脱出
少し長いですが
救出編の後半で一応ひと段落です
「ミシェル様捕らわれている人たちがいる場所とか分かりますか?」
ミトに言われ瞑想をするように目をつぶる
「人と思われる声は聞こえません、この中ですが思ったいたよりかなり広いです
それと、分かる範囲にいるオークの数もかなりいます」
ミトは頷くと
「この中だと大きな魔法は使えないので剣頼りになりますね
カレット将軍、剣に付与魔法を施しましょう」
「ありがとうございます、長剣はこの中では不利ですのでこれにお願いします」
そう言ってカレットは短剣を差し出す
「これは、あの時の?」
二人で顔を見合わせ少し笑みがこぼれる
「分かりました」
「ミシェル様とイリアさんは何か感じたことがあれば教えてください」
「ハイ」「分かりました」
「シーッ、足音が複数・・・・何か来ます」
グルルルル
オークのうなり声が聞こえてくる
「このオーク、イリアさんを探してる?」
ミシェルの言葉にイリアが思わず一歩下がる
ミトは入り口に近づき体制を低くショートソードを構える
剣には雷系の魔法を付与して磁気振動を起こすようにしている
徐々にオークの気配が近づいてくる
「行きます」
ミトは一瞬で飛び出すとオークに向かって斬りかかる
物凄い勢いで飛び出した人間にオークがぎょっとする暇も無く切り裂かれる
「まずは一匹」
背後にいた2匹のオークがミトに襲いかかる
ショートボム、オーク二匹に複数の炎の弾が貫く
体制を崩したところをショートソードでとどめを刺す
ミトはすぐに先に歩を進め角になっているところまで行き後ろに手で合図する
地面に広がるオークの血だまりをよけてカレットをしんがりに3人がミトに続く
「ミトさん、この先にオークがかなりの数います」
ミシェルの言葉に緊張が走る
「人の気配はまだ感じられませんか?」
「待ってください」
「微かに、すすり泣くような声がきこ、ッー・・オークの思念が
神に捧げる贄は用意できたか・・・はやくしろ・・神がまって・・
後は分かりません」
「私にも同じような感覚が・・贄ってまさか」
ミトは頷くと
「時間が無いと言うことですね、突っ込みます」
いきなり不意を突かれオークはなすすべなく倒される
ミトは物凄い勢いで、曲がりくねった道を進む
「後ろ大丈夫ですか?」
ミシェルとイリアはなんとか頷く
「魔道士殿が皆倒してしまうので暇です」
しんがりを務めるカレットが退屈そうに言う
「ずいぶん奥まで来ましたが、まだ先がありそうですね」
その時
「イヤーやめてえー・・・」
「悲鳴」
「将軍、二人をお願いします」
走るミトの目の前がいきなり開けるドーム状の部屋は大きく壁には大きな無数の穴
正面には大きな扉らしきもの
「此処は、行き止まり」
遅れていた、カレットたちも追いつく
ミトが扉らしきものに近づこうとしたとき壁に空いた無数の大きな穴から
ものすごい数のオークが出てきた
「まずい、姫様たちは私の後ろに壁際まで寄って・・魔導士殿の魔法に巻き込まれないように」
激しい戦闘になる
ミトは左手から炎を玉上にして五本の指から打ち出す威力自体はあまりないが
足止めや体制を崩すのには有効だった大きい魔法が使えない状態では
この魔法と剣だけが頼りとなる
女の子二人を守りながら死力を尽くす周りには無数のオークの死骸
足の踏み場もない状態 体力もかなり奪われる
しかし、そんなミトに金色の光が降り注ぐ
今まで何度も救われた ミシェルの回復魔法、優しい光
「あと、三匹一気に行きます」
襲い掛かってくるオークを迎え撃つ しかし、その時ミトの足がオークの血だまりにとられる
「しまった・・・」
一瞬のスキをついてオークはミトを躱し後方にいるミシェルとイリアに襲い掛かる
カレットも間に合わない
「ダメ、やられる」
ミシェルが目を閉じた瞬間
ドーンという大きな音がドーム内に響き襲い掛かったオークが逆に弾き飛ばされる
「何が?」
ミトとカレットは残りのオークを倒し
ミシェルのほうを向くとミシェルは目を大きくしてイリアを見ている
イリアは疲れたような笑顔で
「役に立ちました」と右手のブレスレットを見せる
ブレスレットからは煙のようなものが出ている
これは、イリアが作った魔道具でブレスレットに取り付けた超硬度の魔石を
魔力を圧縮した力で打ち出す仕掛け
「それよりミトさん急いで」
ミトは頷くと扉を蹴破り中に飛び込む、中には大きめのオークがいる
オークはミトに気づき突進してくる
それを寸前で躱し一撃を加えようとしたときオークが倒れる
後から、来たカレットに斬られたようだ
微かにおびえるような声が聞こえる
