黒い読み聞かせ④「思う壺だったウツボ」
海の中ではウツボの醜い争いが。
人間の世界でもあるかもしれません。
いま、海の中では、
ウツボたちの、大統領選挙が、
行われようとしていました。
大統領に立候補したのは、
青いウツボと、赤いウツボの二匹です。
青いウツボは、
とっても傲慢で、毒舌をまき散らし、
多くのウツボたちから、反感をかっていました。
これに対して、赤いウツボは、
クリーンな政治を打ち出しました。
たくさんのウツボ市民の期待を背負い、
「打倒! 青いウツボ」を誓って、立候補しました。
そこへ今度は、
若くて正義感あふれる、ピンクのウツボが現れました。
赤いウツボに、賛同して、言いました。
「ボクも、赤いウツボさんと一緒に、
あの、青いウツボを打ちのめしたい。
ぜひ一緒に闘いましょう!」と、立候補を表明しました。
ウツボ大統領選の、
投票総数は全部で100票です。
ウツボ通信社の、事前の世論調査では、
青いウツボの支持率は40%。
残り60%は「反・青いウツボ」派でした。
大多数の民意は、青いウツボに
「NO!」を突きつけていたのです。
いよいよ、選挙結果が出ました。
100票の行方をみてみると……。
青いウツボ 40票
赤いウツボ 30票
ピンクのウツボ 30票
なんと、青いウツボが、
支持率40%で、当選してしまったのです。
そうです。
赤いウツボと、ピンクのウツボは、
青いウツボへの反対票を、二匹で分け合ってしまい、
共倒れになってしまったのです。
結局、
大勢のウツボたちの民意は、反映されませんでした。
後日、青いウツボは、
岩陰に潜んでいた、ピンクのウツボに会いに行きました。
ピンクのウツボは、声をひそめて言いました。
「ぷっくく。あにき。言われた通り、立候補しましたぜ」
青いウツボは、
口元をゆがめて笑いました。
「むふふ。ピンクのウツボくん。君のおかげだよ。
約束通り、魚100匹をプレゼントしよう。
それにしても、赤いウツボは、
まんまと、思うツボに、はまったのう。ぐふふふ」
そうして、青いウツボは、
海の中の暗黒社会を、
いつまでも、いつまでも、支配し続けました、とさ。
めでたし、めでたし。
(了)
田舎の選挙では、ありそうな気がする ʕ-ܫ-;ʔ
【「黒い読み聞かせ」シリーズ】
①「虐げられたシイタケ」
②「微塵も反省しないミジンコ」
③「ブチ切れる青筋アゲハ」
④「思う壺だったウツボ」
以上、発信済み。まだまだ続きます。
毎回イラストもつきます。
読み聞かせにどうぞ。




