始動3
「でも、キングを倒したなら大丈夫じゃないですかキングって王様ですよね?」
ファリアの発言にAクラスの他のメンバーもミシェル王女を見る
ミシェル様は、にこりと笑って
「そう思われるのは仕方が無いのですがキングやジェネラルと言うのは
オークの中での上級種に対してのただの呼称でオーク全体では
どのような事になっているか、分かっていないことの方が多いのです」
「って事は・・し、失礼しました」
王女様にファリナが普通に話して慌ててる
「良いのですよ、普通にして頂いた方がうれしいです」
「では失礼して、今のご説明だと、キングと呼ばれるオークはたくさん居ると言うことですか?」
その質問に答えたのはテルミナ准将
「確かに複数居るとは思われますが上級種であることは間違いありません
パルレオ山の内輪部までは入り込めませんから断定出来ませんが多くはないかと」
「パルレオ山」
マルナが呟いた一言にファリナが続く
「幻想の森を抜けて、ここからだと1000Km以上は離れた巨大火山ですね」
「ええ、あまり良くはわかっていないのですが、火山を中心に
かなりの数のオークが確認され、その中に一定数の割合で上級種が混じるとされています」
「なるほど呼称か」
「ただ・・・」
マルナの発言を遮るように王女様が呟く
「ただ?」
アリアルナさんが心配そうに王女様に尋ねる
王女様は無理に微笑むと言葉を続けた
「今から、少し前一人の斥候が幻想の森で瀕死の状態で見つかりました
その斥候が息を引き取る前に無数の卵とクイーンとそれを守る数体のキングをを見たと・・」
「クイーン?」
「その時斥候が何を見たのかは分かりませんがクイーンと呼ばれたオークは
キングよりも遙かに巨大な姿をしていたと」
「そんなやつが居るんですか?」
「ええ、そして王都に向け徐々に進行してきているとオークに関係しているようです」
「進行?」
「オークが王都に向けて?」
ファリナが驚きの声をあげる
「ええ、皆さんに集まって頂いたのもこの件に関係しています」
「ミトさん」
「ハイ、王女様」
「今現在、単独でオークに敵対できるのは貴方だけです」
「Aクラスの皆さんと一緒にオーク討伐作戦に参加して頂けませんか?」
王女様の言葉に慌てたのはアルアリナさん
「ちょっと待ってください
私たちも一緒にってミトさんと違っていくらAクラスと言っても
私たちでは役に立ちませんよ」
ドカーン
その時応接室の入り口が爆発でもしたかのように開かれた
「内の馬鹿息子がここに居るって聞いたんだけど」
「お母さん?」