この扉の中から聞こえますね
カレットは扉の出っ張りに手を掛けミトがその前で剣を構える
ばっと扉を開けると中に少女が二人
ミシェルとイリアが女性に駆け寄る
「大丈夫ですか助けに来ましたよ」
「あ・あ・あ」
「落ち着いて、もう大丈夫ですから」
「ひ、姫様が姫様がオークに連れていかれて」
「何だって、」
「その扉の向こうに連れていかれて、お願いします姫様を・・・」
「これは?」
そこには巨大な扉があった装飾もすごく頑丈そう
ミトは考えた後
「一か八かやります」
ミトは魔法を練り上げ右手に集中させ撃ち出す
「ファイアーバレット」
物凄い炎の弾丸が扉を粉々にする
「なんだ此処は?」
粉砕したがれきの中見えたのは回廊あまりにも巨大な空間
それを見た皆が茫然とする中
「ギャー」
という断末魔のような叫び声
「ひ、姫様」
悲痛な声を聴きミトは反射的に飛び出す
身体強化加速 風 物凄、勢い巨大空間を突っ切る
ドームの中央付近ジェネラルタイプのかなり大きなオークが
少女の腕をつかみ引きちぎる
その光景を目の当たりに見てミトは一気に頭に血が上る
加速したままジェネラルオークに突っ込みオークにぶら下がっている少女の腰を
抱きかかえオークの二の腕に剣を刺し少女を放させ首を切り裂き
顔面にケリを入れ反動で少女を抱えたまま後方に飛ぶ
ミトは倒れこむオークから目を離さず後ろに少しずつ下がる
「魔導士殿」
「ミトさん」
カレット、ミシェル イリアたちが追いついてくる
「この人をお願いします」
抱きかかえていた少女をミシェルたちに預ける
「ひどい、すぐに止血を」
「姫様しっかり・・・」
ミトは倒したオークの奥祭壇のようなものがある場所をみる
「魔導士殿あれは?」
カレットがミトの横に来て言う
「ええ、あれがここのボスのようですね」
グルルル
ミトはボスと思われるオークに一歩一歩近づいていくカレットもそれに続く
「大きい、それになんだあの格好は?」
そこにはジェネラやルキングよりもはるかに大きい巨大な、しかも人間の司祭が着るような
法衣を来たオークがいた
「お前がオークの神か?、と言っても言葉は通じないか・・」
【我は神ではない】
「オークが言葉を?・・・」
「将軍、みんなを下がらせてください突っ込みます」
グルルルル グルルルル
オークは唸り声をあげるとミトを見てにやりと笑うと
光に包まれ消えていった
「転移魔法、逃げたか?」
剣を鞘に納め一息つく
「姫様、姫様、しっかりしてください」
「けが人は大丈夫ですか」
姫と呼ばれる怪我をした少女に駆け寄る
「き。騎、士 様、二人を救っていただい・・こと、感、謝・・いたしま・す」
「出血がひどく私の力では・・・・・」
ミシェルが悲壮な顔で一生懸命回復魔法をかける
「良、いのです、できれば、ふ、二人の事お願いします
「姫様、ダメですしっかりしてください」
黙って聞いていたミトがカレットに
「カレット将軍 お願いがあります」
ミトはカレットを見ず怪我をした少女を見て言う
「何なりと」
カレットはこともなげにそう返す
「この後しばらく動けなくなると思いますので担ぐか引きずって帰っていただけますか?」
「承知しました、お任せを」
カレットはミトがこの後何をするのかわかっていた
『行くよ』
『やれやれ、またお母さんに怒られるよ』
『それは・・・・怖い』
ミトは両手を広げ目をつぶり天に祈る、スフィアが緑から金色に輝き始める
「これは、何?この暖かい光は・・」
二人の少女は光の粒に手を翳す
頭上から降り注ぐ光
「綺麗」
姫と呼ばれた少女がつぶやく
ミシェルは少女の額の汗を拭いながら
「もう大丈夫ですよ」
と笑顔でそう言った
ミシェルにもミトが何をするのかわかった、ステイシーとロイドを救った光
ミトは腕を胸の前で重ねそれを一気に広げ全てを解き放つ
「神聖法術 再生」、まばゆい光が皆を包み込みそして消えていく
『だから言ったのに』
ミトは前かがみに倒れこむ、すんでのところでカレットが抱きとめる
「ありがとう、お疲れ様でした」
カレットは小声でそういうと皆に向かって「さー急いで脱出です」
それを、聞いて二人の少女は
「でも、姫様は・・・あれ」
「えと?あれ?」
「なんともない、腕もある?」
姫様と言われた少女と、おつきの二人は何があったのかわからず
顔を見合わせて首をかしげる
「3人とも急いで、ただ傷は治っても失った血は完全には戻りません
二人で支えてあげてください」
「「はい」」
「さー脱出です」
やっぱり、面白くないのかな
ブックマークも増えないし
ま、頑張って細々書いていきます