魔物再び
「今日の魔法論理の授業、先生気合いはいってましたわね」
午前中の授業が終わり、食堂で5人でかたまり食事をとっている
「そりゃ、午後の実技の授業で教えるのが生徒とかあり得ないでしょ
しかも、初等科よ・・先生だって貫禄見せたいでしょ」
「で、ミト今日は何やるんだ」
「えっ?」
いきなりの質問に呆けていると
「えっ、じゃないでしょ授業内容考えてないの?」
「無茶言わないでよ、授業をやるって今朝聞いたんだよ
しかも、午前中の授業、難しかったし」
魔法など触れたことのないミトにとって理論などの授業は難しい
「とは、言ってもやること決めておかないと」
ココさんまで
「うーん、とりあえず昨日の復習からかな」
最初は気持ちを集中させる事から始めて
頭の中で、いかにイメージを効率よく組み立てられるかの練習かな」
「昨日やったやつだよね」
「あれをやったら魔法の威力が上がったもんな」
「でもねマルナ、あまり威力ばかり上げようとすると暴発するから気をつけて」
「イイ?暴発?」
「あんた気を付けなさいよ」
ファリナに肘で小突かれ顔をしかめるマルナ
「けっ疫病神が授業とか冗談じゃねーよな」
「今度は教室ぶっ壊すんじゃねー」
一つ離れたテーブルにいたグループから声が上がる
「何だと?もういっぺん言ってみな」
反応したのはマルナ
「下っ端が粋がってますわね」
「マルナ、アリアルナさんだめだよ」
「Aクラスだからっていい気になるなよ、でめ・・」
文句を言っていた連中が急に固まった
「何かもめ事ですか?」
声のする方に目を向けると白い法衣の女性と背の高い女性が立っていた
白い法衣の女性が僕に微笑む
「貴方がミトさんですか?私は聖ファリアスカ教会のフランシスと申します」
「聖ファリアスカ教会のフランシスって、たしか最高司祭じゃ」
フランシスさんはファリアの方を向き微笑む
「し、失礼いたしました」
流石のファリアも緊張している
「私も自己紹介させてください
ここ魔法学校で客員教授をしていますルミナです
本日は王城から直接来たので魔法師団の軍服で申し訳ない」
「魔法師団?、ルミナ?・・・・・・」
「まさか・・魔法師団 師団長 ルミナ准将?」
嫌みを言っていた連中から呻くような声が漏れる
テルミナ准将は声のする方を一瞥して僕の方を向き直る
「私たちもミトさんの授業を受けたくてお願いに上がりましたのどうかしら?」
「もちろん、カリラ先生の許可は頂いています」
「それは、かまいませんが・・・」
いつの間にか二人の後ろにかなりの巨体にフードを目深にかぶった人がいた
「あと一人、学校の人間ではないのですが一緒によろしいですか?」
「それ、お二人の後ろの大きい人のことですか?」
「えッ」
二人が振り返った瞬間
「ぐあああああああああ」
急に雄叫びを上げフードを破り捨てる
「オーク!!!」