授業開始
うわー大きいな、と上を見上げていると
「ミト、何しているの早くおいでよ」
ファリアがこっち向かって叫んでる
「うん」
僕は軽く返事をしてファリアたちの元へ走る
入り口に剣を腰に差した人が両脇にいる、大きいな戦士かな
みんな、横を通るとき挨拶をして通る
「おはようございます」僕もみんなのまねをしてその場を通り抜ける
通る時、ちらっとこっちを見たような気がしてちょっと緊張した
靴はそのまま履き替えずに入れるんだな廊下は広く天井が高いキョロキョロしながら
歩いていると廊下の先正面にとても大きな絵が飾られていた描かれているのは女性
吸い込まれるように見入っていると
「ミトー」
ファリアは階段の途中でこちらを振り返っている
「Aクラスはこっちよ忘れたの」ファリアのあきれたような声がする
「ゴメンすぐ行く」
走って階段を上り二人に追いつく
「何してたんだ?」
マルナに聞かれて廊下の奥にある大きな絵を見てたと言ったら
「ああ、テレスフィア様ね」「すごい魔法使いだったって人でしょ」
「そうそう、何か魔法を撃ったら山がなくなったとか、もう助からないって言う怪我人が
あっという間に全快したり」
「すごいんだね」
「もっとも、今はそんな魔法使える人いないけどね」
マルナが少し残念そうにそう言いながら「で、ミトはテレスフィア様に見とれてたわけ?」
「あ。うん・・・何かお母さんに似てるなと・・・」
嘘ではなく今朝会ったお母さん?によく似ていた
二人もなるほど美人出しなーという顔をしていた
そんなことを話していると
「さあー授業を始めますよ教室に入って」と言う女性の声がした
慌てて、教室に入りどこに座ろうかとしていたら、あんたは此処でしょと言って
ファリアの横に無理矢理座らされた
教室には5人の同じぐらいの子供がいる
教室は結構広く僕が通っていた小学校の教室と同じぐらいかな
黒板の前に教壇、机は 前列に2後列に3となり前列窓側教壇から見て右側に僕
そのとなりにファリア後席の窓側にマルナあと二つの席には知らない女の子が座っている
生徒が5人・・ずいぶん少ないな
「皆さんおはようございます」
凜とした声が教室に響く
「おはようございます」生徒も先生に挨拶を返す
先生は笑顔でお話を進める
「皆さんは本日から魔法学校基礎科の授業がはじまります基礎科は3クラスからなり
Aクラスは5人Bクラスは10人Cクラスは20人 合計で35人
皆さんがいるAクラスは魔法に対する基礎能力が生まれたときに高い人たちが集められています
つまりトップから5人がここにいることになります」
すごいな、魔法の能力が高いって・・・なんで僕が此処に?
今朝起こされるまでただの小学校6年生 もうすぐ中学生ってだけだったのに
なんで・・「ミト君」・・こんなことに・・「ミト・ハンジェリン君」
「ミト」
ファリアに声をかけられ先生に呼ばれていたのに気づく
「ミト君」もう一度呼ばれ
「ハイッ」と返事をする
「自己紹介をお願いしたいのだけど良いかな?」
指名された僕は立ち上がり先生の横に立ちクラスメートを見渡す
「えっと、僕の名前は ミトと言います・・魔法は良くわかりませんが
えと、その頑張ります」
パチパチと言う控えめの拍手が起こるなか
「あなた・・・エメラルド色のスフィアですのね」
後列真ん中の女の子が言った
エメラルド色?スフィア?何のこと?と思っていると
ほんとだ とか 初めて見たとかの声が聞こえる
僕が不思議そうな顔をしているのを見て先生が僕の胸元を指さした
そこにはリボンにつけられた石が綺麗な緑色に光っていた
あれ、この石 朝はブルーだったような気がする
「それについては後で説明しますね、では次の人自己紹介の続きをお願いします」
次の、ファリアが席を立て自己紹介を始めた
ええっっ前に出なくて良いの?
「私はファリア・コレットです ミトとは家が近くてよく遊んでいます」
後席窓側のマルナの番「俺は、マルナ・ミトラだよろしく」
後席真ん中の子が次に立ち上がり僕をチラッと見て正面を向き
私は、アリアルナ・デル・ソレットです ソレット子爵家の3女です
子爵って物語に出てくる爵位だよね、貴族の娘ってこと?
「ココ・アンジェルです、よろしくお願いします」
後列3人目の娘の自己紹介が終わった
はい、ありがとうございました
これから、1年間よろしくお願いします
私はこのクラスの担任でカリラ・メイシホンと言います光魔法、特に回復系を教えています
本日は、午前中は座学で魔法理論、午後は実践を想定した訓練になります
それでは、授業は10分後からはじめます