昔話
「陛下、フランを牢から出してください」
彼女は町の人たちを苦しみから解放するために魔法を使ったんです」
それを犯罪者として投獄するとは酷すぎます」
「そんなことは、分かっている・・」
国王の返事に王妃は怒りをあらわにする
「いいえ、分かっていません、たった15歳の女の子が罪のない町の
人を手にかけると言うことがどういうことか・・・・・・
フランはフランはどれほどの覚悟で魔法を撃ったのか・・どれほど辛かったか・・それを・・」
王妃は堪えきれず泣き崩れてしまった
国王はそれをみてうつむき目頭に手を当てる
「すまぬ、許せマリシェル」
「どんな大義名分を使っても禁忌とされる、極大魔法を使用した大量殺人には違いないのだよ」
「そんな・・・・」
意気消沈する王妃に近づき
「必ず彼女は救い出す、分かってくれ」
「全く親子そろっておんなじ事を・・・」
「お母様が?」
お母さんは王女様の言葉に頷くと
「そうよ、マリシェル・メイア・デル・シュタインベルト王妃
貴方のお母さんでしょ」
二人の間に沈黙が走る
お母さんは僕の方を向いて聞いてきた
「ミト貴方はどうしたいの?国のため命をかけることになるよ」
みんなの視線が僕に集まる
「僕には国を守るとかは言えないけど、僕にしか出来ないことが、もしあるなら
それが、お母さんや他の誰かを守ることになるなら・・」
僕の言葉に
「そ、なら良いわ 頑張りなさい」
「ご理解感謝いたします」
王女様はお母さんに頭を下げる
「マリシェルのことを思い出さなければつれて帰れたんだけどね」
「しょうが無いわね・・・・・」
「王妃様 此処は王妃様がいらっしゃるような場所ではありません」
「構いません道をあけなさい」
薄暗い地下に通ずるらせん状の階段を共をつれ一段ずつ降りていく
「私は友を迎えにに来ただけですから」
薄暗い湿った空気、すえた匂いこんなところに・・・フラン
「王妃様、こちらです、いらっしゃいました」
駆けつけると手に魔法封じの手枷を付けられ顔に無数の痣・・
「牢を開けなさい」
「しかし、こいつは犯罪者ですよ」
その兵士の言葉に反応したのは、王妃お付きの兵士だった
「こいつ?・・・彼女は刑が決まるまでは魔法軍准将ですよ
それをこいつ呼ばわりとはずいぶん貴方はお偉いんですねー・・早く開けろ王妃様がぶち切れたら
この城ごと粉々にされるぞ!!」
「わ、わかりました」
開いた扉から王妃様は自ら飛び込む
「フラン、フランしっかりして」
「マリシェル様・・・ど、どうして此処に?」
「迎えに来ました、貴方は刑が決まるまで虚空の塔に幽閉となります」
「王妃様、手枷の鍵です」
「プラム大佐・・・・貴方まで・・・」
王妃様が手枷をはずそうとするとフランが悲鳴を上げる
酷い腕の骨が砕けている
お前らがやったのかと言わんばかりにプラムが看守を締め上げる
「フラン本当は治癒士を呼んでちゃんと手当てしたいのだけど貴方をここから早く出したいので
私が応急処置をします、酷く痛むと思うけど良いかしら」
「大丈夫・・やってください・・」
王妃は処置をするため自分のドレスの袖を引きちぎりフランに咥えさせ腕に触る
ぐあーー悲鳴を上げるフランに王妃も涙を流しながら
「我慢してね で、きるよ ねフランな・ら・・町の人の苦しみを止めてあげるための一発の魔法が・・鬼だ・・・悪魔だって貶まれても・・我慢できた貴方ですものね」
「大丈夫、絶対私が守るから」
「全くこの親子は・・」
「えッ」
「何でも無いわ、あ、そうだ一つだけ」
お母さんは指を一本立ててウィンクしながら
「あげないわよ」
意味が分からないことを一言いうと帰って行った