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授業が始まらない理由

授業が始まらない理由


暗い一室燭台にセットされた蝋燭の炎が揺れる時間は早朝

部屋の中央には10人が座れる円卓が置かれそこに8人の人間が座っていた

昨日の放課後に

緊急の会議を開いたが自分たちの手に負えず今朝から

魔法学校の最高責任者 理事長ミゼリナと攻撃魔法学専攻、魔法師団所属 ルミナ客員教授

を含めた8人で行われていた



「ミトと言う学生はそんなにすごいのですか?」

「ミゼリナ理事長すごいなんてものじゃありません、あんな魔法見たことがありません」

理事長と呼ばれた女性にミトの担任カリラが答える

「まー凄いとか言うか演習場の壁を吹き飛ばした威力を考えると魔力制御量が半端じゃないんだろうね」

この発言は魔法学、主任教授 アルフ・デル・フォレスト

「魔力制御量ですか?」

「ええ、メイファン先生、実際に見たわけではないので憶測になりますが

イメージを造れたとしても普通は魔力が大きければ大きいほど、制御出来なくなります

そのため、限界を超える前に魔法を放出することになるのですが

彼の場合は魔力量も勿論ですが、それを制御する力がものすごいんでしょうね」


「ドリストイン校長、彼の両親はやはり魔法関係の人間ですか?」

「母親と二人暮らしです、母親は以前、魔法師団に席をおいたこともあるようですが名前は・・」

「名前は フラン・スフィア・ハンジェリンですね」

名前を聞いてアルフ先生の目が開く

「コレット先生 フ、フラン・スフィア・ハンジェリンって

魔法学校、在学中に演習場どころか校舎半壊させたっていう伝説の?」

参加メンバーは顔を見合わせる

「理事長ご存じでしたか?」

「名前だけは、確か12歳で入学して半年で強制卒業させられたと・・・私がまだ此処に来る前の

事で話だけですが聞いています・・・」


「どうかしましたか魔法師団ルミナ准将?」

ミゼリナは一人だけ俯いたまま考え込む女性に声をかけた

「いえ、少々気になることが」

「気になること?と、いいますと?」

「機密に関わることもありますので詳細は伏せさせて頂きます

それと、此処だけの話としてください」

会議室が重い空気に包まれる


「わかりましたお約束します」


会議に参加しているほかのメンバーも無言で頷く


ルミナ准将は静かに語り始めた

「気になることは二つ、一つ目は今、議題に上がった少年の母親

フラン・スフィア・ハンジェリンですが今から約20年前、国王様王妃様を守る

警護隊長に若干15歳で抜擢されたはずです

私はその時まだ子供で、父に連れられ王城の式典を見に行きました

その時に王妃様の横にいるかっこいい人は誰と聞いて父に教えてもらいました」

ルミナは一息つき続きを話し始める


「昨日になりますが隣国、国王謁見を終え王都に戻る途中の王女の乗った馬車が

王都まで約30キロの幻想の森の中程でオークの一団に襲われました」

「オークに?」

「馬車を守る近衛隊は50人ほどでしたが王女の乗った馬車を守るということもあり

近衛師団長以下5人の精鋭部隊が同行していましたしかし・・

300匹からなるオークに為す術もなかったと」

「300・・・」

そのとき、空からものすごい風が地面ごとオークを引き裂いたそうです」

「待ってください、300匹を一撃でですか?」

あまりのことにミゼリナ理事長聞く

「はい、そう聞いています、しかも撃ちもらしたオークも狙い撃ちしたと・・」

『凄いですね、一匹でも5人がかりで倒すようなオークを」

「いえ、それだけではありません空から降り立ったのは一人の少年だったそうです」

「しょ、少年?」

「それがミト・ハンジェリンだというのですか?」

「いえ、少年は名乗っていませし断定は出来ません

近衛兵はその子供を怪しんだそうですが、師団長は味方と信じ、彼に協力をお願いしたそうです

彼はオークの第二波が来ると良い

その通りになったと、そしてその後のことで

師団長は目を疑ったそうです、目の前の少年は土、火、風の三連続の魔法を発動させ

第一波より多い数のオークを撃退し

騎士の剣に付与した魔法は一撃でオークを倒したそうです

「凄いですね。それは神がかっているとしか言い様がない」

「私も凄いと思いました、それだけでしたら・・・」

「まだあるのですか?」

呻くようにカリラが呟く、ルミナはそれに頷き続ける

「オークキングが現われたそうです」

さすがに会議室が凍りつく

「オークキング?って国が相手するような敵じゃないですか?」

「一個師団でも勝てるかどうかの相手ですね」


「まさか、それを倒したと?」

「そればかりか、オークキングにやられ、殆ど息のない重傷者を治して見せたと」

「そんな、凄いヒーリング魔法があるのですか?」

「いえ、ミラン先生」

「軍の魔法医は彼が使う魔法を見て神聖法術といったそうです」

「神聖法術」

その発言はミランではなく白いフードの女性

「聖フランシスカ、ご存じなのですか?」

聖フランシスかと呼ばれたのは白いフードの女性は、皆を見回し

神聖法術は現在使えるものはいないと言われている、伝説の法術です

「准将、神聖法術は個人に使ったのですか?」

「いえ、報告では少年は金色に光った後、すべての怪我人が何事もなかったように治ったそうです」

「そうですか、金色に・・・・」

その後、しばらく声を上げるものはいなく、時間だけが進んでいく





























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