いつもの朝、違う朝
鳥のさえずりが聞こえる
あーもう朝か・・・・まぶたが重い・・また、夢の中に・・・
昨日のこともやっぱり夢
「起きろーーーー」
いきなり布団を引っ剥がされて頭をグリグリされる
いたい、いたい
「ごめんなさい・・起きました、起きました」
慌てて飛び起きてお母さんを見ると昨日見た優しい笑顔だった
お母さんは「朝ご飯にしましょ、すぐ迎えが来るわよ」
そう言ってお母さんは部屋を出て行った
朝食を二人で食べながら
お母さんは美味しい?と聞いてフフっと笑う
「もうそろそろ、ファリアちゃんたち来る時間ね」
時間的にそんな時間
でも・・・「行きたくないな」
何気なく呟いた一言をお母さんに拾われた
「なぜ?」
「えっ?」僕が驚いていると
「えっ・・じゃない、な・ぜ・行きたくないの?」
お母さんは食事の手を止めて僕の顔をのぞき込む 近いよ
「だって昨日・・・・」
お母さんは僕の両方のほっぺたを指でつまみ引っ張る
痛くは無いけどしゃべれないよ
「だって昨日暴発事故をおこしてどんな顔していけば・・・」
泣きそうな僕の顔をみてお母さんはポンと音をたて、頬から手を離してくれた
「なんだそんなこと」
「えっ?」
お母さんは聞き返した僕に、笑いながら
「自慢じゃ無いけどね・・私はあんたの歳に校舎を半壊させたことがあるんだからね」
と、言い切った、さらに
「気にしない、気にしない」とも
何言ってるんだこの人、確かにそれは自慢できることじゃないけど・・
「ほら、来たわよ、大丈夫だから胸張って、行ってきなさいな」
そう言いながら僕を見て慌てて
「まだ着替えてないじゃない、早く着替えてらっしゃい」
「みんなの相手は私がしておくから」と言いドアの方に行く
僕は部屋に戻り急いで制服に着替える
昨日、あれだけ動き回ったのに汚れ一つ無い
でも、夢で無いことに頂いた剣が腰についている
やっぱ夢じゃ無いんだよな
着替え終わる頃玄関からよばれ慌てて出て行く
玄関に行くとみんなが大笑いをしている、なんで?
笑いながら僕に気づいたファリアが手を振って
「おはよう、ミト」「今、お母さんに昔の武勇伝を聞いてたの」
「おぅ、おまえのべらぼうぶりはお母さん譲りだっって」
マルナが大笑いしながら言う
「ほら、みんな時間、時間」パンパンと手をたたいたお母さんの合図に
みんなが反応して「「「行ってきまーーす」」」
僕らは学校に向かう、二人が僕の横を歩く暖かい笑顔で・・良いな
何でも無い話をしながら学校に向かう
校門に立つ兵隊さんが僕に向かって軽くお辞儀をする
教室に向かうと昨日、壁を崩した演習場が見えてくる
もうすでに工事が始まってる
教室に入ると2人のクラスメートがすでに来ている
「おはよう」「二日続けて時間ギリギリですわね」
「お、おはよう」
「おはよう、アリアルナさんココさん」
「ウィース」
「おはよう二人とも」
みな、それぞれに挨拶を交わすと予鈴が鳴る
ホームルームの時間になっても先生が来ない
「おかしいね、様子を見てきます」
ココさんが席をたって教室を出て行った
「ねーミトさん・・・・質問があるのですけど」
アリアルナさんから声をかけられた
「何でしょう?」
そのとき、様子を見に行っていたココさんが帰ってきた
「どうでした?ココさん?」
彼女に聞くとココさんは首をかしげて
「先生方は昨日から会議を開いていてまだ終わっていないんですって?」
「なんじゃそれは?」
「徹夜で会議って何?」
「ちょうど良いですわ、ミトさん先ほどの質問ですが」
「あ、はい」
アリアルナさんは深く深呼吸をして
「もし答えたくなければかまいません、おっしゃってください」
僕はゴクッと息をのみ ウンと頷く
「貴方のイメージの造り方について聞きたいのですが何か特殊な幻象形態の仕方ですの?」
「えっ」
僕はアリアルナさんが言った意味が分からなかった
でも、それに反応したのはファリナだった
「まって、それって魔道士にとって命のようなものじゃない」
「それを、教えろって言ってるわけ?」
ファリアは興奮気味にアリアルナに詰め寄る
「だ・か・ら・答えたくなければかまわないと、言・っ・て・ま・す」
ファリアに比べアリアルナは冷静に言う
「ちょっとまって」
僕は二人の間に割って入る
「アリアルナさん、良くわからないけど・・それって昨日、僕が魔法を使ったとき
のこと?」
「ええ、そうですけど・・」
「実は僕、魔法に関して詳しくなくて、それでも良ければ 答えるよ」
「そうですの・・では、私の質問に答えて頂くことはできます?」
アリアルナさんはファリナを少し牽制して
「もちろん、答えられるだけでかまいません」
「もちろん良いですよ」
「では、先生もいませんし教壇で講義形式の説明会にいたしましょう」
「へッ」