表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/60

パーフェクトリジェネレーション(超再生)

少し長いですがよろしくお願います

「待ち伏せされるようなこと何かしたかしら?

しかも第一王女様に」


「第一王女様?ってミッシェル様のお姉さん?」

僕が思わず言葉をもらすと

ミッシェル様が僕をみて

「はいミトさん私の、姉です」

ミシェル様が紹介してくれてミレイユ様が僕を見る。_

「初めましてミトさん、私はミレイユ・シルビー・デル・シュタインベレット

ミシェルの姉になります」

ミレイユ様は僕に向かって軽く頭を下げる

「あ、ミトです初めまして」

お母さんは挨拶をする僕の前に出て強い口調で話す

「で、何か用があるんでしょ?なに?」

ミレイユ様はお母さんのけんか腰のような対応にも表情を変えない

「会って頂きたい人がいます、一緒に来て頂けませんか?」

「嫌よ、さ、そこをどいてちょうだい、ミト行くわよ」

歩き出した僕たちの前にミレイユ様が立ち塞がる

「お願いします、一緒に来てください」

「嫌だって言ってるでしょ、今更どんな顔して会えって言うの

マリシェル様がああ、なったのだってすべて私が悪いんじゃない・・それを・・」

お母さんはミレイユ様達を振り切って歩きだす、お母さんは泣いているように見える

「お願いしますフラン様、ミトさんを貴方のご子息を・・

む、息子さんを会、わ、せて て上げてください・・・・・・母の最後の願いを・・」

ミレイユ様はさっきまでの笑顔が消え泣きながらお母さんに訴えかける

その言葉に帰ろうとしたお母さんの足が止まる

お母さんは振り向かず一言「危ないの?」と言った

ミレイユ様はお母さんの背中に黙って頷く


「そう、分かったわ、案内して」

振り向いたお母さんの顔は涙でぐしゃぐしゃだった

「ありがとうございます、こちらへ」

「ミトいらっしゃい」

「はい」


僕は、慌てて3人の後に続く

白い壁高い天井、長い廊下を抜けて突き当たりにある部屋の大きな扉の前に立つ


ミレイユ様は扉の前に立ち三回ノックして

「ミレイユです、フラン様とご子息ミト様をお連れしました」

しばらくした後

「入りなさい」

ミレイユ様が扉を開ける中は暗くかろうじて大きなベッドが見える

「どうぞ、お入りなさい」

中に入るとミシェル様はサイドボードにあるランプのつまみをひねり部屋を少し明るくする

「フラン良く来てくれました、久しぶりね」

「元気にしていましたか?」

「フラン?」

お母さんは下を向いたまま顔を上げない

「お母さん」

声を掛けようとしてお母さんの足下に大きな水滴が落ちているのが見えた


「ごめんなさい・・・ごっごめんなさい・・ご めん・・グッ な さい」

泣きながら謝り続ける

「フラン、一体何を謝っているのかしら」

私が勝手に・・師団を辞めたりしなければ王妃様やマリエル様を

この・よ・うな目に合わせて・・・・」


「貴方をやめるよう仕向けたのはこの国です責任は国にあります、気にする必要はありません」


「でも、王妃様を守ることが出来なかった」


「王妃様?」

僕の独り言のようなつぶやきをミシェル様がひろう

「はい、わたしのお母様です」

ずうっと泣いてるお母さんと笑っている王妃様、

その王妃様と目が合った

「あの子が貴方の?」

「はい・・息子のミトです・・ミトいらっしゃい」

お母さんに呼ばれ近づくと王妃様が微笑みながら僕を見ている

「初めまして、フランの子、ミト・ハンジェリンです」

「まあ。礼儀正しくてフランの子とは思えないわ」

笑いながらそう僕に言う王妃様、髪は白く酷く痩せている

しかも、肩口に青紫の痣が

「ミシェルの母親がこんなおばあちゃんでびっくりした?」

「いえ、そんな・・お綺麗で驚きました」

「あら、お上手・・良い子ね・・今日まで、頑張ってよかっ・・会えて、ゴホ、ゴホ

ゴホ、ゴホゴ・ホ」

「お、王妃様・・大丈夫ですか?」

王妃様は急に苦しみだした

「ミト下がって、マリシェル様、マリシェル様・・・・」

お母さんは王妃様の手を握って声を掛けている

「ハァー、ハァー、ハァー良い、の、貴方、の、・・子供、が見れ、て良かったわ」

「ダメです、しっかりしてください」

「お母様」

「お母様しっかりして」

みんなが王妃様のベッドの回りに集まる

『ねえ、王妃様は病気?』

『違うよあれはアルファロイドアントの毒、通称人食い毒』

この毒の怖いところは呪いのように時間をかけて体をむしばんでいくとこ』

『お母さんでも直せないの?』

『全盛期の彼女でも無理、解毒方法がないんだ薬も魔法も効かないのさ』

『何も出来ないって事』

『そう・・・・一人を除いてね』

『え、何処の誰?』

