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王国会議は踊らない

「オークキング」

シュタインベレット王国、その王都にあるギルムス城の一室で最初に声を上げたのは

国王、アルフ・ブライフォン・デル・シュタインベルト

「カーロ伯爵それは確かかね」

「近衛師団長からはそのように聞いておりますが昨日の今日でまだ詳しいことは・・」


「パルレオ山の外輪山の外にオークが現れることなど滅多になかったのだがな」

国王が独り言のように呟く

「情報長キルミナ中尉」

「ハイ、カーロ閣下」

「今回の事件で多少なりとも得ている情報はあるかね」


「今、斥候部隊を幻想の森にて任務に当たらせておりますが、いまだこれという報告は

ただ、おかしな点が一つ森に魔物が極端に少ないとの報告が上がっています」

「魔物が少ない?」

「はい、昨日の戦闘があった場所は勿論ですが周囲にもほとんどと言って良いほど魔物がいないと

連絡が入っています」


「後は斥候部隊の報告を待つしかないか」


「カーロ閣下、よろしいですか?

「私からも、一つご報告が・・」

「ああ、どうぞ、ライム大佐、何でしょう」

「昨日、王女様が無事帰還されてすぐ私の隊は現場周辺の調査に当たりました

王城から南東25㎞の幻想の森に大破した王女様の馬車を発見

その付近に諸刃の巨大な斧とオークキングと思われる死骸・・」

部屋の中が一瞬ザワつく

「やはりオークキングが、間違いないのかね?」


「おそらく・・飛ばされた頭を胴と合わせれば3メートルは優に超える大きさでしたし

装飾から見ても間違いないかと」

「頭が飛ばされていた・・?」

「ええ、一刀両断されて泣き別れと言うやつです」

「一刀両断?まさか切られたと?剣で?」

「信じられませんがそのようです」

「ライム君」

「ハイ、国王陛下」

「先ほどから淡々と明るく語っているが、どうかしたのかね」

「申し訳ありません、陛下、この後のご説明を考えると・・・なんとも」

「まだ、あるのかね?」

はい、オークキングの死骸から500メートルほど離れたところに近衛騎士団とオークが戦った後が

ありました、地面ごと引き裂かれていたオークの数約300」

「さ、300?」

ライムはその声に少し反応して一息つき、まだだと言わんばかりに首を横に振る


「確かにそれだけでも驚きなんですが、そこから少し離れたところにさらに大きな裂け目に

1000匹以上のオークが・・その中には将軍クラスも混じっていました」


「それを、空から舞い降りたたった一人の少年が起こした奇跡だということか」

「この会議は此処までと言うことにしよう」

「続きは夕刻に、皆夜通しの任務ご苦労だった」


「ゆっくり休んでくれ」


一人になった王は窓から空を見て一人呟く


「いったい何が起こっているのだ」



















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