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最悪への序章

「国王陛下よろしいですか」

「何かね、カーロ伯爵」

「魔法学校の教授会に出席していたルミナ准将が戻りました」

国王は頷き

「わかった、会議には師団長とミシェルも同席するよう通達を」

「かしこまりました。」

「陛下」

「情報長から言付けを預かってまいりました」

「ご苦労」

国王は綺麗に折りたたまれた紙を丁寧に開き読むと、ため息を付き

部屋を後にした


王宮の一室あまり大きくない部屋に

国王、アルフ 第一王女、ミレイユ 第三王女、ミシェル 

ノルア公爵、カーロ伯爵 近衛師団、師団長カレット 魔法師団、師団長ルミナ

情報将校としてキルミナ中尉も同席している


「皆、忙しいところすまない、今日集まってもらったのは昨日

ミシェルが乗った馬車をオークの集団に襲われた件についてなのだが」

「それは良いのですが父上、なぜ会合場所をこの奥まった書斎に?」

ミレイユの疑問に

「外には出せない事柄があるということではないかな」

答えたのはノルア公爵だった

国王は無言で頷き

「カレット少将、昨日のことで何か変わったこと気づいたことはないかね」

指名を受けた師団長カレットは国王の方に顔を向け

静かに語り始めた

「私の考えでは、あのオークの襲撃は計画されたものではないかと」


「そんな馬鹿なオークといえば自分たち以外の生き物は見境なく襲うような

只凶暴なだけの生き物だぞ?」

「公爵閣下、私も、そう思いますが、街道沿いに罠がありましたし

待ち伏せをされた形跡がありましたし

第一波、第二波と攻撃を分け後陣にはキング、将軍クラスもいました

そこから考えても作戦を与えられ遂行する、統率された軍隊という感じでした」


「統率されていた・・か・・・ミシェルお前の回復魔法は感応能力系だったが

何か感じ取ったものはあるかね?」

「お父様、」

国王の質問に声を上げたのはミレイユ


「ミシェルに昨日の事件のことを思い出させるのはかわいそうです」

「どれほど怖い思いをしたか・・」「お姉様」

立ち上がり国王に注意をするミレイユをミシェルがそっとなだめる


「良いのですお姉様、大丈夫です・・・あの時、確かにオークの感情が頭に流れ込んできました」

ミシェルは声を震わせ語り始める


王女は・・・生け捕りにしろ・・ほかの・・者は殺・して・・かまわない・・・」

「馬車を狙えとも・・」

ミシェルは下を向き震えながら昨日感じたことを話した


「ありがとう、もう良いよ、すまなかった」

下を向き震えるミシェルをミレイユがなだめる

「もう、自室で休んだら方が良いんじゃない」

「でも、私にしか分からないこともありますから」

ミシェルは無理をしてミレイユに微笑んでみせる


王女の馬車を意図的に狙った?、その事の重大さに皆が驚嘆するなか

国王は懐から二つ折りの紙を取り出す


「国王それは?」

「これは、先ほど情報局から届いたものだ」

「これには、オークが戦の準備らしきものをしていると・・ある」


「情報長、他に付け加えることはあるかね?」


「はっまだ確証はとれていませんが

 パルレオ山周辺に忍ばせている斥候からは王都に向け攻めてくるのも時間の問題だと」


国王は小さくため息を吐く

「時間の問題か」


「ルミナ准将」

「ハイ、侯爵閣下」

「我々の戦力で攻め込んでくるオークに太刀打ちできるのかね?」

ルミナ准将は答えにくそうに

「今の戦力ままでは被害は甚大と思われます」


「ままではとは何か策があるのかね」



「それについては ミシェル様と近衛師団 カレット少将にお話を聞きませんと」


「例の謎の少年か」















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