席を外して頂けますか」と言ったら
「かしこまりました・・あ。あの握手して頂けますか?」
と、言ってきた、なんだか分からないけど騎士の二人と握手をする
「「ありがとうございまいした」」
と言って去って行った
なんか、いっぺんに疲れたな、カレット将軍はうれしそうに笑っているし
騎士の姿が見えなくなったのを確認して
カレット将軍が扉を調べる
コンコン コンコン
扉をノックしてみるが反応はない
「どうですか?」
「そうですね、中から鍵が掛かっていますがバリケードの類いはなさそうです
鍵を壊せば開くと思います」
もう一度ノックをしてみる
「失礼します、エレノワ皇女様いらっしゃいますか?」
「やはり、返事はありませんか」
僕は頷くと手で合図して将軍に少し下がってもらうと
人差し指を鍵穴に向ける
「ファイアーボム」
鍵穴の中が光りボンと音がする
「相変わらず凄いですね」
そう言ってカレット将軍がドアを押すと音も無くスッと開く
中は真っ暗で人がいるようには見えない
「すみません・・エレノワ様いらっしゃいますか?」
もう少し中に入ると合図して歩を進める
「すみま」
「来ないで、これ以上私達に惨めな思いをにさせないで・・」
「まってください聞い・・」
「助けてくれない・・それはしょうが無いことと思います
でも、何故私たちは国に帰ることすら許されないのですか・・何故?」
「聞いてくだ」
「私たちがこんなことをしてる間に・・・国のみんなが・・みんなが」
「聞いてください」
思わず大きな声が出た
「なに?」
「落ちついてください・・・僕たちは貴方たちに協力するために来ました」
僕の言葉に物陰から3人の女の子が現れその中の一人の子が
「嘘よ、そんなこと・・あんな、あんな酷いことを言ったくせに・・」
「酷いこと・・・?」
「そうよ・・今更、ウ・・グ・・助けに行って・・も無駄・だスレング皇国は・・
もう終わりだ・・お前達だけでも助けてやったんだ・・ありがたく思え・・グ・・っって」
女の子は必死に訴えると泣き崩れてしまった
「酷い、なんてことを・・・」
歳は僕より少し上ぐらいの女の子になんてことを言うんだろう
それを聞いたカレット将軍は僕に目配せをして一歩前に出て深々と頭を下げる
「エレノワ皇女様及び、お二人の淑女に対し、我が国の者が行った非道を
シュタインベレット王国、近衛騎士団 師団長 カレット・デル・フォミン少将
心より、お詫び申し上げます・・申し訳ありませんでした」
「えっ?少将閣下」
「少将閣下が何故此処に?」
年齢こそ30そこそこだけど立派な軍服を着た騎士が深々と頭を下げたのを見て
3人の女の子は驚いている
カレット将軍は顔を上げると
「近衛騎士団と名乗っておいて
信じて頂けないかも知れませんが我々は王国政府に属していません」
三人の女の子は困惑している
「私がエレノワです」
そう言って一人の女の子が前に出る
僕とカレット将軍は右手を胸に当て膝を付き、お辞儀をする
王女様は僕たちに
「皇女と言っても小国・・しかも今は虜の身です、普通にしてください」
その言葉に僕たちは立ち上がる
「我々はマリシェル王妃直轄の特殊部隊です、ご安心ください」
皇女様はキョトンとして
「どう言うことですか」
「彼が先ほど申し上げた言葉通りです、あなた方を助けたいと言う事に嘘はありません」
カレット将軍が前に出る
「貴方は?あの時の・・騎士の方」
「お久しぶりですね皇女様」
皇女様はほっとした顔をして
「あの時はありがとうございました」
「でも、助けて頂けるって、騎士団が協力してくれるのですか?」
「いえ、我々特殊部隊は精鋭5人の部隊です
実質行動するのは5人と言うことになります」
「5人?」
人数を言われて3人は驚く
「ちょっと待ってください・・私達の国を馬鹿にしているんですか
ふざけないでください」
皇女様の横にいた女の子が前に出る
「やめなさいリステ」
「ですが・・失礼しました」
「共の者が失礼いたしました、しかし5人ではいくら精鋭といえど・・」
