やっぱり、この世界でも
「おはよう、ミト」
「おはようファリア、おはようマルナ」
「おはようさん」
ミトは迎えに来た二人と共に学校に向かう
「今日は授業あるかしらね」
「そうだな、昨日はミトの魔法講義で終わっちゃったもんなー
さすがに二日連続はないんじゃね」
「だと良いけど・・・ン?なんだろう校門の前」
3人が校門の前まで行くと黒山の人だかり、それをのぞき込むと
無造作に貼り付けられた紙
その紙には『疫病神出て行け』と書いてある
「何よこれ?どういう意味?」
なんかいやな感じがするこれって前にも
「あれ、あれってアリアルナさんじゃ」
教室の窓からアリアルナが早く来いと言わんばかりに手を振っている
「何してるんだろ、とにかく急ぎましょ」
教室に入った3人の目には異様な光景が映った
「何よこれ誰がやったのよ」
ファリナが声を荒げる
そこにはいたずら書きがされた机があった
「掃除しても良かったのですけど、見せてからと思いまして」
「疫病神か・・僕の机に書いてあるんだから僕のことだよね」
「掃除用具はロッカーの中だっけ?」
「何のんきにしてんのよ、こんな事されて頭にこないわけ」
ファリアがミトに詰め寄る
「うーん、でも実際に実習場壊したし授業も2日、出来てないしさ
そう言われても仕方がないかなと」
「あきれた、何言ってるんですのこんなの負け犬の仕業じゃないですの」
「うは、負け犬って 酷い」
「酷くないですわ、私たちは貴方を支持しています、こんな事するのはBかCクラスですわ」
「でも、証拠があるわけじゃないから・・あった雑巾」
「手伝います」
「ありがとうココさん」
雑巾を持つ僕の前にファリアが腰に手をやるお決まりのポーズで立つ
「なに平然としてるのよ。もっと怒りなさいよ」
「困ったなー、人がたくさん集まれば誰か一人こんな目に遭うんだよ」
「でも、指示してくれる味方もいるから大丈夫」
ファリナから離れ自分の机を拭く
「もう、手伝うわよ、かして」
みんなに手伝ってもらい机の落書きを消していると
カリラ先生がやってくる
「皆さんおはようございます」
「「「「「おはようございます」」」」」
「あら、何かありましたか?」
「いえ、大丈夫です何でもありません」
「昨日はご迷惑をおかけしました、急遽開かれた教授会で丸一日がかりでした
話がまとまらず大変で・・」
先生はこれ見よがしに自分の肩を叩く
「それで、新たに決まったことがいくつかあります」
「まず、授業に関しては午前中は魔法理論、魔道具講座と座学中心で担当は私が行います」
そのあと、先生は僕をチラッと見て
「午後の魔法実技は新講師としてミト・ハンジェリン君にお願いしようと思います」
「「「「「「えーーーーっ」」」」」
「な、な、なんですかそれ?先生本気ですか?」
「まって」
僕が抗議使用とするのをファリアに止められる
「考えようによっては、良い案かも」
「そうですわね、ミトさんに昨日教わったイメージの作り方で魔法能力値が上がりましたから」
「イメージの作り方?」
何故かコレット先生が食いついてきた
ええ、昨日先生方がいらっしゃらなかったのでミトさんに特別講義をしていただきまして
ミトさん流のイメージの作り方を教わったら魔力の効率とか制御が良くなりましたの」
先生は何事か考え、とんでもないことを言った
「ねーミト君」
「ハイ」
「それって私も受講して良い?」
教室が一瞬にして凍り付く
「だってー私だって魔法うまくなりたいよーーー」