お母さん
また明日と言うことになり今日は解散となった
Aクラス改めSクラスのメンバーは帰宅のため準備にかかる
教室を出て廊下を歩く、前を歩くファリアが後ろを向き
「何か、大変なことになっちゃったね」
「おう、王女様付き特殊魔法部隊とかイメージわかねーな」
ファリアの言葉をマルナが拾う
みんな少し不安そうだ
「ゴメンね」
僕が俯きながらそう言うとアリアルナさんが顔をのぞき込みながら
「何が、ごめんなさいですの?」
「えっ?」
顔を上げるとみんなが僕を見ていた
「謝られるようなこと何かした?覚えがないんだけど」
ファリアがむっとした顔で詰め寄ってくる
「僕がよけいなことしなければ、みんなを危険に巻き込むことは
無かったのにと思って・・・」
アリアルナさんは僕の鼻先に人差し指を突きつけて
少し怒ったように
「まず、王女様を救われたこと、私たちを守ってくれたことは・・・余計なことではありません」
「あっ」
「訂正する必要も謝る必要もありませんが、それだけ覚えておいてください
それと、もう一つ他の皆さんは分かりませんが私は子爵家の娘です
貴族の家柄として王女様付きの魔法士になれると言えば家中狂喜乱舞ですわ」
アリアルナさんは一気にまくし立てるとフンっと鼻を鳴らし手を腰に当てふんぞり返る
「そうそう、気にするこないわ
王女様付きなんてエリート中のエリートじゃん」
ファリアがアリアルナさんを押しのけ前に出る
「そうだな、うちの親も喜びそうだ」
「マルナ・・・・でもみんなの命を危険にさらす事になるんだよ
最悪のことだってあるんだよ」
「その時はミトが守ってくれるでしょ」
「そそ、信頼してるよ」
ファリナの言葉に流石に言葉が荒くなる
「信頼って、そんな簡単に・・」
「フラン・・・」
「えっ?・・ココさん?」
「ミトさんのお母様の名前・・・フラン・ハンジェリンですよね」
「そうですけど・・」
ココさんは僕を正面から見て
「今思い出しました、フラン・ハンジェリン、正式にはフラン・スフィア・ハンジェリンですよね」
僕はウンと言うと
驚いたのはアルアリナさん
「ス、ス、スフィアって女性に与えられる最高位の称号ではないですの
確か過去にも現在にもスフィアの称号を贈られた人は一人しか居ないって」
「そ、そうなの?」
「マジか?」
ココさんは頷くと
「私のお父様が魔道士団に入団したときフランさんの隊に配属され
何度も命を救われたと小さい頃から何度も何度も聞かされました」
ココさんはみんなの顔を見回してから僕に向かって
「お父様の命の恩人、お父様が一番に信頼していた人が貴方に頑張りなさいと言ったのですよ
信頼するなと言う方が難しいです」
「ココさんの言うとおり、ミトは考えすぎ」
「そうですわ、もっと肩の力抜いた方が良いですわ」
「だな」
みんなの笑顔がまぶしい
この笑顔だけは何があってもわ失いたくない命に代えても守り切ると誓った
みんなと別れ家に帰る
ドアを開けるとおかえりーと言うお母さんの声が聞こえる
いつもと変わらないおかあさんの優しい声
キッチンに行き、食事の支度をするお母さんを黙って見つめる僕に
「どうしたの早く手を洗ってきなさい」
と言って鼻歌を歌いながら食事の支度に戻る
「お母さん」
「ン?なあに?」
「僕はお母さんの子供で良いの?」
お母さんは支度の手を止めて僕の方に歩み寄る
「何を思って聞いているのか知らないけどミトは間違いなく私の息子よ」
お母さんは僕を易しく抱きしめて
「貴方は幸せになるため、お母さんの子供になるため、そのためだけに生まれてきたの」
貴方の幸せがお母さんの幸せなの・・・・ねっ」
僕はお母さんに涙を見せないように
「お母さん・・」
「なあに?」
「お母さん」
「大丈夫、私は何処にも行かないから・・・ね」
「ウン」
「今日は疲れたでしょ、さぁーご飯にしましょ」
ご飯を食べながら今までの事を思い出し
僕のお母さんは今も昔もフラン母さんだけ、ただそれだけ・・・・
「お母さん、おかわり」
誰も読んでないないと思ってましたけど
ブックマーク増えて
評価まで入れて頂いてびっくりしてます
あまり面白くないですけど頑張ります