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ベータテスター


姉や弟たちの呆れた視線にさらされつつ、東門を出て街道を歩いている。

歩き出しても周りのプレイヤー達の視線はこっちを向いたままだった。

さすがに鬱陶しい…。


先頭を歩くアレンがこれから向かう場所までの説明をする。


「【Calm(凪の) Forest()】に着くまでの街道でもモンスターは出るから気を付けてね!」

「…だからなぜそういう事が分かるんだ?アレン?」

「そーだね…そろそろ白状してもらおうか?ん?」


またもや知っているかのようにアレンが言うのに対し、同じようにツッコみを入れる。さすがに姉貴も気になっているようで、アレンに近づき肩を組みながら白状するように迫る。

さすがのアレンも誤魔化しきれないと思ったのか白状する気になったようだ…。


「わ、わかったよ…もともと俺たちだけになったら教えるつもりだったんだ」

「ふ~ん?周りの目があるとダメなわけ?」

「まぁ目立つことは間違いないね」

「それで、その秘密ってなによ?」

「実は俺とユキはベータテスター…サービスが正式に開始する前にこの世界で遊んでるんだよ、だからいろいろ知ってるわけ」


ちょっと自慢するかのように内緒にしていたことを白状した。

まぁアレンはなんとなくそんな気はしたが…まさかユキまでベータテスターだとは思わなかった…。


「ふふ、アレンはもっと注意しないとすぐにバレちゃうよ?」

「ユキの言うとおりだな、少し感がいいプレイヤーが聞いたらバレる可能性がある」


ユキが少し楽しそうにアレンに言い、ナツからは注意が飛んだ。

アレンは少し抜けているところがあるからな…反対にユキはしっかり者だ。


「うっ…確かにはしゃぎすぎて不注意だったかもしんない、気を付けるよ」

「まー別にいいんじゃない?で、そのベータテスターだとなんで目立つのよ?」

「そりゃいい狩場やモンスターの情報を知ってるんだ、行く先々についてくる人もいるし、パーティ加入の誘いだって山ほどくることになる…どっちにしても面倒臭いでしょ?」

「…なるほど、それは確かに面倒臭い」

「…アキにぃは人付き合い事態をめんどくさがってるじゃないか…」


…鋭い…人の心を読んでくる弟である。


「確かに僕もそうゆうのは嫌だね…どうせなら家族で遊んでたいし…ちなみに、なにか特典もらえたりするのかぃ?」

「うん!ナツにぃ!一応装備とアイテム、そして所持金がみんなより少し多いんだ」

「ん?装備はみんなと変わらないように見えるが…」

「そりゃサービス開始すぐに街中で装備が違うプレイヤーがいたら目立つからね、わざと初期の装備にしたままなのさ!ちゃんと違う奴やつ持ってるよ!」


なるほど、弟にしてはよく考えている…いや昔からゲームになると変に賢かったな。

そうすると…ユキもか。


「ユキもなにか持ってるの?

「はい、わたしの場合は防具とアイテム、そしてスキルが少し引き継がれてますね、街中では言いませんでしたが【キュアポイズン】【キュアパラライズ】【ハイヒール】が使えます、ヒーラーとしてはなかなかのスタートダッシュをきれていると思いますよ?」


まったくの初心者とは結構違うものだな…確かにバレたら騒ぎになりそうだ。

装備に関してはアレンがノービス装備からレザー装備になり武器もブロンズ・ソードに…ユキが防具がノービス装備から薬師シリーズというものに。

アイテムは二人とも【HPポーション×5】ずつみたいだ。


「アレンとユキと戦闘力が大幅に上がって回復アイテムまであるのか…だいぶスタートダッシュきれるんじゃないかい?」

「確かに…てか普通だったら最初に回復アイテムって支給されないか?」

「あーアキにぃ、それは最初の町【城下町アイーズ】で住民から話を聞いたり野暮用をクリアすると回復アイテムが貰えるようになってるんだよ!その分、それなりに時間がかかるけどね」

「なるほど、【ポーション】を持ってるぶん時間を短縮できたわけか」

「そうゆうこと!だからすぐにフィールドに出てきたのさ!」


話しながらしばらく歩いた…すでに城門を通り過ぎ、街の外へと出て歩いている。

見晴らしのいい、若干道の整備が進んだ草原のような場所だ。

アレンの言うとおり、俺たち以外のプレイヤーの姿は見当たらない…街の中でクエストをやってるってことなのか?

まぁ、俺たちは俺たちのペースで楽しめばいいだろ。


そのまま俺たちは雑談混じりのゲームの話をアレンやユキから聞きながら目的地の森へと歩いていった。

さすがベータテスターというべきか…2人は、すぐにこのゲームを始めた人なら絶対に知らない情報を多く持っていて、それを教えてくれた。

知識だけでもかなり得していることは間違いないだろう。


アレンとユキのゲーム講座を聞きながら進んでいると、街道沿いの草むらが大きく揺れた。

みんなが音がしたほうに視線を向けるとモンスターが…少し大きめのウサギが現れ、こっちに気付くとすぐさま威嚇を始めた。






ハル「うわー、うさちゃんだ!飼っていい?」

サクラ「おう!狩っていいぞ!何匹でもな!!」

アキ 「…絶対に字が違う」

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