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ニコとオコ  作者: 芽中要
2/4

やさしいうそつき

 ニコからのえいきょうからでしょうか。

 オコはまえほどおこりっぽくなくなり、むやみにひとをきずつけることがなくなりました。

 オコのおかげでしょうか。

 ニコもまえのようになぐられることがなくなりました。

 いつのころからか、ふたりをやっかいものとおもうものはいなくなっていました。


 それからすうねん。

 ふたりはせいねんとよべるとしごろをむかえ、はたけしごとをしておだやかにくらしていました。

 そんなあるひのこと。

 なかのよくなかったとなりのくにがせんせんふこくしてきました。

 せんそうのはじまりです。

 それによって、むらからなんにんかへいたいをだすようにくにからめいれいがきました。

 そして、むらのわかもののなかからきめられたにんずうをえらぶことにしました。

 きめかたはくじびき。

 それがいちばんびょうどうだとおもわれるほうほうだったからです。

 そのくじでニコはへいたいにえらばれてしまいました。

 ところがそのくじをうばいとるものがいました。

 オコです。

「おまえみたいなあまちゃんがせんじょうでいきのこれるわけがないだろ。おれのほうがうまくやれる。おれがかわりにいってくる」

 だれもそれにはんたいするものはいませんでした。

 とうじしゃであるニコいがい。

 おだやかなせいかくでからだをうごかすのがあまりとくいでないニコと、なんにんをあいてにけんかしてもまけないオコではどちらがいきのこれるかなんてかんがえるまでもなかったからです。

 ニコはじぶんがえらばれたのだから、じぶんがいくべきだとしゅちょうします。

 ですが、オコはそれについてはぜったいにくびをたてにふりませんでした。

 オコはニコをへいたいにだしたくなかったのです。

 たとえじぶんがいってしぬことになっても、ニコをしなせたくなかったのです。

 いつからかオコはニコのことをきにいっていました。

 ぼうりょくをつかってしかものごとをかいけつできないじぶんとはちがい、しんぼうづよくことばによってかいけつをこころみようとするニコをオコはそんけいしていました。

 それはオコがもっていないつよさだったからです。

 そのことをしんでもくちにだしたりはしませんが。

「おれはこんなひなびたむらでなんのしげきもなくしんでいくのはいやなんだよ。せんそうにいってうさばらししてくる」

 わるぶってこころにもないせりふをことばにするオコ。

 うそです。

 ほんとうはいままでのようにニコとおだやかにくらしていきたいとおもっていました。

 ほんとうはだれもきずつけたくなんてありません。

 ですが、そんなことはいえるはずがありません。

 オコはかおいろひとつかえずにうそをついてみせました。

「きみがすなおじゃない、やさしいうそつきだってことをぼくはしってる」

 そんなオコのめをみながらニコはいいます。

「やくそくだ。かならずかえってきて」

 いのるようにいうニコ。

「あたりまえだろ。おれはうさばらしにいくだけだからな」

 そのうそをいいのこして、よくじつにはオコはへいたいにとられていきました。

 初見でこの作品を読んで面白い、続きが読みたい、と思って頂けましたら、


何卒ブクマ登録、pt評価の方をよろしくお願い致します。


作者も人間ですのでptが上がればやる気も出ますし、その逆もまた然りですので。

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