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黒い読み聞かせ④「思う壺だったウツボ」

掲載日:2017/06/27

海の中ではウツボの醜い争いが。

人間の世界でもあるかもしれません。

挿絵(By みてみん)


 いま、海の中では、

 ウツボたちの、大統領選挙が、

 行われようとしていました。


 大統領に立候補したのは、

 青いウツボと、赤いウツボの二匹です。


 青いウツボは、

 とっても傲慢ごうまんで、毒舌をまき散らし、

 多くのウツボたちから、反感をかっていました。


 これに対して、赤いウツボは、

 クリーンな政治を打ち出しました。

 たくさんのウツボ市民の期待を背負い、

「打倒! 青いウツボ」を誓って、立候補しました。


 そこへ今度は、

 若くて正義感あふれる、ピンクのウツボが現れました。

 赤いウツボに、賛同さんどうして、言いました。


「ボクも、赤いウツボさんと一緒に、

 あの、青いウツボを打ちのめしたい。

 ぜひ一緒に闘いましょう!」と、立候補を表明しました。


 ウツボ大統領選の、

 投票総数は全部で100票です。


 ウツボ通信社の、事前の世論調査では、

 青いウツボの支持率は40%。

 残り60%は「反・青いウツボ」派でした。


 大多数の民意は、青いウツボに

 「NO!」を突きつけていたのです。


 いよいよ、選挙結果が出ました。

 100票の行方をみてみると……。


 青いウツボ   40票

 赤いウツボ   30票

 ピンクのウツボ 30票


 なんと、青いウツボが、

 支持率40%で、当選してしまったのです。


 そうです。


 赤いウツボと、ピンクのウツボは、

 青いウツボへの反対票を、二匹で分け合ってしまい、

 共倒れになってしまったのです。


 結局、

 大勢のウツボたちの民意は、反映されませんでした。


 後日、青いウツボは、

 岩陰に潜んでいた、ピンクのウツボに会いに行きました。


 ピンクのウツボは、声をひそめて言いました。

「ぷっくく。あにき。言われた通り、立候補しましたぜ」


 青いウツボは、

 口元をゆがめて笑いました。


「むふふ。ピンクのウツボくん。君のおかげだよ。

 約束通り、魚100匹をプレゼントしよう。

 それにしても、赤いウツボは、

 まんまと、思うツボに、はまったのう。ぐふふふ」


 そうして、青いウツボは、

 海の中の暗黒社会を、

 いつまでも、いつまでも、支配し続けました、とさ。


 めでたし、めでたし。


(了)



田舎の選挙では、ありそうな気がする ʕ-ܫ-;ʔ


【「黒い読み聞かせ」シリーズ】


①「虐げられたシイタケ」

②「微塵も反省しないミジンコ」

③「ブチ切れる青筋アゲハ」

④「思う壺だったウツボ」


以上、発信済み。まだまだ続きます。

毎回イラストもつきます。

読み聞かせにどうぞ。



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