ゲームをしよう!
俺、春夏秋冬秋樹は今、弟である春夏秋冬蓮にゲームをやろうと誘われていた。
「秋樹にぃ! 今度出るVPMMOのゲーム、兄弟みんなでやろうよ!」
「VRMMO?兄弟みんなで?」
活発そうな少年である春夏秋冬蓮が、細身で長身の男で実の兄である春夏秋冬秋樹に今度発売するVRMMO、「Frontier World Online」を兄弟皆でプレイすることを提案する。
「別に俺はいいけど、姉貴と兄貴は大丈夫なのか?二人とも仕事忙しそうにしてたし…それに兄貴は春姫だっているんだぞ?」
「二人とも大丈夫だってさ!それに春姫もやるって!もちろん雪乃も!」
「春姫もやるのか…てことは俺たち5人に春姫を入れて6人でってことだな」
「そう!ちょうど1パーティの人数なんだ!」
俺たちは5人兄弟だ、上から
長男・水撫月夏輝(26歳既婚 体格が良く、温和層な雰囲気がある婿入りしたため苗字が変わっている)
長女・春夏秋冬美桜(25歳社会人 長身細身でスタイルが良く、身内から見ても美人)
次男・春夏秋冬秋樹(22歳社会人 自分自身、正直兄弟たちの中では普通の顔立ちだと思っている)
三男・春夏秋冬蓮 (20歳大学生 活発で明るく誰とでも仲良くなれる 学校でも非常にモテるようだ)
次女・春夏秋冬雪乃(19歳大学生 小柄でおしとやか、守ってあげたくなるような女の子、こちらも学校ではモテているようだ)
って感じだ、苗字が春夏秋冬と書いて「ひととせ」と読む、非常に珍しい家庭だ。兄貴である夏輝は18歳の時に結婚し、婿入りしたため苗字が変わっている、今現在は愛娘である春姫も7歳になった。
春姫は俺たち兄弟全員が可愛がっており、みんな「姫」って愛称で呼んでる。
「わかったよ、みんなでログインするときは教えてくれ、その時は時間つくって俺も入るから」
「やった!!これで兄弟みんなで遊べるね!」
「蓮と雪乃はゲーム好きとして、良く兄貴や姉貴がやるって言ったもんだな」
「ねーちゃんはストレス発散に久しぶりにゲームでもやるかって感じで…にーちゃんの方は姫に泣き落とされたみたいだよ?」
「…人のこと言えないが、兄貴も姫に甘いからな…」
初の子供、それも娘…そんな存在に対して強い父親などいない。
そしてそれは初の姪っこという存在になる兄弟たちみんなに言えることだった。
「んじゃ!ログインするときはあとで連絡するからよろしくね!できるだけスタートダッシュ決めたいからサービス開始したらすぐだと思うけど!!」
「…了解」
やる気満々の弟に苦笑いしつつ答える秋樹であった。
そのあと、ちょっとした雑談を踏まえた会話をし、弟の蓮との電話を切る。
「はー…ゲームかぁ~、そういえば久しくやってないなぁ」
社会人になってからゲームやってる時間なんてなかったもんなぁ…まぁそんなに頻繁にはできないと思うけど、たまにみんなでゲームするのもいいか。
学生時代はそれなりにゲームをしていた秋樹も、社会人となってからは仕事に追われゲームをする暇なんてなかった。
ちなみに春夏秋冬家の5人兄弟はみんな、少なからずゲームをして育ってきている。
特に姉の美桜と、弟の蓮、妹の雪乃はゲームが大好きだ。
姉貴のほうは俺と同じく社会人として働くようになってからは、ゲームをする頻度も下がっていたが…今回は兄弟全員が参加するということで自分もやる気を出しているみたいだ。
蓮と雪乃は言わずもがな…根っからのゲーマーだ。まだ学生と言うこともありいろんなゲームを楽しんでいるようなことを前に聞いた。ちなみにこの2人はゲームの才能?があるようで、どんなゲームでもある程度すぐ上手くなる上、ゲーム界の中でも名前が通っているようだ。もちろん、ゲーム内での名前だが…。
「…姉貴や兄貴にはともかく…あいつらに追いついていける気がしないな」
社会人と学生で、自由に使える時間の差に自然とため息が出る…。
最初はいいが、必ずプレイ時間に差が出てゲーム内の実力的にも追いつけなくなるだろうことは明白だった。
「…ま、気晴らし感覚で楽しみますか」
蓮からゲームのログイン時間については後から連絡がくるし…それまでにはある程度仕事をまとめとかないとな…。
秋樹は蓮に再度、連絡をもらうまでなんとか仕事を一区切りさせておこうと頑張るのだった。