皇女様の言葉を将軍が手で制す
「我々の部隊は魔法剣士隊、隊長は彼になります」
そう言われて、僕は少し前に出る、3人は僕の方を見て驚く
「あ、貴方は?」
「皇女様の腕を治した・・あの」
「数十匹のオークを倒した・・」
王女様は僕を見て泣いている
「あ、あなたに会いたかった・・お礼を言いたかった・でも
部外者だ関係ないと言われて・・グ・・ク・・ありが・・グ・とうございました」
皇女様は泣きながら僕の手を取る
「いいえ僕は何も大した事はしていません、気にしないでください」
皇女さまは笑顔を取り戻し
「信じます・・貴方の仰ることでしたら・・・例え一人で行くと言っても・・・
お願いします、助けてください・・」
と言って僕の手をぎゅっと握ってくる
「あの、あの・・えと」
僕が困っていると将軍の助けに入ってくれる
「大丈夫ですよ」
「少将閣下?」
「彼は私の上官で我々の隊の隊長です
その彼が皆さんに協力すると言っています、任せてください」
「上官?」
皇女様は僕の襟元をみてグッと息をのむ
「とりあえず、皇国の状態、脱出の経緯など詳しい話を我々の本部で
お聞きしたいのですが辛い質問もあるかと思いますが、よろしいですか?」
「分かりました、でも此処を出ても良いのですか?」
「問題ありません、皆さんの保護することにもなります
忘れ物の無いようお願いします、此処には戻りませんので」
「大丈夫です私達にあるのは奴隷商に着替えさせられた服ぐらいですから」
笑顔で言うようなことでは無いのにやっぱり強い人だな
「分かりました、残していきましょう着替えは用意しますから」
僕らは、壊した扉から廊下に出てさっきまでいた部屋に移動する
その時後方から嫌みな声がした
「どちらに行かれるのかな カレット将軍、勝手なことをされては困りますね」
会議の時にお母さんにやり込められていた人だ
「カシアーノ国務大臣、我々は王妃様の命でこの方々をお連れするところですが」
僕は、三人を自分の後ろに庇い隠す
「王妃様、それが何だというのですか、こと国政に関しては国務大臣の私に
話を通し了解を得て頂かないとね」
「くっ・・・」
「フン、おい、そこの3人に手枷をつけて部屋に放り込んどけ」
流石にカレット将軍も怒った
「何を言っている手枷?それ以上に拘束する権利は貴方には無い」
「構わん、お前らやれ」
一触即発、その時
「ミトーーー、やっと見つけた」
「お、お母さん」
お母さんが廊下の向こうから走ってくる
「お風呂から上がったらいないんだもの探しちゃった」
「このお嬢さん達が貴方が助けた子達ね
みんな待っているわ、早く行きましょう」
「でも、お母さん、国務大臣さんが」
「あん?」
お母さんは物凄い目で国務大臣をにらむと
「あんたまだこの国にいたの?」
「フラン貴様」
「とっくに更迭されたと思っていたわ」
「な?」
「だって、この子達を売り飛ばそうとした奴隷商ってさ
あんたの息が掛かってるんでしょ・・まー死人に口なしだけどね」
国務大臣は激高する
「貴様、根も葉もないことを言うんじゃない
名誉毀損で訴えるぞ」
そう言いながら向かってくる国務大臣にお母さんは両手を広げて
国務大臣の顔の前に突き出し、すぐ右手でVサインを造る
「何のまねだ貴様」
「12」
「なに?」
「私が知ってる、あんたの悪事の数だよ、しかも証拠がそろっているやつ・・ウフ」
「例えばねー」
と言ってお母さんは国務大臣さんの耳元で何か言っている
途端に国務大臣さんの顔が真っ青になる
「な、貴様、そ、それを何処で・・・・」
「さ、みんな行くよ時間が持っていない」
お母さんはみんなに目で合図して僕の手を引いて歩き出す
ミト達が去った後に残ったのは固まったまま動かない国務大臣と
お付きの騎士達が慌てふためく姿だった
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でも、だらだら書いてるだけだから
面白くないかな