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集合


白い部屋でキャラメイクをしていた俺は、気づくと目の前には大きな城、周りを見ると同じ装備に身を包んだプレイヤーと思わしき人たちが大勢いた。


「…けっこう人がいるもんだな、こんなんで蓮たち見つかるのか?」

 

秋樹はつぶやきながら自分ことを見る。

普通の服に完全に初心者って感じの装備、腰にはさっき秋樹自身が選んだ装備であるナイフが2本差し込んである…そのままステータス画面を確認してみる。


「ステータス」


秋樹の言葉とともに、秋樹の目の前に半透明なステータスボードが浮き上がった。


---------------------------------------------------------------------------

アキ 性別/男 職業/novice Lv1

【装備】

 武器 右手・ノービス・ナイフ

    左手・ノービス・ナイフ

 頭・ノービス・ヘルム

 胴・ノービス・メイル

 腕・ノービス・アーム

 足・ノービス・グリーブ

 装備品

 ・なし


 【パッシブスキル】

  ・ナイフの心得


 【アクティブスキル】

  ・スローイングナイフ


-----------------------------------------------------------------------------


…なるほどスタート直後だから装備は本当に初期装備だな。novice…無職ってことか。

それにスキルがパッシブとアクティブに一つずつか…説明通り選ぶ武器によって補正がついたわけか。

確認してみないと分からないが、スキルがあるならそのおかげでナイフの使い方なんかが分かるんだろう。

アクティブスキルの【スローイングナイフ】は…文字通りナイフを投げることなんだろうけど、投げること自体にスキルが必要なのか?それとも投げることに補正が付くってことなのか?どっちだ?実際に戦ってみないとここらへんは分からないな…。


「蓮たちもきてるだろうし、下手に動かず見つけてもらったほうが早いな…とりあえずヘルムは外して顔を見れるようにしとくか」

 

この広場にいるほとんどがアレンと同じ格好をしている…ここにいるプレイヤーと自分の見分けをつけてもらうために初期装備のヘルムをとる秋樹…秋樹のリアルとほとんど変わらない素顔がさらされる。

その瞬間、周りのプレイヤーたちの目が…特に女性のプレイヤーたちの目が自分に向いたような気がした。


「ねぇ…ちょっと…」

「あれ見て…すごく…」

「うわ~…どこまでイジッてるんだろ…キレイな…」


こっちを見ながらなにか喋ってるようだが、距離があるためとぎれとぎれにしか聞こえてこない…。

もしかしてヘルムを取っちゃいけない決まりでもあったのだろうか?その疑問が口にも出てしまう…。


「?? なんだ?ヘルム外しちゃまずかったのか?」


ひとり疑問に思いながら周りの様子をうかがう、その時自分のほうに向かってくる少年が目に入った。

見た目が少し変わってはいるが、あれは蓮だな…。

そう思っているうちにその少年が秋樹へと距離をつめる。


「おーい!秋樹にぃだよね!?俺、蓮だよ!キャラ名はアレンね!」

「やっぱり蓮か…キャラネームがアレンな…俺はそのままアキだ」

「げっ!秋樹にぃ…本名まんまじゃん!絶対考えるのめんどくさかったでしょ!?」

「いや…そんなことは、ない」


見透かされている…そう思いながらそっと蓮…アレンから視線を外す。

アレンとのやり取りをしていると、更に4人が秋樹のもとへと歩いてきた。

秋樹の他の兄弟たち…春夏秋冬家族のみんなだ。


その中で活発そうな長身美女と、ガタイがいい優しそうな男性が秋樹へと声をかける。


「よう!聞こえてたぞアキ!!相変わらず面倒臭がりだな!私の名前はサクラだ!」

「まぁ僕たちも人のことあまり言えないけど…僕はナツね、よろしく」


男勝りな言葉使いの姉…美桜と、温和そうな大柄の兄…夏輝が会話に入る。

次いで温和そうな美少女と、元気いっぱいな女の子が声をあげる。


「アキにぃ…一緒にゲームやってくれてありがと、私はユキにしました」

「アキにー!久しぶりー!!一緒に遊ぼーー!!あ!名前はハルにしたよ!」


小柄で小動物のような可愛さがある妹…雪乃と、元気いっぱいのちびっこ…姪の春姫がサクラやナツに続いて声をかける。


みんな久しぶりに会うけど元気そうだな…ゲームの中だけど。

というかなんで俺だけ名前のことで責められてるんだ…みんなあんまり変わんないじゃないか。


「はぁ、たしかに俺はめんどくさかっただけだけど…みんな自分のリアルネームをすこし変えただけじゃないか…姉貴だっサクラって安直じゃないか…人のこと言えな・・・」

「あ!?なんか言ったかアキ!」

「…なんでもありません、みんないい名前ですネ」

「そーだろう!そーだろう!!ハハハハ!!」


こわっ!女がしちゃいけない視線なんですが…心臓悪い人がその視線で見られたら心臓止まっちゃうんじゃないかな?


名前の事で抗議しようとしたら、姉のサクラからものすごい目で見られて途中で言おうとしていたことををやめる…この姉は兄弟内で起こる不都合は物理的に解決することが多いのだ。


そのことを他の兄弟たちもよく分かっている。

アキとサクラのやり取りを見て苦笑いしていた春夏秋冬一家だった。そんなことは知らん!とばかりに姉であるサクラが笑い、アキが肩を落とす中…長男であるナツが話をすすめる。


「ははは…サクラも相変わらずだね~…。ま!久しぶりに兄弟みんなで、そして姫も入れての初のゲームなんだ、楽しんでいこうじゃないか!」

「そうだね!それじゃさっそくフィールドに…って言いたいとこだけど、一回状況確認しようよ!」


アレンの言葉にみんなで一度、状況の確認を行うことにした。

 

 


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