かえらないオコ
ニコとであうまえ。
あらごとになれていたオコはじぶんがおもっていたいじょうにせんじょうにてきおうすることができました。
まんぞくにうごくことのできないしんぺいのなかでかれのそんざいはいしつそのものでした。
まるでなんねんもせんそうをしてきたこさんへいのようにてきかくなうごきをします。
てきをころさなければみかたがしぬ。
それをしっているオコはだれよりもゆうかんにせんじょうでたたかいました。
なかまをまもりながらてがらをあげる。
かもくながらもせんかをあげていくオコになかまからのしんらいはあつく、かれはどんどんしゅっせしていきました。
そんなあるひ。
せんじょうのなかにオコはいました。
そこではいつもとはちがうことがおこりました。
にげおくれていたしょうねんがしゃせんのなかにはいっているのです。
「ニコ!?」
しょうねんのすがたがニコとかさなります。
まようことなく、オコはしょうねんをかばいました。
そのだいしょうにオコはきずをおいました。
ふかでです。もうたすかりません。
ですが、そんなことはきにせずしょうねんにめをむけます。
すると、しょうねんとニコはまるでにていませんでした。
それでもよかったとオコはおもいました。
たぶん、じぶんはこのしょうねんのいのちをまもるためにうまれてきたんだろうとかれはおもったからです。
オコはちといっしょにじぶんのいのちがうしなわれていくのをかんじました。
ああ、あいつとのやくそくをまもれなかったな……。
オコにとってそれだけがゆいいつのこころのこりでした。
「すまない、ニコ。これじゃ、『やさしいうそつき』じゃなくてただのうそつきだよな……」
そういってオコはうまれてはじめてかすかに、ほんとうにかすかにわらいました。
それをさいごにオコがうごくことはもうありませんでした。
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