第四話:不幸中の幸い
今日は厄日だな・・・今更ながらそう思った。
「おれには今の状況が分からないんだが・・・」
「刃物を持った危ない人たちがたくさんいるみたいな感じかな」
「的確な説明をしてくれてありがとな」
できたら聞きたくなかったよそんな説明、一体何なんだよ本当に。
「お話し中悪いけど、早く金になりそうな物を出しな、さもないと・・・」
そういって剣をこっちに向けてきた。
「どうする緋波、このままだと天国に行くことになっちまうぞ」
「ここは逃げるしか無いんじゃない、あいつらどうも本気っぽいし」
「それが最善だろうな、でもどうやって逃げる?」
まわりを見ると数は少ないが、囲まれているようだった。
「大丈夫だよ、こんなこともあろうかと・・・」
そういって懐からカンを取りだし、
「準備はちゃんとしてあるよ!!」
地面に向かっておもいっきり投げた。するとカンから煙が出てきてまわりが見えなくなった。
「速人、今のうちに逃げるよ!!」
まわりのやつらは突然のことに混乱している。確かに今がチャンスのようだ。おれたちは逃げるため走りだした。
「それにしても、よくあんなもの持ってたな」
「不審者とかから逃げるために常備してるんだよ、だけどあれには欠点が一つあるんだよね〜」
「・・・欠点?」
その疑問はすぐにわかった、何故なら後ろから追いかけてきているからだ。
「欠点として時間がすごく短い、煙が出てる時間は20秒くらいかな〜」
そのとき、後ろから矢がとんできて、緋波の足に当たった。
「大丈夫か、緋波!!」
「大丈夫だよ、かすっただけだから」
そういうが傷はけっこう深そうだ、いったいどうすれば・・・
そう考えた瞬間に・・・
おれたちの前には人の姿があった。