『・・・・・・・・・・・』

『それ、無言は僕だって言ってるようなもんだよ?』

『・・・・・・・・・・・』

『無言は肯定だよ』

『やれば、確実に君の命は終わる・・・』

『そっか・・』

僕の目に映る光景泣きながら王妃様にすがり泣く王女様達やお母さん

『やるよ・・・お願いね』

「マジか言ったじゃん確実に命は終わるって』

『良いよ、お母さんのあんな顔見たくなかった』

『それは君にたいしてだって同じでしょ悲しむに決まってんじゃん』

『そうだね、でもお母さんは王妃様にたくさんの恩があるって言ってたし

僕もお母さんに一杯恩があるんだ、だから少しだけでも返したいんだ』

『分かったよ、行くよ』


「お母様しっかりしてください」

「神様お願いです母をお救いください」

ミシェルが手を胸の前で組み祈った瞬間部屋が金色に輝き始める

一体何がそう思って回りを見ると

ミトが金色に光っている

「ミトさんなにを?」

「ミトあんた何してるの」

フランがミトに近づこうとした瞬間、光が物凄い勢いで降り注ぎ無数の光の球が

飛び始める

「これは神聖法術?」

「これは・・・だめ・・ミトやめなさい、それを使ってはいけない」

フランはミトに駆け寄ろうとして膨れ上がった光に弾かれてしまう

「ミト・・ダメ」

光の中にいるミトは一瞬フランを見るとニコッと笑顔をみせ「ゴメンね」

と言って大きく息を吸い腕を前に突き出す

白い、ただ白い光が広がるミトが作り出した光の空間

その光が、すべての良くないものを覆い尽くし地面に吸い込まれるように消えていく

部屋は元の静寂につつまれる、凄く長い時間にも一瞬のようにも感じる


「アラ?」

最初に気づいたのは王妃マリシェルだった

「今の光はいったい、あら胸の苦しいのがとれて体も軽い?」

その様子にミレイユが駆け寄る

「お母様 か、髪の色が・・元に、ひどい痣も、消えている」

マリシェルはあたりを見回した

そこにはフランがいた、ただ呆然と何かを見つめている

「フラン何があったの?」

フランの視線の先には目を閉じ立ち尽くすミトがいた

みんなの視線がミトに集まる

ミトは一瞬目を開けみんなの無事を確認すると少しだけ微笑みまた目を閉じる

「ミト」

「ミトさん」

ミシェル達が近づこうとした時

ミトは前のめりに倒れ込む


「ミト、ミトーーーー」

「ミトさん」

フランとミシェルが慌ててミトに駆け寄りフランがミトを抱き起こす

ミトはぐったりして動かない

「ミト、ミト」

異常事態に自分のことも忘れ

マリシェルはベッドから飛び降り叫ぶ

「ミシェル、城内の魔法医師をすべて集めなさい、すぐにです」

「はい」

ミシェルが部屋を飛び出そうとするのをフランが止める

「もう良いよ」

「でもフランさん・・」

「もう何をしても無理よ、だからお願い静かにしてあげて・・・」

二人の間にマリシェルが割って入る

「フラン何を言っているの?ミトさんの手当を早くしないと・・」

フランは首を横に振る

「どおして?」

フランはミトの胸のところに置いていた手をどける

それを、見たミッシェルたちは息をのむ

ミトの胸にあるスフィアが光すら吸い込むような漆黒に染まっていた

「ス、スフィアが黒く・・・」

「魔力どころか生命力さえもすべて使ってしまったということ?」

「ミトさんは一体何を?」

その時、部屋のドアが勢いよく開く

「お母様」

部屋にに飛び込んできたのはマリエル・マリア・デル・シュタインベレット第二王女

「マリエル貴方・・大丈夫なの?」

王妃の部屋に飛び込んできた少女は頷きながら

「先ほど部屋が光ったと思ったら急に体が軽く・・・この男の子は?」

「フラン、教えてミトさんは何をしたの?」

フランはミトの髪を優しく手でとかしながら

「ミトが使ったのは神聖法術の中でも最高位とされる法術、パーフェクト・リジェネレーション

超再生、対象を元の姿に戻してしまう、とんでもない力技の法術です

今となっては神聖法術自体過去のもので知る人も、使える人もいませんけど」

「パーフェクト・リジェネレーション・・・・」

「ミトおうちに帰ろうね・・・」

フランは動かなくなったミトを抱き上げる

帰ろうとするフランにミシェルが声を掛ける

「部屋を用意します・・ミ、ミトさんを、少しでも、

少しでも早く休、ま、せて、あげてくださいお願いします」

フランはミシェルの申し出に軽く頷く

「ありがとうございます、すぐに用意します」

駆け出すミシェルに「私の部屋を使いなさいすぐに片付けるわ」

ミレイユの声が響く


「はいお姉様」






















また間が開くかも知れませんが

次回もよろしくお願いいたします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